2010年4月29日木曜日

国際TRIZ協会(MATRIZ)認定 Level 3

Level 3 の認定証


●国別認定者数(Level 3

  1. 韓国           180
  2. ロシア         132
  3. 米国            70
  4. イタリア        17
  5. 中国            15
  6. フランス         9
  7. マレーシア      6
  8. コスタリカ       5
  9. ドイツ            5
  10. イスラエル      4
  11. インド             4
  12. ベラルーシ      4
  13. オーストリア    3
  14. アイルランド    2
  15. タイ               2
  16. ベトナム         2
  17. 台湾              2
  18. カザフスタン    1
  19. サウジアラビア 1
  20. シンガポール   1
  21. スウェーデン    1
  22. 日本              1

2010年4月28日水曜日

国際TRIZ協会(MATRIZ)認定 Level 2

Level 2 の認定証(サンプル)

●国別認定者数(Level 2
  1. 韓国          727
  2. 米国          103
  3. 中国           72
  4. ロシア         68
  5. ドイツ          28
  6. イタリア       14
  7. シンガポール 9
  8. インド           7
  9. 英国            3
  10. エストニア     2
  11. オーストリア   2
  12. スウェーデン  1
  13. ベラルーシ    1
  14. ルーマニア    1
  15. 日本            0

2010年4月27日火曜日

国際TRIZ協会(MATRIZ)認定 Level 1

Level 1 の認定証(サンプル)
 
●国別認定者数(Level 1
  1. ドイツ          162
  2. ロシア         126
  3. イタリア         71
  4. 韓国             71
  5. 中国             52
  6. シンガポール  39
  7. 台湾             39
  8. オーストリア   24
  9. 英国             15
  10. 米国             15
  11. オーストラリア 14
  12. スイス            9
  13. 日本              0

2010年4月26日月曜日

サムスンにおける発明問題解決手法TRIZの教育カリキュラム

●発明問題解決手法TRIZにより創造的でない人を創造的に変えられる
 創造的であることは難しいが、TRIZは創造力に富むのに役立つ

●研究開発、製造、品質管理、マーケティング、人材部門などはTRIZを用いて創造的な管理手段を開発すべきである

●TRIZの認定者に対して高い評価を与える

 TRIZの教育カリキュラムに関しては下図参照:


●CEOまたは取締役は基礎研修コースを修了しなければならない

●4段階の教育コース

2010年4月25日日曜日

インテル社における発明問題解決手法TRIZの導入

●成果

・すべての工場がモジュール/機器に関連するエンジニアの100%にBasic TRIZ(TRIZ基礎、Level 1)の講習を受けさせることを約束した

・500人以上の受講者(インテル社全体で約1000人)に対して延べ40回以上の5日間研修、32プロジェクトを実施し、持続可能製造を中心に1300万ドルの投資収益(ROI)を生み出した

 習熟段階については下図参照:

2010年4月23日金曜日

キーボード

●(システムの)理想性向上の法則

 技術システム進化の主法則であり、技術システムがその理想度を増大させる方向に進化していくことをうたっています。

 いかなる技術システムも、その生涯を通じて
  • 機能の増大
  • できるだけ多くの機能の作動部への移動
  • 機能の一部の上位システムへの移動
  • 既に存在する入手可能な内外部のリソースの利用
などにより、高信頼性、シンプル、効果的、そして完全な姿に近くなります。

・例: 理想的なキーボード

  占める場所が減る → 消費するエネルギーが減る → …

2010年4月22日木曜日

アーチェリー

●システム(要素)完全性の法則

 この法則は、自立技術システムが最低限機能する以下の4つの主要部を備えていなければならないことをうたっています:

► エンジン – エネルギーを変換
► 伝達装置 – エネルギーを伝達
► 作動部(ツール) – システムの主要機能を実行
► 制御装置 – システムのパラメーターを制御


 この法則をアーチェリーを例に見てみましょう:

2010年4月14日水曜日

「TRIZ開発者サミット 2010」 Information letter No. 6

Non-governmental Organization "TRIZ Developers Summit"

http://www.triz-summit.ru/
mik-rubin@yandex.ru
+7 (812) 449-8984

GENERAL SPONSOR THE SPONSORS ARE:
Intel
Saint-Petersburg State University
Engineering and Technological Consulting Center Algorithm
International TRIZ Association


Information letter No. 6

On conducting TRIZ Summit 2010
March 31, 2010.

Dear colleagues,

1. We invite you to take a part in the events of TRIZ Developers Summit-2010. This is already the sixth annual TRIZ Summit since 2005. The theme of TRIZ Summit-2010 is: "TRIZ-based methods of forecasting". TRIZ Developers Summit-2010 (TDS-2010) will take place in Saint-Petersburg. TRIZ specialists from Russia, USA, Latvia, Israel and South Korea have been announced their participation by the present time. The themes of planned presentations have been already identified, and are published at the following web-site: www.triz-summit.ru/ru/section.php?docId=4619

2. TDS-2010 is organized by Non-governmental organization "TRIZ Developers Summit". TDS-2010 is currently sponsored by: Intel Company, Saint-Petersburg State University, Engineering and Technological Consulting Center Algorithm, International TRIZ Association (MATRIZ). The list of sponsors could be augmented.

3. TRIZ Summit 2010 events will take place in Saint-Petersburg State University on the following days:

• July, 26th will be an open conference of TRIZ Summit 2010, and the subject is "Forecasting Methods Based on TRIZ".

• July, 27th will be the session of МАTRIZ Dissertation Board. There are eight applications that have been filed for defense of dissertation works by the present moment in obtainment of TRIZ Master Degree. The link for applications is www.triz-summit.ru/ru/section.php?docId=4638.

A collection of conference materials will be published in Russian and in English. The participation fee for the representatives of the former USSR republics constitutes 500 rubles. For the sake of compensating the expenditures associated with the translation into English, participation fee for the representatives of other countries constitutes $250.

4. The participants of the conference can submit an application for a poster session, and a short presentation on the topic of TRIZ Summit 2010 “TRIZ-based methods of forecasting" to the editing committee. An application with an attached article should be submitted prior to May 20, 2010. The volume of an article for a poster session should not exceed five pages, Times New Roman, size: 14. Selection of the poster sessions shall be performed by the TDS Editing Commission consisting of the following persons: A.Kudriavtsev, S.Litvin, V.Petrov, and M.Rubin.

5. In order to take part in the conference, it is necessary to fill in a questionnaire. The questionnaire could be found at http://www.gen3.ru/eng/conf/5616/

6. All financial settlements are effected through the accounts of LLC "Engineering and Technological Consulting Center Algorithm".
Hard currency account for effecting payments is set in USD:

• Beneficiary’s Bank:
SWIFT: SABR RU 2P
SBERBANK
SEVERO-ZAPADNY OFFICE Saint Petersburg Russia

• Beneficiary:
CITC "Algorithm" LLC
Acct. # 40702 840 4 5523 0282752

• Details of payment:
Payment for TDS-2010

The information on the preparation of TDS-2010 has been posted on the web: http://www.triz-summit.ru/.
Please distribute this information letter through your information channels and, if possible, post them on the web-sites related to TRIZ.

We wish you all the best!

Aleksander Kudriavtsev metodolog1@yandex.ru
Simon Litvin Simon.Litvin@GEN3partners.com
Vladimir Petrov vladpetr@netvision.net.il
Mikhail Rubin mik-rubin@yandex.ru

2010年4月13日火曜日

工学システムの進化の法則

 技術システムの発達に関する法則として以下のものがあります:

  1. システム要素完全性の法則
  2. システムの「エネルギー伝導性」の法則
  3. システム要素のリズム調和の法則
  4. システムの理想性向上の法則
  5. システム要素の不均等発達の法則
  6. 上位システムへの移行の法則
  7. マクロからミクロレベルへの移行の法則
  8. 「物質-場」関与の増大の法則
  これらの法則は以下の3つのグループに分けられます:
  • 静力学的法則: 1~3
  • 運動学的法則: 4~6
  • 動力学的法則: 7, 8
  それぞれのグループはS字型カーブ上の位置と以下のように対応しています:
  • 静力学的法則: 出現段階
  • 運動学的法則: 発達段階
  • 動力学的法則: 発達終盤およびサブシステムへの移行段階
 新たな技術システムを作り出す出現段階では、システムが「物体自体」として研究されます。生存能力に必須で最重要な過程はシステムの中に存在します。この場合には色々と条件を設定することができ、周りにある他の技術システムとは独立にシステムが検討されます。システムに対して、「生きるべきか死ぬべきか?」あるいは「どのような構造を採用すべきか?」といった問いに対する解答が出てきます。
 技術システムの発達段階では、技術システムに関する進化の過程が研究されますが、この発達を決定づける技術的および物理的な要因とは無関係にです。発達を決定づける過程は依然として技術システム内にあります。ただし、重要なことはもはや技術システムの存続ではなく、他の技術システムと比べた場合の動き、発達、達成のレベルになります。この段階において最も必要なのは技術システムが主要パラメーターの最大値を達成することです。これらの主要パラメーターとしては、飛行機の速度、車の積載量、コンピューターの演算速度などがあげられます。
 発達終盤では、新システムへの移行の法則が最前面に現れます。実のところ、技術システムの発達に必要なリソースは使い尽されてしまっています。現存システムは、他の技術システムの環境内で研究されます。主要な問いは「現存環境において如何にして発達を促すか?」ということになり、具体的、技術的そして物理的な要因の影響を受けて調べることになります。


Copyright notes

This book has been developed in the frame of the TETRIS project funded by the European Commission—Leonardo da Vinci Programme.
The partners of the project consortium are:
AREA Science Park (Italy) www.area.trieste.it (project coordinator)
ACC Austria Gmbh (Austria) www.the-acc-group.com
European Institute for Energy Research - EIfER (Germany) www.eifer.uni-karlsruhe.de
Fachhochschule Kärnten (Austria) www.fh-kaernten.at
Harry Flosser Studios (Germany) www.harryflosser.com
Higher Technical College Wolfsberg (Austria) www.htl-wolfsberg.at
Jelgava 1. Gymnasium (Latvia) www.1gim.jelgava.lv
Siemens AG, Sector Industry, Industrial Automation and Drive Technology (Germany) w1.siemens.com/entry/cc/en/
STENUM Environmental Consultancy and Research Company Ltd (Austria) www.stenum.at
Technical Institute for Industry “Arturo Malignani” (Italy) www.malignani.ud.it
The educational center for adults of Jelgava (Latvia) www.jrpic.lv
University of Florence (Italy) www.dmti.unifi.it

2010年4月12日月曜日

「物質-場」関与の増大の法則

 技術システムの発達は物質-場の関与が増大する方向に進みます。

 技術システムの進化過程において技術システム内の要素は不均等に発達し、特定の段階においてある要素が複雑化します。その要素は対立、技術的および物理的な矛盾を呈して発達(場合によっては複雑化)します。これに対応して物質-場モデルはこの状況を正確に写し出し、物質-場の関与が増大する方向に技術システムが発達することを示します。

●例 スピーカー

 下図はスピーカーの磁気鎖の断面を示したものです:







スピーカーの磁気鎖の断面図

 磁場に置かれた伝導体付きコイルが「エンジン」の役割を果たし、電磁場を拡散体(ディフューザー)の機械的振動、さらには空気振動に変換します。
 磁気鎖における損失を減らして「スピーカー」技術システム全体の効率を上げるためには磁石間の距離を縮める必要があります。すき間が広ければ広いほど損失が増えてしまうわけです。

 したがって、以下のような新たな矛盾が生じます:

「隙間は、
 磁気鎖における損失を減らすためには狭くなければならないが、
 コイルの冷却を改善するためには広くなければならない
 (磁気鎖に空隙が無いのが理想)」

 物質-場分析を用いて以下のように様々な状況を考えることができます:
  • 主要機能実行時の技術システムのモデル
  • 「エンジン」によるエネルギーの主要変換実行時の技術システムのモデル
  • 対立特性1: 隙間におけるエネルギー損失
  • 対立特性2: コイルの冷却
 磁気鎖の空隙における損失の状況を見て、以下の矛盾に注目してみましょう:

「コイルが自由に動けるためには空隙がなくなてはならないが、
 磁気鎖における損失を阻止するためには空隙があってはならない」

 この対立を物質-場で表すと以下のようになります:

S1(磁石) → F(磁場) → S3(空隙) → S2(コイル)

 この矛盾は以下のように説明できます:

「磁石間の隙間は、
 磁気的であるためには連続していなければならないが、
 コイルが動けるためには連続していてはならない」

 上記矛盾は磁気鎖の空隙に新たな物質を導入して物質-場を壊すことにより解決されます:
S1(磁石) → F(磁場) S3(空隙) S2(コイル)

 空隙を液状磁性物質に置き換えることにより以下の物質-場が得られます:

S1(磁石) → F(磁場) → S3(液状磁性物質) → S2(コイル)

                       1 - 磁石
                       2 - コイル枠の機能を実行する複合物
                       3 - コイル
                       4 - 拡散体(ディフューザー)
                       5 - 磁力線
                       6 - 液状磁性物質
          
隙間を液状磁性物質(6)で満たしたスピーカーの磁気鎖の断面図

 磁気液体は磁性体微粒子の懸濁液で、以下の二つの物質の特性を有しています:
  1. 磁性がある
  2. 液体の特性を有する、すなわち、流動性を持つ
 これらの特性があるおかげで、隙間を磁気液体で満たすことにより、エネルギーの損失を減らしながらもコイルが自由に動くことを可能にします。

 この解決策は更にもうひとつ重大な問題を解決します: コイルの冷却問題です

 磁気損失を減らすために隙間を狭くするとコイルの熱を逃がしにくくなります。空気の熱容量は非常に低く、熱伝導性も悪いので、隙間の容積を減らすと、除去する熱量も減ることになってしまうからです。空隙を磁気液体に置き換えることで、熱をコイルから周辺へより効率的に伝えることができます。


 技術システムの発達は物質-場の関与が増大する以下の方向に進みます:
  • 要素(物質と場)の数の増大
  • 要素間のつながりの量の増大
  • 要素間のつながりの感度の増加
  • 新たな要素の導入
  • 技術システムの構造の変化
  このように

「技術システムの発達は物質-場の関与が増大する方向に進む」わけですが、

これを「物質-場」関与の増大の法則 と言います。


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2010年4月9日金曜日

マクロからミクロレベルへの移行の法則

 ツールの発達はまずマクロレベルで起こり、その後、ミクロレベルで起こります。

 すべての発達可能性を使いつくすとシステムは上位システムの一部として組み込まれ、これにより、上位システムのレベルで更なる発達が起こります。

 ツールは、新たな機能を実行する必要性に駆られて変化します。通常、マクロからミクロレベルへの移行の法則によりツールの矛盾を解決することができます。ツールのミクロレベルへの移行いおいて、ツールと技術システムが占める空間は減り、その効率は増し、多機能性は向上します。

●例 列車

 列車の速度向上を妨げるものは何でしょうか?
 問題が発生するのは、列車が高速で動き、車輪とレールが接触している時です。
 列車の発達の次の段階は、通常の車輪ではなく、電磁気的なクッション・ボルスターで支えられる列車です。
 「車輪-レール」の組み合わせから電磁気的な相互作用への移行が “Transrapid” という列車の構築において行われました。

 この種の移行は以下のようないくつかの問題を解決しました:
  • 移動のなめらかさ
  • 騒音の削減
  • エネルギー源から列車へのエネルギーの伝達
 電流収集(伝達)のしかたにも変化が見られます - 滑り接触する「電流収集線」がありません。エネルギーの伝達機能についても場を用いて行われているのです(下図):
“Transrapid” 列車
          
乗客用速度計

 このように

「ツールの発達はまずマクロレベルで起こり、その後、ミクロレベルで起こる」わけですが、

これをマクロからミクロレベルへの移行の法則 と言います。


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2010年4月8日木曜日

上位システムへの移行の法則

 すべての発達可能性を使いつくすとシステムは上位システムの一部として組み込まれ、これにより、上位システムのレベルで更なる発達が起こります。

 S字型カーブのβ点やγ点にさしかかったシステムが更に発達する方法のひとつとしてシステムの統合があげられますが、これは第2区分、すなわちβ点に到達する前にも起こりえます(下図):

 このような統合は、ユーザーが満足していないパラメーターがひとつでもある場合に可能です。
 典型的な発達の形態に「単一→二重→ 多重」という流れがあります。もとのシステムが同一タイプ、類似タイプ、異タイプあるいは逆タイプ(反対機能)のシステムと結びつくものです。統合の性格は要求される機能のタイプに依存します。

●S字型カーブ

 システムの主要パラメーターのひとつが時間によりどのように変化したかを示すグラフを描く必要があります。この作業に当たり、分析するシステムのこれまでの開発に関する特許やその他の情報を利用することができます。更に、得られたS字型カーブから、ある時点で、技術システムが発達過程のどの段階にあるかを知ることができます。

 分析結果から、技術システムがβ点やγ点に近づいているのに主要パラメーターを更に改善しなければならないことが判明したならば、現存技術システム変える新技術システムを決める必要があります。このようなシステム変更のひとつに、新たな、より進歩したシステムを合成するための現存技術システムの移行があります。
 システムの合成は発達のどの段階でも起こりえます。

 このように

「すべての発達可能性を使いつくすとシステムは上位システムの一部として組み込まれ、これにより、上位システムのレベルで更なる発達が起こる」わけですが、

これを上位システムへの移行の法則 と言います。


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2010年4月7日水曜日

システム要素の不均等発達の法則

 実際問題を解決したり技術発展を予測したりするにあたっては、技術システムの要素におけるボトルネックを正確に把握することが大変重要です。更に、要素が抱えている矛盾を見いだし、まさにこの箇所に対する継続的改善に力を注ぐ必要があります。

 システム要素の発達は不均等に進み、システムが複雑であればあるほど、その要素の発達は不均等になります。

 発達に伴い、技術システムの要素は人や環境からの変化する要求に従って改良されていきます。技術システムには、様々なライフステージにある、異なる発達段階の構成要素が含まれます。これらの不一致は矛盾という形で表現することができます。
特に、際立った矛盾がシステムの最も弱い部分であるボトルネックに現れます。
 システム要素の発達が不均等である理由のひとつとしてリソースによる制約があげられます。まず、物質資源に加えて開発、実装や市場参入の時間です。そして、この段階におけるかなりの制約は問題解決のための手法の欠如によりもたらされます。

●S字型カーブ

 技術システム(や生体システムなどの他のシステム)の生涯は、システムの主要パラメーターが時とともに変化していく様子を示すことにより描くことができます。
 このS字型カーブは、技術システムとその主要パラメーター(速度、出力、効率など)がその一生の間にどのように変化するかを示しています。システムによってカーブの形状は異なりますが、あらゆるシステムに対する共通点として、以下の段階を含むことがあげられます:
  • 幼少期
  • 成熟期
  • 老齢期
 技術システム全体の発達は、その要素の不均等な発達により、不規則に進むということに注目すべきです。
 幼少期(第1区分)では、技術システムはゆっくりと発達します。通常、この開発段階は先行システムの成熟期老齢期と重なります。新システムはまだ弱く、その主要パラメーターは旧システムのパラメーターよりも悪いかも知れません。若いシステムの開発のためのリソースが不足しているからです。でも、新たな作動原理は大きな潜在的可能性を秘めています。
 旧システムが残っていると、若い競合システムが出現しにくくなります。そして、旧システムが消えて初めて新システムの急速な発展が始まります(下図のα点)。成熟期(第2区分)の始まりです。
 ある時点(下図のβ点)から発達速度が鈍り始め、老齢期(第3区分)が始まると、新たな若い技術システムがいつでも出現しそうになります。下図のγ点を過ぎると、技術システムは新たなシステムに置き換わるか、あるいは、自転車の場合のように、ずっと変わらなくなってしまいます。

 発達過程において、技術システムは絶えざる変化に見舞われています。材料は変わり、また、より進歩した要素に置き換わる部分もあります。したがって、ある技術システムの生涯を表す線はそのシステムを構成する複数のサブシステムに対応するS字型カーブとして示すことができます(下図):

                      時間 →

 技術システムは以下のように多くの側面で不均等に発達します:
  • 技術システムの発達速度はその生涯における様々な段階で異なります
  • 技術システムの要素であるサブシステムの発達段階は時とともに異なります
  • それぞれのサブシステムの年齢は異なります
  • 技術システムの発達速度はその生涯における特定の段階内でも異なります
  • 条件が変わることにより、過去に排除されたサブシステムが一時的に復活することがあります
 技術システムの様々な要素に対して矛盾を見いだすことができますが、そのうちどの矛盾が最も制限的であるかを評価する必要があります。これに際し、選択した機能を実行しようとする場合に生じる有害作用や矛盾の数などが指標となります。

 時間に伴う発達により、技術システムは変化していきます。いくつかのサブシステムは、特定の条件下でより効率的なものに置き換わります。外部状況や人的要求も変わります。これらの変化が蓄積し、実際の使用や人的改良の過程でシステムの要素間や他のシステムとの間で対立が生じ、新たな発達の可能性のもととなります。
 この発達は時間に対して均等には進みません。システム内には最善のパラメーターを有する要素もあれば、システムの全体的な発達の足を引っ張るものもあります。
また、(技術システムの機能を実行する)主要パラメーターの意味合いも時に伴う不均等な変化に依存します。

このように

「システム要素の発達は不均等に進み、システムが複雑であればあるほど、その要素の発達は不均等になる」わけですが、

これをシステム要素の不均等発達の法則 と言います。


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2010年4月6日火曜日

システムの理想性向上の法則

 あらゆるシステムの発達は、理想性の度合いが増大する方向に進みます。

 理想性の概念は次の式で説明することができます: I = E/C
ここで、
     I: 理想性
     E: 最大限の効果
     C: 最小限のコスト
です。

 つまり、より大きな効果をより少ないコストで得られるほど理想性が高くなります。
 また、同じコストであれば効果を増大させることにより、そして、同じ効果であればコストを減らすことにより理想性を向上できます。
 なお、この場合のコストには、お金だけではなく、エネルギーや時間など経済、社会、環境などの観点も含まれます。

●理想システム

 コストが全くかからずに機能を実行するシステムのことです。
 上の式に当てはめると、C = 0 なので、I = E / 0 = ∞ となり、理想性の度合いは無限大になります。
 「タダほど(理想性が)高いものはない」ということです。

●理想解

 マイナス効果を何一つ引き起こさない解決策のことです。
 一般的に理想解は達成不可能ですが、解決策の評価基準として用いられます。
 理想解と比較することにより、解決策をより客観的に評価することができます。

●理想最終結果(Ideal Final Result - IFR)

 相容れない二つの要求に起因する具体的な矛盾を解消した姿のことです。
 これにより、矛盾を解消する解決策に対する評価の基準が決まります。
 すなわち、理想最終結果に近い解決策ほど優れたものと見なされます。

●問題状況に対する解決策の「最も望ましい結果(Most Desirable Result - MDR)」

 問題状況に対する解決策の結果として得たい最大限の目的のことです。
 これは、ある問題状況において必要なあらゆる理想システムと理想最終結果を統合したものであり、理想解へ最大限に近づくことを目的としています。

●S字型カーブ

 技術システム(や生体システムなどの他のシステム)の生涯は、システムの主要パラメーターが時とともに変化していく様子を示すことにより描くことができます(下図):

S字型カーブ

 このS字型カーブは、技術システムの主要パラメーター(速度、容量、生産性など)がその一生の間にどのように変化するかを明確に示しています。システムによってカーブの形状は異なりますが、共通点として、以下の段階を含むことがあげられます:
  1. 幼少期
  2. 成熟期
  3. 老齢期
 技術システムの発達過程においてその主要パラメーターは増大し、システムは良くなり、理想に近づいていきます。分析するシステムのこれまでの開発に関する特許やその他の情報をもとにシステムの主要パラメーターの時間による変化をS字型カーブとして描くことにより、システムが発達過程のどの段階にあるかを知ることができます。

 理想性向上には以下のようにいくつかの段階があります:
  • コストは増えるが、システムのパラメーターをそれ以上に改善する
  • コストを変えずに、システムのパラメーターを改善する
  • コストは増えるが、システムに新機能をそれ以上に追加する
  • コストを変えずに、システムに新機能を追加する
  • コストは減らし、システムのパラメーターを改善する
  • コストは減らし、システムに新機能を追加する
 技術システムを他のシステムと統合したり、その主要機能を新システムに組み込んで自身はサブシステム化したりすることにより、もとのシステムの姿を完全に消すことができた場合、大幅にコストを減らすことができます。

 技術システムの発達段階(S字型カーブの第2、第3段階)における存続特性として、あらゆるシステムの発達は、理想性の向上へ向かい、以下の段階で構成されます:
  1. 主要パラメーターの増大
  2. 機能を実行するためのコストの減少および新たな機能の付加
  3. 他システムとの統合による機能の移動または他システムの機能の実行
このように

「あらゆるシステムの発達は、理想性の度合いが増大する方向に進む」わけですが、

これをシステムの理想性向上の法則 と言います。


Copyright notes

This book has been developed in the frame of the TETRIS project funded by the European Commission—Leonardo da Vinci Programme.
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Fachhochschule Kärnten (Austria) www.fh-kaernten.at
Harry Flosser Studios (Germany) www.harryflosser.com
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Jelgava 1. Gymnasium (Latvia) www.1gim.jelgava.lv
Siemens AG, Sector Industry, Industrial Automation and Drive Technology (Germany) w1.siemens.com/entry/cc/en/
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2010年4月5日月曜日

2010.4.4 柳谷杯

Section F Team #11
Team 218VP(3/14位) [Av. 195VP + 23VP]

http://www.fitsys.jp/JtosResultPage/WrpMultiRanking.aspx?CC=JCBL&TC=JCBL10040303&Id=0

Session 4
Board: 19
Dealer: South
Vul: E-W

E
S: 3
H: K5
D: 107
C: AKQJ9854

N  E  S  W
  P 1C
P  ?

Q1. Eのビットは?

-------------------

N  E  S  W
P 1C
P 2C* P 2NT
P  ?

(*): inverted minor

Q2. Eのビットは?

-------------------

N  E  S  W
P 1C
P 2C* P 2NT
P 4C P 4H**
P  ?

(*): inverted minor
(**): 0/3 aces

Q3. Eのビットは?

-------------------

N  E  S  W
P 1C
P 2C* P 2NT
P 4C P 4H**
P 7C P  P
P

(*): inverted minor
(**): 0/3 aces

OL: DK

W
S: A954
H: AJ9
D: AJ6
C: 1063

Q4. プレーの方針は?

http://www.fitsys.jp/JtosResultPage/WrpTrvView.aspx?CC=JCBL&TC=JCBL10040303&Id=9

2010年4月4日日曜日

システム要素のリズム調和の法則

 技術システムが生き延びられるためには、システムのすべての部分でリズム(振動数、周期)が調和している必要があります。

 技術システムの制御パラメーターは、振動数、周期以外に方向、速度、相、順序、気孔率などの場合もあります。
 技術システム要素のリズムの不一致は技術システムの不均等な発達の理由のひとつにもなっています。

●例: スピーカー

裸のスピーカーの場合、後ろ側から回り込んだ音が前方から出る音と調和していないため、干渉して前方から出る音を弱めてしまいます

後ろ側から回り込んだ音が前方から出る音と調和するように遮蔽板を付けることができますが、半波長の迂回をさせるためには(50ヘルツの場合)3メートル四方の面が必要となり、家庭用音響再生装置としては大きくなり過ぎます


「遮蔽板は、調和させるためには大きくなくてはならないが、家庭用とするためには大きくてはならない」という物理的矛盾を発明原理「新次元移行(別次元移行)」により解決して立体的なスピーカーにすると幾分コンパクトにできます

後ろ側から音が回り込まないようにスピーカーの背後を密閉してしまうことができますが、そうすると、密閉領域内の振動数が拡散板の振動数と合わないために、特に低周波領域の再生が劣化してしまいます

密閉領域を大きくすれば、これにより形成される空気バネの弾性を小さくして上記の弊害が起こらないようにすることができますが、そのためには巨大な領域(5000リットル、20メートルの部屋)が必要となります


このように

「システムのすべての部分でリズム(振動数、周期)が調和している必要がある」わけですが、

これをシステム要素のリズム調和の法則と言います。


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2010年4月3日土曜日

システムの「エネルギー伝導性」の法則

 技術システムが生き延びられるためには、エネルギーがシステムのすべての部分を通って妨げられることなく流れる必要があります。

 技術システム内のある部分を制御するためには、その部分と制御装置の間でエネルギーの伝導性を確保する必要があります。
 技術システムの4つの基本要素(エンジン、伝達装置、ツール、制御装置)を通って流れるエネルギーは、下図の赤い矢印で示されます:















4要素モデルのエネルギー伝導性


 したがって、技術システムは以下の手順により解析できます:

1. 技術システムの4要素モデルを構築する
2. 各構成要素を通ってエネルギーが流れていることを確認する(上図の太い赤矢印)
3. 各構成要素と制御装置の間にエネルギー伝導性があることを確認する
 (上図の細い赤矢印)
4. どのような場が用いられているか調べ、うまく作用していない場を置き換える必要性と可能性を以下の順にしたがって検討する:
 重力場 → 機械場 → 熱場 → 磁場 → 電場 → 電磁場

 このように
「技術システムが生き延びられるためには、エネルギーがシステムのすべての部分を通って妨げられることなく流れる必要がある」わけですが、
これをシステムの「エネルギー伝導性」の法則と言います。


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2010年4月2日金曜日

システム要素完全性の法則

 技術システムが生き延びられるためには、システムの基本的要素がそろっていて機能する必要があります。
 技術システムが制御可能であるためには、その要素の少なくともひとつが制御可能である必要があります。ここで、「制御可能」とは、制御する人の要求に応じて特性を変えることを意味します。

 技術システムの主要部分は、下図の破線で囲まれているエンジン伝達装置ツール制御装置です。














技術システムの主要部分


 破線で囲まれていないエネルギー源産物は通常、技術システムに含まれません。例えば、水車を動かす川の水流とか風力発電用回転翼の羽根を回す風などのエネルギー源です。
(懐中電灯の電池の場合など、エネルギー源エンジンが一体化している特殊な場合などには技術システムの一部と見なされることもあります。)

 一般的なガソリン自動車の主要機能を「人を運ぶ(人をある場所から別の場所へ動かす)」とした場合、技術システムの主要部分などは以下のようになります:
  • 産物: 主要機能の対象となる
  • ツール: 主要機能を果たすために産物と直接的に関わり合っている座席
  • エンジン: ツールが主要機能を果たす形にエネルギーを変換する内燃機関
  • 伝達装置: エンジンからツールへエネルギーを伝えるトランスミッション
  • 制御装置: エンジン伝達装置ツールを制御する制御機構
  • エネルギー源: エンジンが動作するために必要なガソリン酸素
 一般的なガソリン自動車の主要機能を「(自動車)自身をある場所から別の場所へ動かす」とした場合、技術システムの主要部分の何れかに問題があるとどうなってしまうか見てみましょう。
  • エンジン: ガソリンや酸素が無かったら、エンジンが動かないので動力を生み出せません
  • 伝達装置: ピストンの往復運動を車軸の回転運動に変換しないと、前後に動けません
  • ツール: タイヤと路面の間に充分な摩擦が無ければ、推進力を得ることができません
  • 制御装置: 燃焼の制御、進行方向の制御などができなければ、機能を果たせません
 このように
「技術システムが機能するためには、システムの基本的要素がそろっていて動作する必要がある」わけですが、
これをシステム要素完全性の法則と言います。


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2010年4月1日木曜日

空飛ぶ円盤

 適切な科学的効果を見つけられるように、要求される効果に応じて物理現象が構造的に分類された知識データベースを組み込んだオンラインサービスを見てみましょう。

●例 「空飛ぶ円盤」

1. 一般的な問題記述

 円盤状の自力飛行物体を飛ばしてみたい

2. 要求機能としての問題記述

 「円盤状の自力飛行物体」 → 「(円盤状の)物体」を(空中で)「移動させる」

3. 効果データーベースの使用

 「物体」 → (一般化すると)「固体」 → (英語では) solid (substance)

 「移動させる」 → (一般化すると)「動かす」 → (英語では) move(s)

 「物体」を「移動させる」 → (一般化すると、英語では) Moves Solid

 Moves Solid に分類された科学的効果とその事例を見てみる(下図)


















4. 適切な物理現象

 役立ちそうな科学的効果 → Coanda Effect (コアンダ効果)

5. 物理現象の解釈とアイデア創出

 コアンダ効果とは、上図で説明されているように、流れの中に物体を置いた時にその物体に沿って流れの向きが変わる流体の性質です。

 上図の事例を右に90°回転させて下向きの推進力を得れば、(水中ではなく)空気中でも使えそうですね。この性質を利用して、空飛ぶ円盤を作ってしまいましょう(下図)。


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