2011年11月24日木曜日

ARIZ(発明問題解決アルゴリズム)の各ステップ

 以下に、発明問題解決アルゴリズムの各ステップを示します:

1     問題モデルの構築と発明標準解の適用(問題分析とモデル構築)
 ステップ 1.1 問題条件の記述
 ステップ 1.2 システムの対立要素の特定
 ステップ 1.3 対立システムの図式の作成
 ステップ 1.4 システムの図式モデルの選択
 ステップ 1.5 主たる対立の強化
 ステップ 1.6 問題モデルの策定
 ステップ 1.7 標準解の探索
2     利用可能な資源の分析
 ステップ 2.1 作用空間の分析
 ステップ 2.2 作用時間の分析
 ステップ 2.3 物質―場資源の分
3     個別資源に関するIFRと物理的矛盾の分析による満足のいく解決アイデアの構築
 ステップ 3.1 理想的最終結果1IFR-1)の策定
 ステップ 3.2 IFR-1定式の強化
 ステップ 3.3 マクロレベルでの物理的矛盾
 ステップ 3.4 マイクロレベルでの物理的矛盾
 ステップ 3.5 理想的最終結果2IFR-2)の策定と初期問題の指定
 ステップ 3.6 標準解システムの利用(76の標準解、物質―場モデルの使用)
4     資源の活用
 ステップ 4.1 「小人」を用いた問題のモデル化
 ステップ 4.2 「IFRから一歩後退」手法の使用
 ステップ 4.3 利用可能な資源の混合物の使用
 ステップ 4.4 利用可能な資源への各種空洞の導入
 ステップ 4.5 利用可能な資源から派生する物質の使用
 ステップ 4.6 物質を電場または電場間作用に置き換えた問題解決の試行
 ステップ 4.7 「場 場に反応する添加物」の対による問題解決の試行
5     TRIZに蓄積された知識集の活用
6     初期問題記述の変更ないしは修正
7     得られた解決策の評価
 ステップ 7.1 解決策の確認
 ステップ 7.2 得られた解決策の予備的評価
 ステップ 7.3 発明が既存特許でないことの確認
 ステップ 7.4 実装に伴って発生する問題の評価
8     適用範囲の拡大と創造的な解決策の標準化
9     解決過程の分析と省察

Copyright notes

This book has been developed in the frame of the TETRIS project funded by the European Commission—Leonardo da Vinci Programme.
The partners of the project consortium are:
AREA Science Park (Italy) www.area.trieste.it (project coordinator)
ACC Austria Gmbh (Austria) www.the-acc-group.com
European Institute for Energy Research - EIfER (Germany) www.eifer.uni-karlsruhe.de
Fachhochschule Kärnten (Austria) www.fh-kaernten.at
Harry Flosser Studios (Germany) www.harryflosser.com
Higher Technical College Wolfsberg (Austria) www.htl-wolfsberg.at
Jelgava 1. Gymnasium (Latvia) www.1gim.jelgava.lv
Siemens AG, Sector Industry, Industrial Automation and Drive Technology (Germany) w1.siemens.com/entry/cc/en/
STENUM Environmental Consultancy and Research Company Ltd (Austria) www.stenum.at
Technical Institute for Industry “Arturo Malignani” (Italy) www.malignani.ud.it
The educational center for adults of Jelgava (Latvia) www.jrpic.lv
University of Florence (Italy) www.dmti.unifi.it

2011年11月23日水曜日

ARIZ-85C(第1~9部)

 ARIZ-85Cは第19部で構成されますので、以下にそれぞれの部について説明します:

1     問題モデルの構築と発明標準解の適用
 ARIZの最初の部分の目的は、解決する問題のモデルを構築することです。第1部の終わりには、初期状況から選んだ問題が技術的矛盾(システムの品質を評価するために用いられる2つのパラメータ(評価パラメータ)間の対立を示す矛盾)として定式化されます。
 このアルゴリズムの第2部に進む前にTRIZの標準解が使えないか確かめてみる必要があります。
 重要なのは、初期問題状況の記述を問題モデルに変換後、問題状況を生ずる最重要な構成要素だけがモデル記述に残ることです。
 結果的に、問題状況記述に対してTRIZで蓄積された発明的標準解を適用できる形を与えやすくなります。

2     利用可能な資源の分析
 ARIZの第2部は、得られた問題モデルを分析してその問題の根底にある矛盾を見出す準備のために設けられています。より正確に言うと、この部分は問題解決に使えるかも知れない資源(特に、空間、時間、物質および の資源)を分析するために設けられています。
 ARIZの第1部と同様、第2部には心理的惰性を抑止するための作用が含まれています。

3     個別資源に関するIFRと物理的矛盾の分析による満足のいく解決アイデアの構築
 ARIZは、問題の根源を浮き彫りにし、個別の問題状況において得られる資源を用いてそれらを取り除くように作られています。このアルゴリズムの第3部では、望ましい結果とその実現を阻む矛盾に関する記述が引き続き行われます。
 ARIZの第3部の最初の目的は、第1部で得られた問題モデルを詳細化することです。この目的は、アルゴリズムの第2部で行ったモデル分析により得られた追加情報を用いて実施されます。この新しい詳細モデルは種々の規則に基づいて構築され、第1部で作られたモデルとは根本的に異なります。
 この部分では、どの結果が問題に対する解決策と見なされうるか判断し、使用可能な資源を用いて望ましい結果を得ることを阻止している数々の矛盾を認識する必要があります。
 この部分の二つ目の目的は、問題全体に対する概念解の組み立てに用いる部分解を得ることです。得られた部分解を統合し、最も望まれる結果に最大限に近づく一つの解決策システムを提供します。

4     資源の活用
 ARIZの第4部は、利用可能な資源が問題解決にどのようにして活用できるかを理解し、既に見出した解決策の効果を向上させるためにあります。
 4部には、システム進化理論の観点から、より進んでいると考えられるものを得ることを目的とした一連のオペレーターが含まれています。
 解決策の中に気に入ったものがあれば、ARIZの第7部へ飛んでARIZの規則に従って解決策を予備的評価することができますが、満足できるものが見いだせなかった場合には、このアルゴリズムの第5部に進むことになります。

5     TRIZに蓄積された知識集の活用
 5部において、問題解決者は、標準的な解決方法を様々な形で記述する種々のTRIZツール(標準解のシステム、物理的矛盾の解決原理、イフェクツ)を参照します。
 これらのデータベースを利用しても満足できる解決策が得られない場合には、ARIZの第6部へ進む必要があります。

6     初期問題記述の変更ないしは修正
 このアルゴリズムの第6部では、ARIZの第1部から分析をやり直すのに先立ち、問題の定義またはモデルを変更あるいは修正するための提案がなされます。

7     得られた解決策の評価
 ARIZの第7部では、TRIZの観点から解決策を評価し、得られた解決策を強化します。
 でも、これは予備的評価に過ぎず、この評価の過程で、得られた解決策を詳細化したり改善したりする新たなアイデアが生まれる可能性があります。
 ARIZによる問題解決が専門家の固定観念を克服して問題解決者をその専門的能力外に引き出すこともあり、このような場合には、得られた解決策の評価を各分野の専門家に委ねる必要があります。
 解決策が受け入れられたならば、特許申請の可能性について弁理士の方に相談してみると良いでしょう。

8     適用範囲の拡大と創造的な解決策の標準化
 ARIZの第8部では、最終的な解決策の実装の準備をし、この解決策が様々な領域を含む他の問題を解決するのにも使えないか調べてみます。
 これにより、更なる実用化へ向けた、より汎用的な標準形を解決策に与えることができます。
 この部分はまた、解決策に対してより優れた特許権保護を持たせる(特許傘の構築)ためにも必要です。
 さらに、この部分により、解決策の効果を高めてその実装により余得を引き出すことができます。

9     解決過程の分析と省察
 ARIZの第9部では、行った作業の核心の理解を深めます。この部分の目的は、問題解決の分野においてできる限り多くのことを学ぶことにより、個人やチームの創造力を伸ばすことです。
 この部分はまた、行っている作業について省察する能力を養うためにもあります。
 原則として、ARIZの各ステップ完了時には、その遂行内容、遂行中に直面した困難、克服した困難、ARIZ提案の履行精度、遂行内容とARIZ提案内容との差異の有無および差異が生じた原因に関して省察すべきです。
 これらの問いに対する回答により省察能力が養われ、トレーニング用問題を通じてこのアルゴリズムを消化吸収しようとする際、ARIZに基づく問題解決プロセスが理解しやすくなります。実際の問題に対するARIZの専門的な適用の際には、これらによりARIZ自体を更に進化させ、新たに出現する一段と複雑な問題を解決するための有効性が高められやすくなります。
 TRIZに限らず、省察能力が最も重要な一般的思考能力のひとつであることには注目すべきであり、ARIZの第9部はこの基本的な思考能力を養う手助けをしてくれます。

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2011年11月22日火曜日

ARIZ(発明問題解決アルゴリズム)に基づく作業

 どのような科学的な手法においても、まず、問題を記述するモデルを選んで構築する必要があります。つまり、初期状況の描写を特定なルールに従った形のモデルに変換します。ARIZの場合、解決すべき技術的矛盾という形で初期問題状況を表現することになります。

 初期問題記述から問題モデル記述への変換は、物理や数学と同様に、標準形への再定式化により行い、これを分析して解決策を組み立てます。

 ARIZに基づく作業プロセスにおいては、TRIZ全般と同様に、概念解に対するアイデアを闇雲に探すのではなく、問題状況分析と解決コンセプト創出の過程で段階的に組み立てていくという点が重要です。これが、複雑、非標準的、そして創造的な問題を解決するための他の多くの手法とTRIZとの大きな違いの一つです。

 初期問題からモデルへの変換により、問題を(TRIZ的観点からは)典型的で標準的なものでそれに対する解決策の一般形が既に分かっているものに帰着することができます。

 問題状況のモデルを構築したら、これを発明標準解システムへ変換します。現在、このシステムにには76の標準的な問題状況があります。直面する特定状況と合致する既知の一般的な標準解が見当たらない場合、ARIZに沿って状況の分析を続けます。この結果、満足の得られる解決策が得られた場合には、他の類似問題にも適用できるように、それを標準的な形にして登録するという作業により標準解システムは構築されてきました。

 ARIZに基づく問題分析の流れの全体像を下に示します:
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2011年11月9日水曜日

TRIZ協会だより Vol.17

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 ●○● TRIZ協会だより Vol.17 ●○●
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2011119日発行━━━
【目次】______________________________
1|第7回日本TRIZシンポジウムを終えて
2|どのような方が参加してくださったか
3|第4回通常総会が開催されました
4|ホームページ更新情報
5|協会からのお知らせとお願い
6|おわりに

皆様、こんにちは。
朝夕と秋らしくなってきたと思えば、昼間はぽかぽか天気だったりと寒暖の差が激しい
今日この頃、季節の変わり目に体調を崩したりしないようお気をつけくださいませ。
さて、去る98日(木)から10日(土)の3日間、第7回日本TRIZシンポジウムが
開催され、盛況のうちに閉会となりました。参加者の方々からも、とても有意義な
シンポジムであったとお声掛け頂き、日本TRIZ協会としましてもうれしい限りです。
そこで、今回のメールマガジンの内容は、第7回日本TRIZシンポジウムに焦点を当て
振り返ってみたいと思います。
                         日本TRIZ協会 広報委員会 
 

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●   1.第7回日本TRIZシンポジウムを終えて
○● 
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98日(木)~ 910日(土)の3日間、東芝研修センター(神奈川県横浜市)に於いて
7回日本TRIZシンポジウムが開催されました。
3月の震災の影響もあり、開催そのものを再検討せざるを得ない時期もありましたが、
無事開催され、115名の参加者が一同に会し、有用な発表に耳を傾け、深い討論が交わされました。
参加者115名の内訳は、国内の参加者は例年通りであったものの、海外の参加者が減少という
傾向で、国内106名、海外9 (海外留学生2名を含む)となっております。
海外からの参加者が少なかったのは残念ですが、先の震災により参加を見合わせたという方々も
多く、致し方なかったかと思います。
今回は、初日が初心者向けプログラムテーマ講演、2日目と3日目がシンポジウム本会といった
新しい取組みのプログラム構成で、主題である「個人と組織のイノベーション力向上を!」に
合致した充実の3日間であったと思います。
また、発表件数総計は40(うち海外 9)と盛況で、国内および海外企業の優良な発表を
聞くことが出来ました。
来年以降は再び海外からの参加者が見込まれますので、次回以降も趣向を凝らし
一層魅力あるシンポジウム開催に向け取り組みを継続していきたいと思います。

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●   2.どのような方が参加者してくださったか
○● 
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国内参加者 105名 のプロフィールを以下に記します

1)年齢:3040歳代が37%5060歳代が62%
     年齢分布は昨年と比べ多少年齢層が上がってきています 

2)職種:研究開発が26%と最も多く、次いで知財で14%、設計・生産・管理で11% 
           知材部門の方が増えているようです

3)関り方:推進31%、教育22%、活用22%   
      例年同様それぞれ違った立場の方々が集まっています

4)活用経験:5年以上が52%2年~4年が18%と経験豊富な方々の比率が多い
        これから始めようと思っている方や1年未満の活用経験者が26%いました

5)セミナー(初日)とシンポジウム(2日目3日目)に分割したこと:
        満足に73% 概ね良かったと思ってくれています
        

6)シンポジウムの満足度:参加者の88%が満足とこたえてくれました
               昨年度の76%と比べ大幅に上がっています  

頂いたアンケート結果の詳細は、協会ホームページに掲示しておりますので
そちらをご覧下さいませ http://www.triz-japan.org/Symposium07.html

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●   3.第4回通常総会が開催されました
○●    
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910日(土)8:30 東芝研修センター(神奈川県横浜市)に於いて、第4回通常総会が
開催されました。各議案に付き審議が行われ、すべての議案につき満場一致で承認され
総会を終了しました。各議案は以下になります。

1号議案:平成22年度事業報告及び収支決算の件
        ・平成22年度 事業報告書
        ・平成22年度 会計収支決算書
        ・平成22年度 貸借対照表
        ・平成22年度末現在 財産目録

2号議案:平成23年度事業計画及び収支予算の件
        ・平成23年度 事業計画書
        ・平成23年度 会計収支予算書

3号議案:会員制度の改定並びにそれに伴う定款改定の件
        ・会員制度の改定        
        ・定款の改定

*会員制度の改定につきましては協会HPの「新着情報」内、”H23/10/24 会員制度を改定”
 をご覧下さい。 → http://www.triz-japan.org/index.html 

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●   4.ホームページ更新情報
○● 
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日本TRIZ協会公式ホームページの更新を随時行っています。
最新情報は以下のようになっております。

H23/10/27 第7TRIZシンポジウムの開催報告を公開しました。
H23/10/24 去る9/10()開催の第4回通常総会において会員制度を改定しました。
H23/ 9/ 2  TRIZシンポジウム関連情報を追加しました。
          プログラム一覧ページのプログラム詳細を更新しました。
                プログラム一覧ページのプログラム一覧を更新しました。
                プログラム一覧ページのアブストラクト集:国内和文を追加しました。

是非ともご覧ください。 → http://www.triz-japan.org/Symposium07.html

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●   5.協会からのお知らせとお願い
○● 
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1)第7回日本TRIZシンポジウムを閉会した直後ですが、日本TRIZ協会では、
 来年度開催予定の第8回日本TRIZシンポジウムに向けて早々に動き出しております。
 次回シンポジウムは、201296日(木)~8日(土)に早稲田大学・西早稲田キャンパス
 (新宿区大久保3-4-1)での開催を予定しており、これから創りあげていくわけですが
 なにぶんにも人手が足りません。
 日本TRIZシンポジウムならびに日本のTRIZ推進のためのよい発信源として一層の充実を
 図るためにも皆様のご協力が必要になってまいります。
 協会HPや本メルマガにて「協力の募集」をかけて参りますので何卒ご一考頂き、
 我こそはと思われる方がいらっしゃいましたら奮ってご参加くださいませ。
 積極的な参加をお待ちしております。

2)シンポジウムをはじめとした日本TRIZ協会での活動をもっと多くの方に知っていただくため
 広報活動の一環としてプレスリリースを積極的に展開して行こうと考えておりますが、
 いかんせん、ルートを持っていません。
 会員の皆様の中で、プレス関連のお知り合いやアクセス先をご存知の方がお見えでしたら
 是非ともお教えくださいませ。
 日本TRIZ協会が実施しているシンポジウムや各種活動を取材していただき
 PRできればと思っております。

3)協会ホームページの”HOME”上段”NPO法人日本TRIZ協会”右横の空きスペースに
 バナー広告を募集します。
 イメージとしては、バナーのサイズは幅105ピクセル、高さ37ピクセルで最大6つ表示を
 想定しています。興味がおありの方はご一報ください。

こちらへご一報いただけますとありがたく → info@triz-japan.org