2010年4月2日金曜日

システム要素完全性の法則

 技術システムが生き延びられるためには、システムの基本的要素がそろっていて機能する必要があります。
 技術システムが制御可能であるためには、その要素の少なくともひとつが制御可能である必要があります。ここで、「制御可能」とは、制御する人の要求に応じて特性を変えることを意味します。

 技術システムの主要部分は、下図の破線で囲まれているエンジン伝達装置ツール制御装置です。














技術システムの主要部分


 破線で囲まれていないエネルギー源産物は通常、技術システムに含まれません。例えば、水車を動かす川の水流とか風力発電用回転翼の羽根を回す風などのエネルギー源です。
(懐中電灯の電池の場合など、エネルギー源エンジンが一体化している特殊な場合などには技術システムの一部と見なされることもあります。)

 一般的なガソリン自動車の主要機能を「人を運ぶ(人をある場所から別の場所へ動かす)」とした場合、技術システムの主要部分などは以下のようになります:
  • 産物: 主要機能の対象となる
  • ツール: 主要機能を果たすために産物と直接的に関わり合っている座席
  • エンジン: ツールが主要機能を果たす形にエネルギーを変換する内燃機関
  • 伝達装置: エンジンからツールへエネルギーを伝えるトランスミッション
  • 制御装置: エンジン伝達装置ツールを制御する制御機構
  • エネルギー源: エンジンが動作するために必要なガソリン酸素
 一般的なガソリン自動車の主要機能を「(自動車)自身をある場所から別の場所へ動かす」とした場合、技術システムの主要部分の何れかに問題があるとどうなってしまうか見てみましょう。
  • エンジン: ガソリンや酸素が無かったら、エンジンが動かないので動力を生み出せません
  • 伝達装置: ピストンの往復運動を車軸の回転運動に変換しないと、前後に動けません
  • ツール: タイヤと路面の間に充分な摩擦が無ければ、推進力を得ることができません
  • 制御装置: 燃焼の制御、進行方向の制御などができなければ、機能を果たせません
 このように
「技術システムが機能するためには、システムの基本的要素がそろっていて動作する必要がある」わけですが、
これをシステム要素完全性の法則と言います。


Copyright notes

This book has been developed in the frame of the TETRIS project funded by the European Commission—Leonardo da Vinci Programme.
The partners of the project consortium are:
AREA Science Park (Italy) www.area.trieste.it (project coordinator)
ACC Austria Gmbh (Austria) www.the-acc-group.com
European Institute for Energy Research - EIfER (Germany) www.eifer.uni-karlsruhe.de
Fachhochschule Kärnten (Austria) www.fh-kaernten.at
Harry Flosser Studios (Germany) www.harryflosser.com
Higher Technical College Wolfsberg (Austria) www.htl-wolfsberg.at
Jelgava 1. Gymnasium (Latvia) www.1gim.jelgava.lv
Siemens AG, Sector Industry, Industrial Automation and Drive Technology (Germany) w1.siemens.com/entry/cc/en/
STENUM Environmental Consultancy and Research Company Ltd (Austria) www.stenum.at
Technical Institute for Industry “Arturo Malignani” (Italy) www.malignani.ud.it
The educational center for adults of Jelgava (Latvia) www.jrpic.lv
University of Florence (Italy) www.dmti.unifi.it

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