2011年1月28日金曜日

異方性(Anisotropy)

● 説明
 ある対象性質分布方向に依存しないときそれは等方的(Isotropic)であるという。また、方向に依存するとき異方的(Anisotropic)であるという。別な表現では、ある対象の性質や分布が回転により変化しないとき等方的であり、回転により変化するとき異方的である。対象が等方的か異方的かは、対象の等方性(Isotropy)もしくは異方性(Anisotropy)の有無として表現する場合もある。  空間(真空)は、本質的には、回転に関して物理法則不変であるので等方的である。また、そこに何らかの物体があるとそのは異方的になる場合がある。

● 現象例(岩による太陽光線の異方的伝熱)

2011年1月27日木曜日

レーザー溶接(Laser welding)

● 説明
 レーザー溶接(レーザーようせつ)とは、レーザー光線エネルギーを利用して行う溶接のこと。レーザービーム溶接(Laser beam welding)とも言う。
光ビームによって、大気中で透明材料を透過したり、鏡面反射絞りができる。このため、エネルギー密度が高いほか、制御もしやすく、微少な溶接や精密な溶接に適している。
また、入熱量が少ないため、熱に対する歪が大きいステンレス鋼などにも使用可能で、非常に深い溶け込みが得られる。
融点の材料の溶接にも適しているが、材料の表面で反射される場合においては溶接できない。

● 活用例(レンズで絞ったレーザー光線による異種金属板の溶接)

2011年1月26日水曜日

濡れ(Wetting)

● 説明
 濡れ(ぬれ、: Wetting)は、固体表面液体が接触している状態を指す。
ガラス表面に水滴が付いた場合のように、大きな固体に少量の液体が接した状態を付着濡れ(または接着濡れ)、固体全体が液体に沈んだ状態を浸漬濡れ、布を水に浸した場合のように固体内部に液体が浸透した状態を浸透濡れと呼ぶ。
● 活用例(界面活性剤を含ませることにより表面張力を下げて表皮細胞への浸透性を高めた除草剤)

2011年1月25日火曜日

音波(Acoustic Waves)

● 説明
 音波(おんぱ)とは、狭義には人間や動物の可聴周波数である空中を伝播する弾性をさす。広義では、気体、液体、固体を問わず、弾性体を伝播するあらゆる弾性波の総称を指す。狭義の音波をヒトなどの生物が聴覚器官によって捉えるととして認識する。
人間の可聴周波数より高い周波数の弾性波を超音波、低い周波数の弾性波を超低周波音と呼ぶ。

● 活用例(音波での共鳴による粒子の除去)

2011年1月23日日曜日

メビウスの帯(Möbius strip, Möbius band)

● 説明
 メビウスの帯(メビウスのおび、Möbius strip, Möbius band)、またはメビウスの輪(メビウスのわ、Möbius loop)は、帯状の長方形の片方の端を180°ひねり、他方の端に貼り合わせた形状の図形曲面)である。メービウスの帯ともいう。
数学的には向き付け不可能性という特徴を持ち、その形状が化学工学などに応用されているほか、芸術文学において題材として取り上げられることもある。

● 活用例(ベルトをメビウスの帯状にすることによる両面利用)

2011年1月22日土曜日

誘導加熱(Induction heating)

● 説明
 誘導加熱(ゆうどうかねつ)は電磁誘導の原理を利用して加熱すること。英語表記の Induction Heating を略してIHともいう。
電子レンジの原理であるマイクロ波加熱などの誘電加熱は、誘電体である不導体を加熱するもので、これとは原理が異なる。誘電加熱、誘導加熱のどちらも電磁(波)加熱である。電波を使う電磁波加熱を電波加熱、高周波を使うものを高周波加熱という。
誘導加熱は新しい調理器具の加熱方式として家庭の中でも普及しつつあり、これを利用した調理器具をIH調理器(電磁調理器)という。

● 現象例(コイルの電磁場で発生させた金属内循環電流による加熱)

2011年1月21日金曜日

熱交換器(Heat Exchanger)

● 説明
 熱交換器(ねつこうかんき)は、温度の高い物体から低い物体へ効率的にを移動させる機器である。液体気体などの流体を扱うものが多い。
熱の段階的利用や回収による省エネルギーのため、積極的な導入が求められている。

● 活用例(凝縮器による高温気体からの熱除去と液化)

2011年1月20日木曜日

爆発(Explosion)

● 説明
 爆発(ばくはつ)とは、急速な膨張を言い、一般的には気体の急速な熱膨張を指す。

● 活用例(原子力発電における飽和蒸気の加熱)

2011年1月19日水曜日

静電誘導(Electrostatic induction)

● 説明
 静電誘導(せいでんゆうどう;Electrostatic induction)とは帯電した物体を導体に接近させることで、帯電した物体に近い側に、帯電した物体とは逆の極性の電荷が引き寄せられる現象。導体中を実際に電荷が移動することで引き起こされる。このとき、電荷は導体内の電位差を打ち消すように移動するため、導体内部は等電位となる。良く似た現象に誘電分極があり、こちらは誘電体の場合に起きる現象である。

● 活用例(非接触インクによる静電潜像の現像)

2011年1月18日火曜日

電弧(アーク放電、Electric Arc)

● 説明
 電弧(でんこ、アーク放電、英語:electric arc)は電極電位差が生じることにより、電極間にある気体に持続的に発生する絶縁破壊放電)の一種。負極・正極間の気体分子が電離しイオン化が起こり、プラズマを生み出しその上を電流が走る。結果的にもともとは伝導性のない気体中を電流が流れることになる。この途中の空間では気体が励起状態になり高温と閃光を伴う。
アーク放電は、基本的に低電圧、高電流の状態で発生する。
この現象は1802年にロシアの物理学者ヴァシーリー・ウラジーミル・ペトロフによって発見された。。

● 活用例(アーク蒸発による基板上への金属薄膜形成)

2011年1月17日月曜日

水和反応(Hydration reaction)

● 説明
 水和反応(すいわはんのう、Hydration reaction)は、有機化学に於いて、アルケンを作る炭素 - 炭素二重結合の炭素にそれぞれヒドロキシル基水素イオン(プロトン)が付加する化学反応である。普通、この反応は強酸性水溶液で行われる。反応で2成分に分解する加水分解とは異なる反応である。
 
● 活用例(セメント内の遊離石灰[CaO]が水和して生じる消石灰による鉄パイプ内保護被膜)

2011年1月16日日曜日

浸透(Osmosis)

● 説明
 浸透(しんとう)は液体を隔てる膜の小さな穴を液体がすり抜け浸出すること。
溶質の濃度が高い液体と濃度が低い液体が半透膜を隔てている場合、濃度の低い液体から濃度の高い液体へと自然に溶媒が移動し、濃度を同等に保とうとする。この現象では溶媒が動くためにエネルギーが発生している。このエネルギーを浸透圧といい、濃度の差を保つために必要な分の力が浸透圧の力量である。
また、半透膜に溶剤の多く混ざった液体を浸透圧以上の圧力をかけながら通すことで溶媒に溶け込んだ高分子物質のような物体の一部を除くことも出来る。

● 活用例(透析液を用いた浸透により血液から不純物を取り除くろ過装置
【特許番号6426002】)

2011年1月15日土曜日

エアロゾル(Aerosol)

● 説明
 エアロゾル (aerosol) は、分散媒が気体分散系。つまり、気体の中に微粒子が多数浮かんだ物質である。エアロゾルの微粒子(あるいはエアロゾルの別名)を煙霧質(えんむしつ)という。
 ゾルとは分散媒が液体コロイドのことであり、エアロゾルはそれにエアロ(空気)を付けた言葉である。ただし、分散媒は空気に限らずさまざまな気体があり、たとえばスプレーによるエアロゾルの分散媒はプロパンなどである。また、コロイド(粒子が約百nm以下)に限らず、より大きい粒子のものもある。
微粒子には、液体と固体がある(気体は混ざってしまうのでありえない)。厳密な用語ではないが、液体のエアロゾルをやミスト、固体のエアロゾルを粉塵と言う。ただし、タバコの煙など、刺激性の液体のエアロゾルは煙と認識される。

● 現象例(排気ガス中の黒色炭素エアロゾルによる太陽光放射エネルギーの吸収と熱への変換)

2011年1月14日金曜日

グロー放電(Electric glow discharge)

● 説明
 グロー放電英語Electric glow discharge)は低圧の気体中の持続的な放電現象である。電極間空間への荷電粒子供給が、正イオンの負極への衝突の際に起こる二次電子放出(γ作用)と負極・正極間を移動する電子による気体分子の電離(α作用)によるものである。電流が増加するとアーク放電に遷移する。放電管に封入されたガスの種類によって、いろいろな色に発光する。
放電の構造は気体の種類、圧力、放電管の形状などにより変化する。陰極側から並べて、陰極降下部(アストン暗部、陰極グロー(陰極層)、クルックス暗部(陰極暗部)からなる。陰極グローが複数層認められる場合もある)、負グロー、ファラデー暗部、陽光柱、陽極グロー、陽極暗部などの構造が認められる。

● 活用例(スパッタリングによる金属棒の金属薄膜被覆)

2011年1月13日木曜日

TRIZ協会だより Vol.11

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●○● TRIZ協会だより Vol.11 ●○●
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2011113日発行━━━━

日本TRIZ協会会員の皆さま
明けましておめでとうございます 本年もよろしくお願い申し上げます

年頭にあたり、日本TRIZ協会 理事長 林利弘よりご挨拶申し上げます

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●   年頭のご挨拶
○●    
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会員の皆様、あけましておめでとうございます。
日本TRIZ協会も200712月にNPO法人に衣替えして、今年は4年目に入りました。 

昨年の第6回シンポジウムは参加者が165名と少し回復するとともに、
海外からの参加者も46名と過去最多になり、当協会の活動の国際的認知も進みました。
また運営体制としては、理事及び執行委員の一部交代により若返りも進み、
若い人の知恵と力を協会の運営に活かして行きたいと考えています。

特に本年は、
  • これまで皆様との日々の交流の窓口であるホームページを一新し、分かりやすく親しみやすい形に見直す
  • 研究会活動の一層の充実と柔軟な運営を目指す
  • TRIZの裾野を広げるための種々の活動を立ち上げる
といったことを進めていきたいと考えています。

また、今年の第7回シンポジウムは201198日(木)~10日(土)に 
「東芝研修センター」(新横浜)で開催することで計画しています。
協会内部ではすでに種々の検討をすすめており、特に会員の皆様からの
積極的な発表への応募を期待しているところです。

今年は景気も大分回復すると予想されていますが、回復の過程で先頭に立つには、
やはりイノベーティブなアイデアに基づいた商品、プロセス改革、ビジネスモデル等を
如何に提案できているかがその分かれ目になると思います。
その意味でもTRIZの考え方や手法が皆様の組織において有効に活用されることを
願って止みません。

最後に、会員の皆様のご多幸と一層の発展を祈念し、年頭のご挨拶と致します。

NPO法人 日本TRIZ協会 
理事長 林 利弘

2011年1月12日水曜日

吸光(Absorption)

● 説明
 吸光(きゅうこう、absorption)とは、物質を吸収する現象のことである。
量子論によると、物質の固有状態(電子の軌道や、分子振動回転などの状態)は連続でなく、飛び飛びの値をとる。この状態間のエネルギー差と等しい波長の光が物質に照射されると、そのエネルギーを吸収して状態の遷移が起こり、物質は励起される。
実際には、物質は光エネルギーを吸収したままなのではなく、すぐに励起状態から基底状態に戻り、この際に吸収したエネルギーを放出する。しかし、エネルギーの一部は無輻射過程を経るため、吸収した光と完全に同じ波長・強度の光として放出されるわけではない。したがって、光の一部は物質に吸収され続けるように観測される。
通常の場合、紫外・可視・近赤外領域の波長では電子遷移が生じ、赤外領域では分子の振動遷移あるいは回転遷移が生じる。
また、物質に白色光を照射し、その一部が吸収された場合、その物質は吸収された光の補色として観察される。

● 活用例(フーリエ変換赤外反射吸収分光法
Fourier transform IR reflection absorption spectroscopy[FT-IRAS])

2011年1月11日火曜日

2011.1.10 朝日新聞社杯

Flight C Team #26
Team 147VP(7-8/34位) [Av. 135VP + 12VP]
http://www.jcbl.or.jp/game/pdf/2011asahiC.pdf

Round 9
Board: 19
Dealer: South
Vul: E-W

N
S: J8
H: A
D: AKJ8643
C: AK7

N  E  S  W
          P  1S
?

Q1. Nのビットは?

-------------------

N  E  S  W
          P  1S
X 2S  3H  P
?

Q2. Nのビットは?

-------------------

N  E  S  W
          P  1S
X 2S  3H  P
3S  P  4H P
?

Q3. Nのビットは?

2011年1月9日日曜日

回折(Diffraction)

● 説明
回折(かいせつ、Diffraction)とは媒質中を伝わる波(または波動)に対し障害物が存在する時、波がその障害物の背後など、つまり一見すると幾何学的には到達できない領域に回り込んで伝わっていく現象のことを言う。1665年にイタリアの数学者・物理学者であったフランチェスコ・マリア・グリマルディにより初めて報告された。 障害物に対して波長が大きいほど回折角(障害物の背後に回り込む角度)は大きい。
回折は音波、水の波、電磁波(可視光やX線など)を含むあらゆる波について起こる。
単色を十分に狭いスリットに通しスクリーンに当てると回折によって光のあたる範囲が広がり、干渉によって縞模様ができる。
この現象は、量子性が顕著となる粒子のビーム(例:電子線中性子線など)でも起こる(参照:物質波)。電子線や中性子線などを結晶などに当てて得られる回折図形から結晶構造の解析を行うことができる。これは電磁波であるX線でも同様な結晶構造の解析を行うことができる。それぞれ電子回折法中性子回折法X線回折法として結晶構造の解析手法が確立されている。
写真撮影においても、絞りを小さく絞ると光の回折現象により画像の鮮明さが低下する。

● 活用例(レーザー回折角による物体表面の高精度非接触測定)

2011年1月8日土曜日

偏光(Polarization)

● 説明
 偏光(へんこう、polarization)とは電場および磁場が特定の方向しか振動していないのことである。電磁波の場合は偏波(へんぱ)と呼ぶ。 光電界の振幅は直交する2方向の振動成分に分解できることが分かっている。振動方向が規則的な光波の状態を偏光という。光波の偏光が規則性がなく直交している電界成分の位相関係がまったくでたらめな場合を非偏光あるいは自然光と呼ぶ。普通のは、あらゆる方向に振動している光が混合しており、偏光と自然光の中間の状態(部分偏光)にある。このような光は一部の結晶光学フィルターを通すことによって偏光を得ることができる。

● 活用例(目視では確認できない皮膚癌細胞の検出)