2010年2月17日水曜日

よろい

 前々回に引き続き、クラス3「マクロやミクロのレベルへの遷移」に属する標準解法の紹介です:

・標準解法3-1-5 「システム全体とその要素による対立特性の分担」

 二重や多重のシステムの効率は、対立する特性をシステム全体とそれを構成する要素の間で分担させることにより改善することができます。これは、システムが全体としては「A」というある特性を有する一方、システムの要素(部分)が「反A」という反対の特性を有する二段構造により実現できます。

●例「よろい」

 中世の騎士は剣から身を守るためによろいを着けたりしていました。でも、固くて重たいよろいが邪魔になって思うように身動きできず、戦う上ではえらく不自由な思いをしていたことでしょう(下図)。
 もっと身軽に戦えるためにはどうすればよいでしょうか?











http://www.costumearmour.com/cdshrek.htm

・解決策:

 身動きしやすいように柔らかくて軽いよろいを作ってしまいましょう。この場合、対立する特性は「固い⇔柔らかい」または「重たい⇔軽い」となりますが、要素は重たいけれども全体としては軽いよろいを作るのは難しそうなので、要素は固いけれども全体としては柔らかいよろいにしましょう。鎖かたびらならば、柔軟性に富んでいるけれども、金属製なので剣から身を守ってくれそうです(下図)。









鎖かたびら


 鎖かたびらの場合、要素が軽いのは勿論のこと、全体としても軽くなりそうですね。


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This book has been developed in the frame of the TETRIS project funded by the European Commission—Leonardo da Vinci Programme.
The partners of the project consortium are:
AREA Science Park (Italy) www.area.trieste.it (project coordinator)
ACC Austria Gmbh (Austria) www.the-acc-group.com
European Institute for Energy Research - EIfER (Germany) www.eifer.uni-karlsruhe.de
Fachhochschule Kärnten (Austria) www.fh-kaernten.at
Harry Flosser Studios (Germany) www.harryflosser.com
Higher Technical College Wolfsberg (Austria) www.htl-wolfsberg.at
Jelgava 1. Gymnasium (Latvia) www.1gim.jelgava.lv
Siemens AG, Sector Industry, Industrial Automation and Drive Technology (Germany) w1.siemens.com/entry/cc/en/
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2010年2月16日火曜日

TRIZマスターIsak Buhkmanによる日本での打ち合わせ/講義/トレーニング(第2弾)

 第1回イスラエルTRIZコンファレンスでTRIZ チュートリアルおよびTRIZマスター公開討論会に登壇したIsak Buhkman氏が3月15日~4月13日の台湾におけるプロジェクト終了後、米国へ戻る途中で4月15日~4月20日に来日することになりました。Isakとの打ち合わせまたはIsakによる講義やトレーニングを希望される方はお知らせください。また、直接のやり取りをご希望の方にはメールアドレスをお教えいたします。

 なお、Isakは昨年の6月と12月に台北で国際TRIZ協会認定コースを開催しています(詳細はhttp://www.triz.com.tw/english/ )。このようなコースに参加を希望される方の数が揃うようであれば、日本でも初めて開催できますので、参加ご希望の方はお知らせください。

2010年2月15日月曜日

充電器

 今回もクラス3「マクロやミクロのレベルへの遷移」に属する標準解法の紹介です:

・標準解法3-1-3 「システム構成要素間の差異の増大」

 二重や多重のシステムの効率は、そのシステムを構成する要素の差異を増大させることにより改善することができます。

 次のような進化の道筋がおすすめです:

  類似の構成要素
  バイアスのかかった構成要素
  異なる構成要素
  「構成要素およびそれと反対の機能をもった構成要素」の組み合わせ

●例「充電器」

 携帯電話などに充電池が使われていますよね。これらは充電器を使って充電できます。でも、充電池の種類によっては、完全に放電してから充電しないと、メモリ効果が原因で電池の容量が減っていってしまいます(下図)。

 電池の容量が減らないようにするためにはどうすればよいでしょうか?


















http://club.pep.ne.jp/~nonoyama/Battery.html

・解決策:

 メモリ効果が発生しないように、反対の機能も作り込んでしまいましょう。この場合、放電する機能を同じシステムに統合してしまえばいいですね。充電を開始する前に完全に放電する充電器が考えられます(下図)。













反対機能をあわせ持つシステム: 充放電器

 この充放電器の場合、単三型と単四型の電池の両方に対応しているので、「類似の構成要素」という観点でも進化しているといえますね。


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2010年2月12日金曜日

事務機器

 今回は初めてクラス3「マクロやミクロのレベルへの遷移」に属する標準解法の紹介です:

・標準解法3-1-1 「二重や多重のシステムの形成」

 あらゆる進化段階におけるシステム効率は、そのシステムを他のシステムと組み合わせて二重や多重のシステムを形成することにより改善することができます。

 単純な二重や多重のシステムの形成では二つ以上の要素が組み合わされます。物質、場、物質-場の組み、物質-場システム全体のいずれをも組み合わせることができます。

●例「事務機器」

 事務室にはパソコン、電話、FAX、プリンタ、スキャナ、コピーなど必要な機器がたくさんありますね。でも、それぞれが場所を取ってしまうと、ただでさえ狭い部屋がますます狭くなってしまいます(下図)。
 部屋を少しでも広くするためにはどうすればよいでしょうか?
















http://www.goodb.com/pc/printer/epson/laser/lp-m5600a.html

 ・解決策:

 システムの効率を向上させるために他のシステムと組み合わせて二重または多重のシステムを作ってしまいましょう。この場合、複数の事務機器のいくつかをひとつの多重システムに統合してしまえばいいですね。たとえば、電話、FAX、プリンタ、スキャナ、コピーの機能をあわせ持つ複合機が考えられます(下図)。
















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2010年2月11日木曜日

自転車ボトル

 前回に引き続き、今回もクラス2「システムの進化」に属する標準解法の(再)紹介です:

・標準解法2-2-3 「固体物質の多孔質物質への置き換え」

 物質-場モデル内の固体物質を多孔質物質へ置き換えることにより、物質-場システムの効率を改善することができます。






標準解法2-2-3 固体物質の多孔質物質への置き換え

●例「自転車ボトル」

 サイクリング中に喉を潤せるように自転車ボトルを取り付けたりしますが、ボトル内の水がこぼれないように普段はふたをしておきます(下図)。でも、喉が渇いたとき、ふたを開けるためにいちいち立ち止まるのは面倒ですね。

 立ち止まらなくても済むようにするにはどうすればよいでしょうか?









http://www.webmd.com/health-ehome-9/slideshow-natural-workout

・解決策:

 この状況の物質-場モデルは、左下図のように、水(S1)、ふた(S2)およびこれらの間に作用する機械的場で表わすことができます。機械的場を用いて、ふたで水がボトルの外にこぼれないようにしています。標準解法2-2-3を適用して、固体物質であるふたを多孔質物質に置き換えることになります。でも、どのような多孔質物質に置き換えればよいのでしょうか? 透水性の薄膜など良さそうですね(右下図)。






自転車ボトルのふた(S2)に標準解法2-2-3を適用した例

 普段は水圧が低いので薄膜は水を通しませんが、水を飲みたいときにボトルを握りしめれば充分な水圧が加わり、(液体である)水が薄膜を通過できます。この飲み方だと上を向かなくて済むので安全でもありますね(下図)













http://www.espressoparts.com/RW_04533


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2010年2月10日水曜日

停止灯

 今回からクラス2「システムの進化」に属する標準解法の(再)紹介です:

・標準解法2-2-2 「物質の分割度の増大」

 物質-場システムでツールの役割を果たす物質の分割度を増大することにより、物質-場システムの効率を改善することができます。分割度の増大が進んでいくと、究極的にはその機能を提供することのできる新たな場がツールに取って代わることになります。







標準解法2-2-2: 物質の分割度の増大

●例「停止灯」

 自動車のブレーキペダルを踏むと停止灯が点灯して後方のドライバーにブレーキをかけていることを知らせます。通常、左右一対の停止灯が付いています(下図)。

 安全性を高めるにはどうすればよいでしょうか?







通常の停止灯


・解決策:

 この状況の物質-場モデルは、左下図のように、ドライバー(S1)、停止灯(S2)およびこれらの間に作用する電磁的場で表わすことができます。電磁的場である光を用いて後続のドライバーに知らせています。標準解法2-2-2を適用してツールである停止灯の分割度を増大することになります。でも、停止灯の分割度を増大するとはいったいどのようなことを意味するのでしょうか? 停止灯を分割して、左右一対だけでなく、いろいろな場所に複数取り付けることが考えられます(右下図)。






停止灯(S2)に標準解法2-2-2を適用した例

 多数のLEDなどで構成すれば、形状も変えられて目立ちそうですね(下図)











http://www.shimarisudo.com/souchaku/caldina/index3.html


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2010年2月9日火曜日

切削機

 前回は二つの物質を接触させなくてもよい場合の「有害作用の除去」に関する標準解法でしたが、今回は接触させなければならない場合に対する標準解法の紹介です:

・標準解法1-2-4 「新たな場による有害作用の除去」

 有害作用の除去は、ある物質に対して、望ましくない効果が及ぼさないように物質-場システムを改良することにより行います。

 物質-場モデル内の二つの物質間に有用な作用と有害な作用が働いていて、この二つの物質を直接接触させておかなければならない場合には、二重物質-場システムに変更し、もともとあった場では有用な作用を行うとともに新たに持ち込んだ場では有害な作用をなくす(あるいは有用な作用に変える)ことにより問題を解決できます。











標準解法1-2-4: 新たな場による有害作用の除去

●例「切削機」

 機械工場にはいろいろな工作機械がありますね。高速回転を利用してきれいに切削できる装置もあります。でも、工具と対象物間の摩擦がオーバーヒートの原因となって変形による精度低下を引き起こす恐れもあります(下図)。

 精度を保つためにはどうどうすればよいでしょうか?











http://blog.goo.ne.jp/diamondtree/m/200902/6

・解決策

 この例では、工具は二つの作用をします: まず、対象物を切削するという有用な作用、そしてもうひとつは、熱を発生させるという有害な作用です。これは、物質-場的には、左下図のように、S1の工具が機械場を介してS2の対象物を切削すると同時に加熱してしまうモデルとして表せます。

 標準解法1-2-4に従えば、新たな場を持ち込んで、有用な作用も果たしている既存の場の有害な作用のほうをなくすことになるので、オーバーヒートをなくすことのできる温度場を探してみましょう(右下図)。









S1が生じる二次的有害作用の除去に標準解法1-2-4を適用した例

 温度場は、作業対象物(と工具)を冷やすことにより変形と精度低下を防いでくれる放水装置などで用意することができそうですね(下図)


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