2010年7月29日木曜日

●システム(要素)完全性の法則

 この法則は、自立技術システムが最低限機能する以下の4つの主要部を備えていなければならないことをうたっています:

► エンジン – エネルギーを変換
► 伝達装置 – エネルギーを伝達
► 作動部(ツール) – システムの主要機能を実行
► 制御装置 – システムのパラメーターを制御
 この法則を木を例に見てみましょう:
 自然に存在するシステムに対しても当てはまるようですね。

2010年7月28日水曜日

天才の想像

●システム進化の1画面視座

 プロジェクトの対象はプロジェクト開始時に選択します。
 対象は、携帯電話、マイクロチップ、自動車、分子、サービスなどであり得ます。
 この対象をひとつのシステムと呼びます。
 この時点では、このシステムが初期状況分析の開始点となります。
 これが、いかなるプロジェクト創造においても最初の一歩です。

 選択したシステムだけで作業を続けたのでは、プロジェクトを成功させるのには充分とは言えません。
 このような考え方を通常の思考と言い、想像の灯が一つしかともっていません:

●システム進化の4画面視座

 プロジェクトの対象としてのシステムは顧客、上位システム、使用環境、製造技術などの要求を満たすために変えられるべきです。
 発達したシステムが現在の上位システムの要求のみならず将来の上位システムの要求をも満たすべきであることを念頭に置く必要があります。
 発達したシステムの製造までの期間は、現在の上位システムと将来の上位システムとの間隔と一致しているのが理想的です。

 したがって、想像には、1画面視座に対してさらに3つの画面、すなわち、現在と将来の上位システム、および将来の発達したシステムの灯がともっているべきです:
●システム進化の9画面視座
 
 4画面視座に対してさらに5つの画面、すなわち、過去の上位システムとシステム、および過去、現在、未来の下位システムを加えると9画面になります。

 Genrich Altshullerはこの9画面による視座を天才の想像と名付けました:
 
 もちろん、さらに画面を加えて過去や将来の複数の時点について分析するということでこともできます。
 これにより、あらゆるシステム進化に対する視座を広げることができます。

2010年7月26日月曜日

「第1回インドTRIZサミット」のご案内

●日時: 2010年7月29日(木)9:00~30日(金)17:30
●場所: The ROYAL ORCHID, Bengaluru(インド)
●申込: 電話で91 80 41903574、FAXで91 80 41903545
     Email: Joshua.abraham@niSpana.com

●プログラム:

・29th July
08:30 – 09:00 – Registration
09:00 – 09:30 – Keynote Presentation 1 – Darrell Mann
09:30 – 09:40 – Q and A Session on Keynote Presentation
09:40 – 11:00 – Panel Discussion
11:00 – 11:15 – Networking Coffee Break
11:15 – 11:45 – Paper Presentation 1 – TRIZ Evolution
11:45 – 12:15 – Paper Presentation 2 – TRIZ Applications
12:15 – 12:45 - Paper Presentation 3 – TRIZ Integration
12:45 – 14:00 – Luncheons
14:00 – 14:30 – Keynote Presentation 2 – Isak Bukhman
14:30 – 14:40 – Q and A Session on Keynote Presentation
14:40 – 15:10 – Paper Presentation 4 – TRIZ for Patent Analysis
15:10 – 15:30 - Networking Coffee Break
15:30 – 16:00 – Lead Sponsor (Paper Presentation)
            “PARALLEL BUSINESS MEETINGS”
16:00 – 16:30 – Knowledge Sponsor 1 (Paper Presentation)
            “PARALLEL BUSINESS MEETINGS”
16:30 – 17:00 - Knowledge Sponsor 2 (Paper Presentation)
            “PARALLEL BUSINESS MEETINGS”

・30th July
08:00 – 09:00 – Breakfast
09:00 – 09:30 – Keynote Presentation 3 – Ellen Domb
09:30 – 09:40 – Q and A Session on Keynote Presentation
09:40 – 11:00 – Panel Discussion
11:00 – 11:15 – Networking Coffee Break
11:15 – 11:45 – Paper Presentation 7 – Variants of TRIZ
11:45 – 12:15 – Paper Presentation 8 – TRIZ for Nanotechnology & ultra large systems
12:15 – 12:45 - Paper Presentation 9 – TRIZ for pharmacy & biotech
12:45 – 14:00 – Luncheons
14:00 – 14:30 – Keynote Presentation 4 – TBC
14:30 – 14:40 – Q and A Session on Keynote Presentation
14:40 – 15:10 – Paper Presentation 4 – TRIZ for automobile
15:10 – 15:30 - Networking Coffee Break
15:30 – 16:00 – Paper Presentation 5 - TRIZ for Software
16:00 – 16:30 – Paper Presentation 6 – Classical TRIZ
16:30 – 17:30 – Business meetings

Event Website: http://www.trizind.com/

2010年7月25日日曜日

戦車

●システム(要素)完全性の法則

 この法則は、自立技術システムが最低限機能する以下の4つの主要部を備えていなければならないことをうたっています:

► エンジン – エネルギーを変換
► 伝達装置 – エネルギーを伝達
► 作動部(ツール) – システムの主要機能を実行
► 制御装置 – システムのパラメーターを制御

 この法則を戦車を例に見てみましょう:

2010年7月21日水曜日

飛行機の離陸

 飛行機が空母から離陸する時の技術的矛盾(TC)と物理的矛盾(PC)について考えてみましょう。

 技術的矛盾(TC)から物理的矛盾(PC)への変換:

 この物理的矛盾(PC)を「時間による分割」を用いて解消してみましょう。
 
 離陸時には高い推力のエンジン、飛行時には通常の推力のエンジンとしても今までと同じエンジンで済ませることはできないので、エンジンではなく、何か他の物を変えてみましょう。
 離陸時に高い推力が欲しいのは高い揚力を必要とするからなので、揚力を高められるような工夫をすれば良いことになります。
 
表面積が可変な翼

  • 離(着)陸時には、飛行機の翼の表面積を大きくします
  • 高速飛行時には、翼の表面積を小さくします
  • (翼の表面積は、空気抵抗や燃費にも影響します)

2010年7月20日火曜日

ライト兄弟の飛行機

●システム進化の第1期 – 新システム創造

 新システム創造の主要な3段階:
  1. 新システムの主要機能とその目的を定めます。
  2. エネルギー源と既存システムから得られる最高の部品を新システムの4主要部(エンジン、伝達装置、ツールそして制御装置)用に選択します。主要部のいくつかを発明者自身で作成しなければならないこともあります。
  3. 既存システムから選んだすべての部分と新システム用に設計した新たな部分の間に存在するあらゆる相互作用(機能)のパラメーターを同期させて新システムのデザインを創造します。部品がうまく組み合わせられた場合にのみ、機能する新システムが誕生します。

●第1段階
 新システムの主要機能とその対象を定めます

・例
 ライト兄弟が作った最初の飛行機(人を運ぶための空気より重い航空機)

●第2段階 
 エネルギー源と既存システムから得られる最高の部品を新システムの4主要部(エンジン、伝達装置、ツールそして制御装置)用に選択します。
 主要部のいくつかを発明者自身で作成しなければならないこともあります。

・例
 ライト兄弟により作られた最初の飛行機 – 航空機

2010年7月19日月曜日

自動車のブレーキ

●システム(要素)完全性の法則

 この法則は、自立技術システムが最低限機能する以下の4つの主要部を備えていなければならないことをうたっています:

► エンジン – エネルギーを変換
► 伝達装置 – エネルギーを伝達
► 作動部(ツール) – システムの主要機能を実行
► 制御装置 – システムのパラメーターを制御
 この法則を自動車のブレーキを例に見てみましょう:

2010年7月18日日曜日

ハードディスク駆動装置

1. 品質 / 信頼性

●プロジェクトの目的: ハードディスク駆動装置の組み立て時に出る硬質粒子の削減

 微量の硬質粒子でもハードディスク駆動装置の品質や信頼性に悪影響を及ぼしてしまいます。
 硬質粒子を削減することにより、駆動装置の信頼性が高められ、顧客満足度を向上させることができます。
 
“理想的なハードディスク駆動装置” プロジェクトの革新ロードマップ

2. 製造コスト削減

●プロジェクトの目的: ハードディスク駆動装置の組み立て過程における作業内容および作業員の削減による製造コスト削減

“ハードディスク駆動装置コスト削減” プロジェクトの革新ロードマップ

 上記は、実際のプロジェクトや問題に対するTRIZロードマップの例ですが、あなたのプロジェクトや問題のテンプレートとしても適切であるとは限りません。
 各々のプロジェクトや問題に対して個別のTRIZロードマップを作るようにしましょう。

2010年7月9日金曜日

ジブラルタル橋

 ジブラルタル海峡にかけるほどの長さになると、橋塔間を結ぶケーブルで道路の重量を支えるつり橋の場合、たわんでゆき、ついには落ちてしまいます:

 ケーブルと道路を直接結ぶ斜張橋の場合、これだけの長さの道路を支えるためには非現実的な高さの橋塔が必要になります:
 
 ジブラルタル橋の設計者は両方の技法を使うことを考えました。

 ジブラルタル橋のデザインでは、4.5マイルの梁間のうち、内側の3 マイルは橋塔の両側に付けた対角支柱を結ぶつりケーブルで支え、残りの1.5マイルは斜張技法で支えようというのです。
 これにより、つり橋と斜張橋 の技術が一体化されます。
 ジブラルタル橋は、既存のつり橋と斜張橋という二種類の橋の基本的な考え方を併せ持つ新たな “ハイブリッド” つり橋と言えましょう。

2010年7月6日火曜日

ARIZ 第1部~第3部

 ARIZ-85Cに着手するに当たり、問題の状況に対するよく準備された記述、または、問題のはっきりとした視覚映像(絵、スケッチ、写真、画像、... )を用意しましょう。

 ARIZ第1部の主たる目的は、当初の問題の描写を、はっきりと構成された問題の記述とモデルへ置き換えることです。
 第2部の主たる目的は、問題解決に使える時間、空間、物質、場(およびそれらのパラメーター)の資源に関する完全なリストを作成することです。

 第2部が完了すると、最高に革新的な解決策を創出する準備が整ったことになります。

 第3部では、第2部で見つけ出した利用可能資源をできるだけ効果的に活用するにはどうすればよいか分析し始めます。この取り組みはIFR-1 (究極解1)とIFR-2 (究極解2)の定式化を通じて行います。マクロおよびミクロのレベルのPC (物理的矛盾)を定式化できるようになります。

 ARIZ第3部の適用により、理想的な解決方法に対するコンセプトが創出されます。そこから、理想的な解決方法をいつでも得られるとは限りませんが、IFRは最も有力な解決策への方向を指し示してくれます。

2010年7月5日月曜日

良いこと尽くめ

  • TRIZは我々の才能、知識、経験 を自然に拡大してくれます
  • TRIZを使うことにより、我々が人生において行う全てのことや我々の頭が下すあらゆる判断が改善され、より効果的になります
  • TRIZを学んで使用する人は変わり、より発明的かつ創造的になります
  • TRIZはあらゆることに適用できるので、あらゆる問題、あらゆる既存システム開発、あらゆる新システム開発に適用可能です
  • TRIZには唯一つの潜在的な制約があります – 科学的に可能か否かということです
    このような状況においてさえ、TRIZは科学的制約を乗り越えるのに役立つことがあります
  • TRIZはイノベーションに対する最大阻害要因となる心理的惰性を打破します
  • TRIZはシステム(製品、プロセス)を理想により近づけます

2010年7月4日日曜日

イノベーションの加速

 TRIZは技術システムの発達と進化のスピードを上げます。
 技術の進化は我々の技術文明の進化をも意味するので、これはTRIZの主たる全体機能と言えます。
 
 TRIZにより、問題の複雑さが最大限のレベルから簡単なレベルまで引き下げられるので、ブレーンストーミング技術を身に付けたエンジニアであれば誰でも、問題を解決できるようになります
 
  • 試行錯誤の回数を減らす
  • イノベーションを加速する
 

2010年7月3日土曜日

TRIZの公準

 ロシアのエンジニアおよび科学者Genrich S. Altshuller(1926年10月15日~1998年9月24日)は発明級問題解決技法TRIZ(Theory of Inventive Problem Solving)の公準を定式化しました:
  1. 技術システムの進化はランダムな過程ではなく、特定の法則に従う
  2. 製品/プロセスは技術的矛盾や物理的矛盾を明確化してそれを乗り越えることにより、完全性(理想性)を高める方向に進化する
TRIZはシステム進化を加速するもの

  • TRIZは、技術システム進化の法則および何千人もの技術者や科学者のベストプラクティスに基づく、技術進化に関する科学です
  • TRIZは、技術システムを如何にして最も効果的に開発するかという命題に対するテクノロジーです
TRIZ – 世界中の特許から導出

  問題解決者は、自分の知識を何千もの “無言” の発明家や科学者の知識と結び付けることができます

2010年7月1日木曜日

適切な問題定義

  • 根本原因分析は、リーン・マニュファクチャリング、故障解析、故障モード影響解析(FMEA)、リスクマネジメント、事故解析、 DFSS、シックス・シグマなど、数多くの手法の主要部分の一部をなしています。

  • 根本原因分析は、障害に対する第一の、あるいは根本にある原因の解明に導いてくれる漸進的な手法であり、問題に答えてくれます。作用とその結果には決まった連鎖があり、障害あるいは、より簡単な問題が導かれます。

  • 根本原因分析による究明は因果関係を最終の障害からさかのぼって根本の原因まで辿ります。シャーロック・ホームズの演繹的推理によく似ています。

利点その 1 → 適切な問題定義