2010年3月19日金曜日

問題の記述

 最初に行うべき「問題の記述」についてちょっと見てみましょう。

 プロの問題解決屋によると、問題を適切に記述できれば半ば解決したようなものだそうです。

 まず、問題の周りのシステムについて良く理解する必要があるので、問題に関連するさまざまな側面を体系的に記録すべきです。このとき役立つのが、問題やその環境について詳細に記述する革新チェックリストです。これを使うことにより、システムに内在する重要な矛盾を見いだしたり定義したりしやすくなります。

 革新チェックリストは以下のような構成となっています:

●改良/作成しようとするシステムとその環境に関する情報

 ・システム名(例: 自転車)
 ・システムの主要な有用機能(例: 人と荷物の移動)
 ・現状のまたは所望されるシステム構造(例: 下図)

 ・システム機能(例: 人の保持、動力の伝達、伝達比の変更、衝撃の吸収、向きの変更、速度の抑制、光の生成、光の反射、... )
 ・システム環境(例: 人、道路、空気、他の乗り物、... )

●利用可能なリソース(例: 金属、ゴム、プラスチック、風圧、空気圧、回転力、明り、... )

●問題状況に関する情報

 ・システムに対して所望される改良または取り除きたい欠点(例: 速度が人力の制限を受ける)
 ・欠点が生じるもととなる仕組み(明確な場合)(例: 人からのエネルギー伝達、空気抵抗)
 ・解決すべきその他の問題(例: 雨対策)

●システムの変更

 ・システムに対して許容される変更(例: デザインと製造技術の何れも全面的に変更可能)
 ・システムを変更する場合の制限(例: 従来の自転車らしく見えなければならない)

●解概念の選択基準

 ・望ましい技術特性(例: 高速、低空気抵抗)
 ・望ましい経済特性(例: 低変更投資、売上向上)
 ・望ましいスケジュール(例: 1年以内での発売)
 ・期待される新規性(例: 特許取得可能性)
 ・その他の基準(例: 外観の維持)

●問題解決の試行履歴

 ・問題解決に向けた今までの試み(と、できれば失敗した理由も合わせて)
 ・同様の問題をはらむ他のシステム(例: ローラースケートや漕ぎ舟の高速化)


Copyright notes

This book has been developed in the frame of the TETRIS project funded by the European Commission—Leonardo da Vinci Programme.
The partners of the project consortium are:
AREA Science Park (Italy) www.area.trieste.it (project coordinator)
ACC Austria Gmbh (Austria) www.the-acc-group.com
European Institute for Energy Research - EIfER (Germany) www.eifer.uni-karlsruhe.de
Fachhochschule Kärnten (Austria) www.fh-kaernten.at
Harry Flosser Studios (Germany) www.harryflosser.com
Higher Technical College Wolfsberg (Austria) www.htl-wolfsberg.at
Jelgava 1. Gymnasium (Latvia) www.1gim.jelgava.lv
Siemens AG, Sector Industry, Industrial Automation and Drive Technology (Germany) w1.siemens.com/entry/cc/en/
STENUM Environmental Consultancy and Research Company Ltd (Austria) www.stenum.at
Technical Institute for Industry “Arturo Malignani” (Italy) www.malignani.ud.it
The educational center for adults of Jelgava (Latvia) www.jrpic.lv
University of Florence (Italy) www.dmti.unifi.it

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