2010年3月18日木曜日

(アルトシューラーの)マトリックスの使用法

 それでは、マトリックスを使ってみましょう。

 でも、マトリックスを使用するためには、システム内に存在する(場合によっては複数の)技術的矛盾を明確化しなければならないので、まず問題の適切な分析が必要となります。

 アルトシューラーのマトリックスを使うときの主な流れは以下の通りです:
  1. 問題の記述
  2. 技術的矛盾の明確化
  3. 技術パラメーターへの変換(改善特性と悪化特性)
  4. アルトシューラーのマトリックスによる発明原理の特定
  5. 発明原理からのアイデア創出
1. まず最初に、解決すべき問題とその内容を整理します。この段階で、問題に注目し、その解決を阻んでいるのが何であるかを問い続けることが役立ちます。これにより、精査すべき何らかの制約に直面するか、あるいは、解決しなければならない矛盾を見いだすことができます。

2. 次に問題分析結果を矛盾として言い換えます。所望の状態に到達することをシステム内の何かが妨げているという形にです。つまり、何かを良くすると何か他のものが悪くなってしまうという表現にです。

例:
  • 帯域幅が増える(良くなる)けれども消費電力も増える(悪くなる)
  • サービスが顧客ごとにカスタマイズされる(良くなる)けれどもサービス供給体制が複雑になる(悪くなる)


3. 更に、これら良くなる特徴と悪くなる特徴のそれぞれを特定の技術パラメーターに対応付けることにより、矛盾表現を技術的矛盾に置き換えます。

4. そして、改善特性として選んだ技術パラメーターの行と悪化特性として選んだ技術パラメーターの列がアルトシューラーのマトリックス上で交差するセルに記載されている数字を拾い出します。これ(ら)は、直面している技術的矛盾を解決できそうな発明原理の番号を示しています。

5. 最後に、拾い出した数字を番号として有する各発明原理の説明やヒントをもとに、可能性ある解決策への手掛かりを得て問題解決のアイデアを創出します。


Copyright notes

This book has been developed in the frame of the TETRIS project funded by the European Commission—Leonardo da Vinci Programme.
The partners of the project consortium are:
AREA Science Park (Italy) www.area.trieste.it (project coordinator)
ACC Austria Gmbh (Austria) www.the-acc-group.com
European Institute for Energy Research - EIfER (Germany) www.eifer.uni-karlsruhe.de
Fachhochschule Kärnten (Austria) www.fh-kaernten.at
Harry Flosser Studios (Germany) www.harryflosser.com
Higher Technical College Wolfsberg (Austria) www.htl-wolfsberg.at
Jelgava 1. Gymnasium (Latvia) www.1gim.jelgava.lv
Siemens AG, Sector Industry, Industrial Automation and Drive Technology (Germany) w1.siemens.com/entry/cc/en/
STENUM Environmental Consultancy and Research Company Ltd (Austria) www.stenum.at
Technical Institute for Industry “Arturo Malignani” (Italy) www.malignani.ud.it
The educational center for adults of Jelgava (Latvia) www.jrpic.lv
University of Florence (Italy) www.dmti.unifi.it

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