2011年9月23日金曜日

PTCモデリング [09/19]   TRIZプロセス レベル1

 今回は10枚目の「スライド9」です:

 サムスングループで10年余りTRIZを推進し、また、LG, Hyundai, SKT, POSCOなどの韓国のグローバル企業でTRIZの教育やコンサルティングを担当した経験に基づいてTRIZ活用のプロセスをレベル1からレベル4にまとめてみました。

 まず、TRIZ活用プロセスのレベル1について説明します。
最も低いレベルが1であり、TRIZを初めて導入してある程度の成果を上げることができた段階です。
  • 問題が技術的矛盾であると判断されると、40の発明原理と矛盾マトリックスが適用されます
  • 問題が物理的矛盾であると判断されると、分離の原理が適用されます
 これが、最も基本的な Classical TRIZの構造です。

2011年9月22日木曜日

PTCモデリング [08/19]    物理、技術矛盾モデリング: PTCモデリング ③

 今回は9枚目の「スライド8」です:

 火縄銃の場合、問題は、銃身を短くすべきか、それとも長くすべきかとして定義され、これは、射撃精度と装填時間の対立に起因します。
 ここでの両立は、射撃精度を高めながらも装填時間を減らすことです。
 しかし、このような対立は宣言的な表現に過ぎません。
 具体的な方法は自分で探せということなのでしょう。

 でも、PTCモデリングは、このような状況の下で可能な解決策の方向を

1.銃身が長くても装填時間を短くする方法

 と

2.銃身が短くても射撃精度を高める方法

 として提示します。

 実際に銃器発展の歴史を見てみると、上記の2つの方向に発展してゆきます。
 まず、銃身が長くても装填時間を減らす方向としては後方装填の方法が考え出され、その後、金属材料と金属加工技術の発展に伴い、銃身が短くても射撃精度を高めることができるようになります。
このようなクロスチェックを介して解決策の方向を選定したら、その方向に集中させて使用可能な資源を最大限に活用するのがPTCモデリング技法です。
 このPTCモデリングは、結果だけ見ると簡単そうですが、このようにして紙の上に描いて視覚化せずに頭の中だけで考えて解決することは不可能であると言えます。
 描くことによってのみ可能となるのです。
 上記理由により、多くの方々はこのような方向のアイデアを簡単には導き出すことができないため、PTCモデリングの方法論としての効用価値が高まるのです。
 そして、周りの方々にも勧められるようなものとなるわけです。
 では、このPTCモデリングは何故頭の中だけでは考えることができないのでしょうか。
 後ほど Problem Chain Analysis(PCA) のところでも説明しますが、日常の生活を通して私たちは様々な習慣や考え方を身につけるようになります。
 専門家であれば、専門分野における更に固定した論理概念を抱くようになるでしょう。
 水平思考、シックスハット法などで有名な創造性の専門家であるデボノ博士は、このような論理概念を自己組織化理論(Self-Organization Theory)で説明しています。
PTCモデリングは、このような合理的な論理概念から逃れて新たなアイデアの方向を示してくれる具体的な方法であるがゆえに価値があると言えましょう。
 これまでのところ、物理的矛盾と技術的矛盾は同時に存在していて、物理的矛盾を抽出すると技術的矛盾が自然に導き出されるという点を利用してPTCモデリングにまで思考を広げてきました。

2011年9月21日水曜日

PTCモデリング [07/19]    物理、技術矛盾モデリング: PTCモデリング ②

 今回は8枚目の「スライド7」です:

 前のスライドでは、矛盾関係を利用して問題を分析する段階について説明しました。
このように問題を分析すると、解決策の方向を2つ提示することができます。
ほとんどのアイデアは、この2つの方向に含まれます。
 一般的に、両立とは良いことですが、こと実践的なアイデアを導き出すためには大きな助けとなりません。
 導出されたアイデアが結果的に両立をもたらすのであり、両立するアイデアを導き出す具体的なガイドラインを提示することはできないのです。
でも、図に示したように、クロスチェックを行うと、両立する具体的な方向、解決策の方向、即ち、戦略を導き出すことができます。

 飛行機の車輪の問題の場合、どのようなアイデアが出るとしても、
  ●車輪が無くても離着陸できる方法

  ●車輪があっても空気抵抗を抑えることができる方法

という2つの範疇に含まれます

 これら2つの方向を理想的な解決策に対する方向と言います。

2011年9月20日火曜日

PTCモデリング [06/19]    物理、技術矛盾モデリング: PTCモデリング ①

 今回は7枚目の「スライド6」です
 このような関係を活用して問題を分析しようとする観点から、「問題」と「問題の原因」を体系的に分離することができます。
  「問題」を(シェークスピアが表現したように)物理的矛盾として定義し、「問題の原因」を技術的矛盾はとして定義します。
シェークスピアは、

生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ

と言っていますが、これがそのまま物理的矛盾を表しています。
飛行機の車輪の問題の場合、もしその会社の社長に問題状況を報告する機会があれば、次のように表現すると説得力が増します:
「これは、飛行機の車輪が必要なのかそれとも不要なのかという問題です」
「このような問題が生じる原因は、離着陸の機能と空気抵抗低減の機能の間の対立にあると言えます」

2011年9月19日月曜日

PTCモデリング [05/19]    他の例: PC(物理矛盾)と TC(技術矛盾)の関係

 今回は6枚目の「スライド5」です:

 理解を深めるために、更に他の例をあげてみます。
上の写真の火縄銃は、15世紀から日本で使用されたものです。
 この武器の最大の弱点は、装填するのに1分以上の時間を要することです。
戦闘時における装填時間は、戦闘効率に多大な影響を及ぼす大切な要素です。
銃身が長いため、1分以上かかってしまうのです。
 立ち上がって火薬を装填して弾を込めてから、また伏せて芯に火をつける構造となっているため、銃身が長いと、それだけ装填時間が長くなってしまいます。
 このため、銃身は短いほうが良いことになります。
 銃身が充分短ければ、20秒で装填可能となります。
一方、銃身が短くなると、射撃精度が落ちてしまい、武器としての性能が著しく損なわれてしまいます。
 この点からは、銃身は長いほうが良いことになります。
  このような問題状況においては、「銃身は短いほうが良いし、長いほうが良い」という物理的矛盾が抽出されます。

 さて、それでは、技術的矛盾を簡単に導き出してみましょう:

●銃身は何故短くなるべきなのでしょうか?
  → 装填時間を減らすためです


銃身は何故長くなるべきなのでしょうか?
  → 射撃精度を高めるためです

このように、物理的矛盾が抽出されれば、装填時間と射撃精度との間の技術的矛盾を自然に導き出すことができます。

2011年9月18日日曜日

PTCモデリング [04/19]   PC(物理矛盾)と TC(技術矛盾)の関係 ②

 今回は5枚目の「スライド4」です:

 前のスライドでは、「物理的矛盾と技術的矛盾が同時に存在している」ということが第1の関係であることを説明しましたが、ここでは、第2の関係について説明します。
「物理的矛盾を抽出したならば、技術的矛盾は自然に導き出される」というのが第2の関係です。
 飛行機の車輪の場合、車輪の要不要という物理的矛盾が抽出されたならば、技術的矛盾は自然に導き出されます。

●車輪は何故無いほうが良いのでしょうか?
  → 空気抵抗を抑えるためです

●車輪は何故必要なのでしょうか?
  → 離着陸するためです

 このように物理的矛盾の各項目に対してその機能を抽出してみると、それらの間に技術的矛盾が生じるのです。
 すなわち、物理的矛盾を抽出できれば、技術的矛盾はいつでもすぐに導き出せます。

2011年9月17日土曜日

PTCモデリング [03/19]   PC(物理矛盾)と TC(技術矛盾)の関係 ①

 今回は4枚目の「スライド3」です:




 では、このような一般的なTRIZ理論、即ち、クラシカル(ClassicalTRIZを更によく見てみましょう。
 まず、物理的矛盾と技術的矛盾は、一つの問題において常に同時に存在しています。

この問題は技術的矛盾であり、あの問題は物理的矛盾である

という表現は間違ってはいませんが、完全とも言えません。
例えば、飛行機の車輪の場合、先程は要不要が物理的矛盾であると説明しましたが、更に深く分析してみましょう。
飛行機の車輪は離着陸するためには必要ですが、空気抵抗を抑えるためには邪魔です。
従って、飛行機の車輪の場合、空気抵抗を抑えることと離着陸性能を高めることとの間に対立、即ち、技術的矛盾が存在していることになります。
つまり、物理的矛盾と技術的矛盾が同時に存在しているわけです。