2012年12月31日月曜日

等ポテンシャル原理


●発明原理12 ‐ 等ポテンシャル
  • ポテンシャル場における位置変化を制限する(例えば、作業条件を変えることによって重力場で物体を上げ下げしなくて済むようにする)

: 光学式半導体装置

問題: 発光ダイオード(LED)から発せられた光の一部が光検出器に向けられ、LEDの性能を監視制御する。この時、光検出器の平らな面で光が反射してLEDに戻り、の動作パラメーターに影響を与えてしまう。

発明原理の適用: LEDと光検出器の間に球面レンズを挿入します。LEDから発せられた光の一部がレンズによって集光され、放射光を監視制御する光検出器に向けられます。レンズの球面により光はいろいろな方向に反射されますが、LEDに向かって反射されることはありません
レンズの球面によって光はいろいろな方向に反射されるが、LEDに向かって反射されないので、の動作パラメーターに影響を及ぼすことはない


出典: TRIZ Technology for Innovation ( htp://www.trizsolution.com )

2012年12月30日日曜日

事前保護原理


●発明原理11 ‐ 事前保護
  • 緊急手段を予め準備しておき、物体のやや低い信頼性を埋め合わせる

:  発泡材による氷害の防止

問題: 地面のアスファルトをならすローラーの内部に水を満たして重くしているが、冬場に中の水が凍って膨張するとローラーを破損してしまう

発明原理の適用:  ローラー内部に弾性発泡材を事前に入れておきます。ローラー内の水が凍っても、氷の膨張によってローラー壁に圧力がかかるかわりに発泡材が圧縮されます
ローラー内に入れた弾性発泡材が氷の膨張を吸収してローラーの破損を防ぐ


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2012年12月29日土曜日

先取り作用原理


●発明原理10 ‐ 先取り作用
物体に対して必要な変更(の一部またはすべて)を事前に行っておく
物体を予め都合良く配置しておき、短い手配時間で使えるようにする

: ミシン目の入った切手シート

問題: 切手は大きなシート単位で印刷されるが、使用時には細かく切り離さなければならない

発明原理の適用: 切手の周りにミシン目を入れると切手一枚一枚の切り離しが楽になります
紙に開けられたごく小さな穴のミシン目により、単に点線に沿って折ってから切り離すだけで、紙の小片(すなわち、切手)を分離することができる


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2012年12月28日金曜日

先取り反作用原理


●発明原理9 ‐ 先取り反作用
有害な影響と有益な効果の両方を与える作用を行う必要がある場合には、有害な影響を抑制するための反作用を事前に行っておく
予め物体中に応力を発生させておき、後に生じる好ましくない使用応力に対抗するようにしておく

: ナノメータ間隔の光学回折格子

問題: 従来の超微細パターン処理やエッチングを用いた方法では、基板表面にナノメータ間隔の回折格子を作ることができない

発明原理の適用: アルミニウム・ヒ素(AlAs)またはガリウム・ヒ素(GaAs)でエピタキシャル構造を形成しておき、アルミニウム・ヒ素(AlAs)またはガリウム・ヒ素(GaAs)を選択エッチングすることによりナノメータ間隔の回折格子を形成します
右図では、エピタキシャル処理とその後の選択エッチングを用いて基板表面にナノメータ間隔の回折格子を形成


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2012年12月27日木曜日

つり合い原理


●発明原理8 ‐ つり合い

物体の重さを相殺するために、揚力を生じる物体と組み合わせる
物体の重さを相殺するために、空気力、流体力、浮力、その他の力など、周りの環境と作用させる

:  ウェーハの音響浮揚

問題: 高温処理中、装置底面に接触するとウェーハの品質が低下してしまう


発明原理の適用: 音響場を用いてウェーハを浮揚させることにより、装置底面との接触を防ぐことができます。強力な圧電変換器(ホーン)で発生させた音波が装置底部の穴を通り、ウェーハを持ち上げます
音波がウェーハを持ち上げて装置底面との接触を防止


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2012年12月26日水曜日

汎用性原理


●発明原理6 ‐ 汎用性
部品や物体に複数の機能を持たせる
    ●他の部品の必要性を無くす

:  半導体ウェーハの冷却

問題:  特殊なウェーハ冷却器を使用すると装置が複雑になってしまう

発明原理の適用
:  気流を利用してウェーハを冷却します。反応物などの気流がウェーハの裏側を通って冷却してくれます
 右図では気流がウェーハの冷却もしてくれるので冷却用の水が要らなくなる


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2012年12月25日火曜日

組み合わせ原理


●発明原理5 ‐ 組み合わせ
同一のあるいは類似した物体を近づけたり、組み合わせたり、まとめて並列動作させたりする
作業を連続または並行させ、時間的にまとめる

: 一つのフレームに二つの同型チップをマウント

問題:  並列接続された二つの同型の電流制御用ICが場所を取り過ぎてしまう

発明原理の適用: リードフレームの両側に二つのICチップを並列にマウントし、リード線を同じピン配列位置につなぎます。この新しい配置のほうが占有する空間を減らせます
 2つのICチップをマウントするために2つのリードフレームとパッケージを使用する(左側)のではなく、1つのリードフレームとパッケージで済ませる(右図)


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2012年12月24日月曜日

非対称原理


●発明原理4 ‐ 非対称
物体の対称な形を非対称に変更する
物体が非対称である場合には非対称性の度合いを高める

:  チップの非対称形マウント

問題: リードフレームの中心に対して対称形となるようにチップをマウントすると、接地リードに対するインダクタンスが大きくなり、スイッチの遅延が増大してしまう。

発明原理の適用:  チップのマウント位置をずらして非対称形にすると、接地リードの長さが他のリードよりも短くなります。その結果、接地リードのインダクタンスが小さくなり、スイッチの遅延が減少します
チップの非対称的マウント(右図)により接地リードのインダクタンスとスイッチ遅延を低減


出典: TRIZ Technology for Innovation ( http://www.trizsolution.com/ )

2012年12月23日日曜日

分離/除外/抽出原理


●発明原理2 - 分離/除外/抽出
物体の邪魔となる部分または特性を分離する
物体の必要な部分または特性だけを選抜する

・例:  つながれた衛星

問題:  同じ宇宙船を用いて複数の場所で宇宙探査を行う。

発明原理の適用: ケーブルでつながれた衛星を宇宙船(推進システムを備えた母船)から発射し、二次軌道上にのせます。
 こうすることにより、一つの宇宙船でより多くの調査を行うことができます
宇宙船がケーブルを介して衛星とコンタクトを取る


 出典: TRIZ Technology for Innovation ( http://www.trizsolution.com/ )

2012年12月22日土曜日

分割原理


●発明原理1 - 分割
物体を個々の部分に分割する
物体を容易に分解できるようにする
物体の分解または分割の度合いを高める

・例 ターボ過給機
 ディーゼルエンジンのターボ過給機では、タービンが排気ガスの流れによって回転します。

問題: タービン翼が排気ガス供給箇所で高温となり、排気ガスの損失が発生してしまう。

発明原理の適用: 入口一箇所だけではなく、ケーシングの周囲のいくつかの方向から排気ガスが入るようにします。
 タービン翼の温度が均一化して気体の損失が減るのでタービンの効率が向上します
左図ではターボ過給機へ排気ガス流が入る箇所が一つしかないのに対し、右図では4箇所から流入しています


出典: TRIZ Technology for Innovation ( http://www.trizsolution.com/ )