今回は9枚目の「スライド8」です:
火縄銃の場合、問題は、銃身を短くすべきか、それとも長くすべきかとして定義され、これは、射撃精度と装填時間の対立に起因します。
ここでの両立は、射撃精度を高めながらも装填時間を減らすことです。
しかし、このような対立は宣言的な表現に過ぎません。
具体的な方法は自分で探せということなのでしょう。
でも、PTCモデリングは、このような状況の下で可能な解決策の方向を
1.銃身が長くても装填時間を短くする方法
と
2.銃身が短くても射撃精度を高める方法
として提示します。
実際に銃器発展の歴史を見てみると、上記の2つの方向に発展してゆきます。
まず、銃身が長くても装填時間を減らす方向としては後方装填の方法が考え出され、その後、金属材料と金属加工技術の発展に伴い、銃身が短くても射撃精度を高めることができるようになります。
このようなクロスチェックを介して解決策の方向を選定したら、その方向に集中させて使用可能な資源を最大限に活用するのがPTCモデリング技法です。
このPTCモデリングは、結果だけ見ると簡単そうですが、このようにして紙の上に描いて視覚化せずに頭の中だけで考えて解決することは不可能であると言えます。
描くことによってのみ可能となるのです。
上記理由により、多くの方々はこのような方向のアイデアを簡単には導き出すことができないため、PTCモデリングの方法論としての効用価値が高まるのです。
そして、周りの方々にも勧められるようなものとなるわけです。
では、このPTCモデリングは何故頭の中だけでは考えることができないのでしょうか。
後ほど Problem Chain Analysis(PCA) のところでも説明しますが、日常の生活を通して私たちは様々な習慣や考え方を身につけるようになります。
専門家であれば、専門分野における更に固定した論理概念を抱くようになるでしょう。
水平思考、シックスハット法などで有名な創造性の専門家であるデボノ博士は、このような論理概念を自己組織化理論(Self-Organization Theory)で説明しています。
PTCモデリングは、このような合理的な論理概念から逃れて新たなアイデアの方向を示してくれる具体的な方法であるがゆえに価値があると言えましょう。
これまでのところ、物理的矛盾と技術的矛盾は同時に存在していて、物理的矛盾を抽出すると技術的矛盾が自然に導き出されるという点を利用してPTCモデリングにまで思考を広げてきました。
2011年9月22日木曜日
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