2013年3月12日火曜日

音の広がり角


●システムレベルパラメーター値変更による常識からかけ離れた空想的な考えや状況の創出

1. 革新しようとするシステムあるいは対象をひとつ選びます。
2. 選んだシステムあるいは対象に対するパラメーターの一覧を作成します。
3. 好きなパラメーターを選び、現在の値を大きく増大または減少させます。
 変更後のパラメーター値をとるシステムあるいは対象を描き出します。
 これが、常識からかけ離れた新たな空想的アイデアを表すことになります。
4. 変更したシステムあるいは対象を元の環境に置くことにより、多くの矛盾や問題を抱えた新たな空想的状況を創り出します。
 SF小説向けの構想を創り上げるのに似ていますが、これはシステム進化における次の段階ともなり得ます。

例: 音の広がり角
1. 革新しようとするシステムとして「音」を選びます。
2. 「音」に対するパラメーターの一覧を作成します:
·   広がり角
·   吸音係数
·   振幅
·   周波数
·   周波数音域
·   周波数偏移
·   周期
·   位相
·   位相偏移
·   反射率
·   音圧
·   空中音速
·   透過率
·   波長
3. 好きなパラメーターとして「広がり角」を選び、これを現在の値である 360°から 5°に大きく減少させます(下図
 この結果、ごく限られた範囲内でしか音が聞こえなくなります。
4. 変更した対象を元の環境に戻して新たな空想的状況を創出します:
 LRAD社が開発したHSSHyperSonic Soundシステムは、スポットライト光のように細い円柱状に超音波を発生させ特定の方向にだけ音を伝えることができます。この装置では音響インタフェースにつなげられた圧電結晶から200,000ヘルツの基準信号と200,200220,000ヘルツの可変信号の対が超音波として送出され、これらが相互作用すると差信号が可聴音となります
 HSSシステムには以下のような適用が考えられます
·   配慮型スピーカーフォン
·   指向性メッセージ
·   的を絞った広告
·   音響弾
音の広がり角が360°だと誰でも聞こえるが
5°しかなければ狙った人にしか聞こえない


出典: TRIZ Technology for Innovation ( http://www.trizsoluiton.com )

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