理解を深めるために、更に他の例をあげてみます。
上の写真の火縄銃は、15世紀から日本で使用されたものです。 この武器の最大の弱点は、装填するのに1分以上の時間を要することです。
戦闘時における装填時間は、戦闘効率に多大な影響を及ぼす大切な要素です。
銃身が長いため、1分以上かかってしまうのです。
立ち上がって火薬を装填して弾を込めてから、また伏せて芯に火をつける構造となっているため、銃身が長いと、それだけ装填時間が長くなってしまいます。
このため、銃身は短いほうが良いことになります。
銃身が充分短ければ、20秒で装填可能となります。
一方、銃身が短くなると、射撃精度が落ちてしまい、武器としての性能が著しく損なわれてしまいます。
この点からは、銃身は長いほうが良いことになります。
このような問題状況においては、「銃身は短いほうが良いし、長いほうが良い」という物理的矛盾が抽出されます。
さて、それでは、技術的矛盾を簡単に導き出してみましょう:
●銃身は何故短くなるべきなのでしょうか?
→ 装填時間を減らすためです
●銃身は何故長くなるべきなのでしょうか?
→ 射撃精度を高めるためです
このように、物理的矛盾が抽出されれば、装填時間と射撃精度との間の技術的矛盾を自然に導き出すことができます。
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