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2013年2月28日木曜日

船体

例: 船体
 船体幅は、安定するためには広いほうが良いが、高速巡航するためには(水からの抵抗を減らすべく)狭いほうが良いので、船体幅という一つのパラメーターに対して「広い」と「狭い」という異なる値が求められる
左図の船体幅は広いので荒海でも安定するが、高速巡航はできないのに対し
右図の船体幅は狭いので高速巡航できるが、荒海では不安定になってしまう

 分離原理5「対立するパラメーター値をシステムと上位システムのレベルで分離」を使って解決案を考え出せます。システムレベルでは船体(すなわち、システム)の幅が狭く、上位システムレベルでは船体幅が広ければ良いわけです。このような観点から実際の設計アイデアを考え出すのはさほど難しいことではありません: 上位システムレベル(船全体)では、2つ、3つ、あるいはそれ以上の狭い幅の船体を持ち、それらが上位システムとしてつなぎあわされていれば良いわけです
双胴船の船体幅はシステム(船体)レベルでは狭いが
上位システム(双胴船)レベルでは広い


出典: TRIZ Technology for Innovation ( http://www.trizsolution.com )

2013年2月27日水曜日

欠けやすい板の研磨


●分離原理5 ‐ 対立するパラメーター値をシステムと上位システムのレベルで分離

システムのレベルにおけるパラメーター値はA
上位システムのレベルにおけるパラメーター値はB

: 欠けやすい板の研磨
 研削砥石を用いて薄いガラス板を磨くと、ガラス板がもろいために欠けてしまいます。研磨する際に複数のガラス板を重ねて水などでくっつけておくことができれば、束になるとばらばらの場合よりも強度が上がるので欠けずに磨けます。
研削砥石で一枚のガラス板(システムレベル)を磨くと欠けてしまうが
ガラス板(上位システムレベル)であれば欠けずに済む


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2013年2月26日火曜日

鎖の輪の異なる状態


●分離原理4 ‐ 対立するパラメーター値をシステムと下位システムのレベルで分離

システムのレベルにおけるパラメーター値はA
下位システムのレベルにおけるパラメーター値はB

: 鎖の輪の異なる状態
 鎖は多数の要素(輪)で構成されているので、それぞれの輪は鎖の下位システムということになります。下位システムの各要素(すなわち、それぞれの輪)に柔軟性はないですが、システム全体(鎖)としては柔軟性があります。
鎖とその下位システム(輪)


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2013年2月25日月曜日

水の異なる状態


●分離原理3 ‐ 対立するパラメーター値を異なる条件のもとで分離

条件1のもとでのパラメーター値はA
条件2のもとでのパラメーター値はB

: 水の異なる状態
 水は温度により3つの物理状態を取れます
0℃未満では固体(氷)、0100℃では液体、そして100℃を超えると気体(水蒸気)になります。
水は3つの異なる条件(温度範囲)において異なる物理状態になる


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2013年2月24日日曜日

救急絆


●分離原理2 ‐ 対立するパラメーター値を空間により分離

場所1におけるパラメーター値はA
場所2におけるパラメーター値はB

: 救急絆
 救急絆は、傷口を保護して治療するために使います。救急絆の吸収率は、薬剤を傷口まで浸透させたり傷口から出る分泌物を吸収したりするために中央部では高いことが望ましいのですが、端部においては低いほうがよく、できることならば0にしたいところです。一方、救急絆の吸着率は、負傷していない皮膚にしっかりとくっつくために端部では高いことが望ましいのですが、傷の表面にくっつかないように中央部では低くなくてはなりません。
吸収率と吸着率それぞれに対して要求される異なる値を
救急絆上の場所により分離


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2013年2月23日土曜日

信号機


分離原理1 ‐ 対立するパラメーター値を時間により分離

時刻1におけるパラメーター値はA
時刻2におけるパラメーター値はB

: 信号機
 信号機では異なる指示用に3色の光が使われ、それらが時間により分離されていますが、さらに、交差方向に設置された信号機指示光の色も時間により分離されていなければなりません。
信号機では、異なる指示用に別の色を時間により分離して使用


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2010年7月21日水曜日

飛行機の離陸

 飛行機が空母から離陸する時の技術的矛盾(TC)と物理的矛盾(PC)について考えてみましょう。

 技術的矛盾(TC)から物理的矛盾(PC)への変換:

 この物理的矛盾(PC)を「時間による分割」を用いて解消してみましょう。
 
 離陸時には高い推力のエンジン、飛行時には通常の推力のエンジンとしても今までと同じエンジンで済ませることはできないので、エンジンではなく、何か他の物を変えてみましょう。
 離陸時に高い推力が欲しいのは高い揚力を必要とするからなので、揚力を高められるような工夫をすれば良いことになります。
 
表面積が可変な翼

  • 離(着)陸時には、飛行機の翼の表面積を大きくします
  • 高速飛行時には、翼の表面積を小さくします
  • (翼の表面積は、空気抵抗や燃費にも影響します)

2010年3月12日金曜日

システムレベルによる分離

 最後に、サブシステムまたは上位システムへ移行して物理的矛盾をシステムレベルで分離してみましょう。

・分離原理 「システムレベルによる分離」

 正反対の要求を対象物の全体とその部分によって分離しようという概念です。

 システムが相反する機能を実行したり、相反する条件のもとで動作しなければならない場合には、システムを分割し、相反する機能や条件の片方をサブシステムに割り当て、システム全体としてはもう片方の機能や条件を保つようにしましょう。

 以下のように考えてみます:

 「A」という特性と「非A」という特性の片方をシステム全体、もう片方をその部分に割り当てることによって両方の特性を満たすことができないか?

 もし、満たせるのであれば、システム全体とその部分に割り当てましょう(下図)。








●例「グリッパ」

 機械でものをつかむのにグリッパを用います(下図)。立方体などをつかむのには問題無いのですが、ちょっと複雑な形状のものをつかもうとすると、接触面積が小さいため、弱い力では途中で動いてしまったり、強い力では局所的に圧力が加わったりしてしまいます。

 どうすれば複雑形状物であっても局所的に圧力をかけることなくしっかりとつかむことができるでしょうか?









http://www.active-robots.com/products/robots/lynx-a-gripper.shtml

 この場合の物理的矛盾は以下のように記述できます:

「複雑形状物をもつかめるためにはグリッパが柔軟でなくてはならないが、
 対象物をしっかりとつかむためにはグリッパが柔軟あってはならない」

 したがって、グリッパ全体は柔軟にし、対象物をつかむ個々の部分は柔軟でないようにしましょう(下図)。







 つかむ部分を平板ではなく複数の細かいピンで構成し、対象物の形状に合わせてこれらの位置を調整すれば、複雑な形状のものでもしっかりとつかむことができますね(下図)。













Copyright notes

This book has been developed in the frame of the TETRIS project funded by the European Commission—Leonardo da Vinci Programme.
The partners of the project consortium are:
AREA Science Park (Italy) www.area.trieste.it (project coordinator)
ACC Austria Gmbh (Austria) www.the-acc-group.com
European Institute for Energy Research - EIfER (Germany) www.eifer.uni-karlsruhe.de
Fachhochschule Kärnten (Austria) www.fh-kaernten.at
Harry Flosser Studios (Germany) www.harryflosser.com
Higher Technical College Wolfsberg (Austria) www.htl-wolfsberg.at
Jelgava 1. Gymnasium (Latvia) www.1gim.jelgava.lv
Siemens AG, Sector Industry, Industrial Automation and Drive Technology (Germany) w1.siemens.com/entry/cc/en/
STENUM Environmental Consultancy and Research Company Ltd (Austria) www.stenum.at
Technical Institute for Industry “Arturo Malignani” (Italy) www.malignani.ud.it
The educational center for adults of Jelgava (Latvia) www.jrpic.lv
University of Florence (Italy) www.dmti.unifi.it

2010年3月11日木曜日

条件/関係による分離

 今度は、物理的矛盾を条件/関係で分離してみましょう。

・分離原理 「条件/関係による分離」

 正反対の要求を条件や関係によって分離しようという概念です。

 相反する要件を条件によって分離することにより、特定の条件のもとで有用なプロセスを実現する場合の矛盾を解決できます。有用なプロセスだけが生じるようにシステムや環境を変えることについて以下のように考えてみます:

 「A」という特性と「非A」という特性の双方を満たすようにシステムや環境の条件を変えることができないか?

 もし、変えられるのであれば、条件で分割してみましょう(下図)。






●例「おがくず」

 製材所などで生じるおがくずには木片が混ざったりします。販売用に、ここからおがくずだけを集めたいのですが、集じん機(下図)を使うと木片も一緒に吸い込まれてしまいます。

 どうすればおがくずだけを集めることができるでしょうか?








http://www.hitachi-koki.co.jp/powertools/products/blower/blower.html

 この場合の矛盾は以下のように記述できます:

「おがくずをすべて集めるためには吸引力が強くなくてはならないが、
 木片を吸い込まないためには吸引力が弱くなくてはならない」

 したがって、吸い込む対象物の条件によって分離し、(小さい)おがくずは吸引されるけれども、(大きい)木片は吸引されないようにしましょう(下図)。






 吸入管の断面直径を少し増やすことにより、木片などの大きめのものは吸引されないように、流れの状態を変えることができます(下図)。










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2010年3月10日水曜日

空間による分離(第2弾)

 次に、物理的矛盾を空間で分離してみましょう。

・分離原理 「空間による分離」

 正反対の要求を場所によって分離しようという概念です。
 システムが相反する機能を実行したり相反する条件のもとで動作しなければならない場合には、システムをサブシステムに分けてみましょう。そして、相反する機能や条件をそれぞれのサブシステムに割り当てましょう。
 「空間による分離」の概念は「動作空間」という考え方に基づいています。
正反対の要求がそれぞれどこで必要となるのかを明確化した上で、以下の点について考えてみます:
 「A」という特性はどこでも必要とされているのか、それとも特定の場所にだけあればよいのか?
 もし、「A」という特性がいたるところで必要とされているのでなければ、空間で分割してみましょう(下図)。
●例「コーヒーカップ」

 コーヒーを温かく保つためにはコーヒーカップが熱いほうがいいですね(下図)。
でも、熱すぎると指を火傷しかねません。
 どうすれば火傷の心配をすることなく熱いコーヒーが飲めるでしょうか?









 「熱い」という特性はどこでも必要とされているのではなく、コーヒーと接する内側の面にあればよいだけです。
 したがって、空間で分割し、指が触れる部分は熱くないように変えてしまいましょう(下図)。





 断熱材でできた筒を外側にはめ込んでしまえば、指は安泰ですね(下図)。











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2010年3月9日火曜日

時間による分離

 まず、物理的矛盾を空間で分離してみましょう。

・分離原理「時間による分離」

 正反対の要求を時間によって分離しようという概念です。

 システムやプロセスが相反する要求を満足させたり、相反する機能を実行したり、相反する条件のもとで動作しなければならない場合には、相反する要求や機能や動作が異なる時間に実施されるようにシステムを運用してみましょう。

 「時間による分離」の概念は「動作時間」という考え方に基づいています。
 正反対の要求がそれぞれいつ必要とされているのかを明確化して、以下のことを考えてみます:
 「A」という特性は常に必要とされているのか、それとも特定の時間にだけあればよいのか?
 もし、「A」という特性が常に必要とされているのでなければ、時間で分割してみましょう(下図)。

●例「物差し」

  大きなものを測る場合のことを考えると、物差しは長いほうが便利です(下図)。
でも、持ち運びには不便ですね。
 どうすれば楽に持ち運ぶことができるでしょうか?










http://www.monotaro.com/p/0679/0052/

「長い」という特性は常に必要とされているのではなく、計測時にあればよいだけです。
したがって、時間で分割し、計測時以外は長くないように変えてしまいましょう(下図)。

  少し柔軟性を持たせて巻尺にしてしまえば、かさばらずに持ち運べますね(下図)。






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2010年3月7日日曜日

矛盾する要求の分離(4つの分離原理)

 物理的矛盾を満足させることも迂回することもできない場合、その解決には以下の4つの分離原理のいずれかを用います:

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2010年1月1日金曜日

甲冑鎧下

 年始めは分離原理の紹介です:

・分離原理 「空間による分離」

 正反対の要求を場所によって分離しようという概念です。
 システムが相反する機能を実行したり相反する条件のもとで動作しなければならない場合には、システムをサブシステムに分けてみましょう。
 そして、相反する機能や条件をそれぞれのサブシステムに割り当てましょう。
 「空間による分離」の概念は「動作空間」という考え方に基づいています:
 正反対の要求がそれぞれどこで必要となるのかを明確にします。

●例「甲冑鎧下」

 中世の競技において騎士は傷を負わないようによろいを身に着けました(下図)。













http://www.costumearmour.com/cdshrek.htm

 しかし、観客を魅了するために装身具は見栄えがしなければなりませんでした。
 そこで、「魅力的なよろい」を開発する必要に迫られました。
 これは、以下のような物理的矛盾としてとらえることができます:

• よろいは、騎士を護るためには、金属製であるべき

  そして同時に

• よろいは、魅力的であるためには、金属製であるべきではない(布製であるべき)

 (内側で)「騎士を護る」機能の動作空間は「魅力的である」機能の動作空間と明確に分離できます。
 アイデアを見つけるのには「空間による分離」の概念が役に立ちそうです。
 
・解決策:

 「甲冑鎧下」というよろいは内側が金属、外側が布または皮でできています(下図)。











 15世紀の防弾チョッキといったところですね。


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