2011年10月3日月曜日

PTCモデリング [19/19]    モダンTRIZ、TRIZプロセス レベル4 ②

 今回は20枚目の最後の「スライド19」です:
 ここでご説明する Problem Chain Analysis(PCA)は、一つの問題から抽出可能な全ての矛盾関係、即ち、PTCモデリングを見つけ出す方法です。
 このPCAは、既に2003年に、ヴァシリ・レニアシンと一緒にTRIZジャーナル上で発表した Harmful Machine Theoryに基づいています。
 根本的な原因を見つけて解消しようというRCA Cause Effect Chain Analysisの概念から発展し、根本的な原因を断つ方法を研究したのです。
 このような遮断は、あらゆる問題の連鎖ごとに行われてもよいので、全ての矛盾関係が抽出されます。
 このようにして抽出された矛盾関係に対しては、PTCモデリングを介して自然に解決策の方向を提示することができます。
 PCAを介して導き出された全ての解決策の方向は、既に試みられてきたアイデア、現在進めている方向、それまでは考えられなかったアイデアなどに分類することができます。
 この中でも特に、それまでは考えられなかった方向のPTCモデリングを選んで各種TRIZ技法を集中的に適用してみた場合に、良い成果を上げることができました。
 PCA分析に関する具体的な説明は、時間の関係上、次の機会に譲ることといたします。
 TRIZ適用プロセスのレベル5は、PTCモデリングとPCA分析を含むあらゆる問題に対して適用できるプロセスであるので、今後も更に発展さてゆくべきであると考えます。

2011年10月2日日曜日

PTCモデリング [18/19]    モダンTRIZ、TRIZプロセス レベル4 ①

 今回は19枚目の「スライド18」です:
   TRIZ適用プロセスのレベル4のテーマは、

「いかにして全ての矛盾を体系的に導き出すか」

ということと関わっています。
 
 適用プロセスのレベル3で説明しましたPTCモデルは、一つの問題に対して3~6個位存在します。
 できるだけ全ての矛盾を見つけ出すこと、それが肝心です。
現代のTRIZでは常に、矛盾を導き出すことが核心にありました。
 コンピュータプログラムを活用する人もあれば、根本原因分析を発展させた Cause Effect Chain Analysisを適用したりする人もいます。
 しかし、根本原因分析を発展させた Cause Effect Chain Analysis には、根本的な弱点があります。
 根本原因分析(Root Cause Analysis - RCAでは、根本的な原因を見つけてからそれを解消しなければなりませんが、それを解消できない理由も存在するために、そこで矛盾を抽出することが Cause Effect Chain Analysisの核心となります。
 しかし、実際の問題では、一つの問題から様々な矛盾を抽出することができます。
 より正確に言うと、多数のPTCモデリングを抽出することができるのです。
 従って、Cause Effect Chain Analysisの弱点が見えてくるようになります。

2011年10月1日土曜日

PTCモデリング [17/19] TRIZプロセス レベル3

 今回は18枚目の「スライド17」です:

 TRIZ適用プロセスのレベル3は、すでに説明しましたPTCモデリングです。
レベル3の大きな意義は、ある問題における物理的矛盾と技術的矛盾までを把握し、問題に対する分析をある程度の深さまで完了することです。
 これは、物理的矛盾を問題、技術的矛盾を問題の原因としてそれぞれ設定して問題分析を行い、クロスチェックにより理想的な解決策の方向を設定し、その結果決まった方向へ資源を最大限に投入する方法に関する手順です。
 すでに説明しましたTRIZ適用プロセスのレベル1と2に基づいてこの段階まで進めることができれば、TRIZ適用プロセスのレベル3に入ったと言えましょう。
 ことエンジニアリング分野において、この段階に到達するためには深い分析と探求を行わなければなりません。
 また、この段階に到達するまでには、ARIZで言うところの Part 1.1 3.4 を遂行することになります。
 ARIZの適用も、ある意味では、TRIZ適用プロセスのレベル3に該当します。
 でも、ここから、エンジニアリングTRIZとビジネスTRIZの違いが現れます。
 エンジニアリングTRIZは、ARIZにおける展開のように進め方が複雑ですが、ビジネス分野は人間が主役であるため、このようなPTCモデリングへ容易にたどり着くことができるのです。
 このPTCモデリングが私の推奨するビジネスTRIZの重要な一部となっています。