2011年1月9日日曜日

回折(Diffraction)

● 説明
回折(かいせつ、Diffraction)とは媒質中を伝わる波(または波動)に対し障害物が存在する時、波がその障害物の背後など、つまり一見すると幾何学的には到達できない領域に回り込んで伝わっていく現象のことを言う。1665年にイタリアの数学者・物理学者であったフランチェスコ・マリア・グリマルディにより初めて報告された。 障害物に対して波長が大きいほど回折角(障害物の背後に回り込む角度)は大きい。
回折は音波、水の波、電磁波(可視光やX線など)を含むあらゆる波について起こる。
単色を十分に狭いスリットに通しスクリーンに当てると回折によって光のあたる範囲が広がり、干渉によって縞模様ができる。
この現象は、量子性が顕著となる粒子のビーム(例:電子線中性子線など)でも起こる(参照:物質波)。電子線や中性子線などを結晶などに当てて得られる回折図形から結晶構造の解析を行うことができる。これは電磁波であるX線でも同様な結晶構造の解析を行うことができる。それぞれ電子回折法中性子回折法X線回折法として結晶構造の解析手法が確立されている。
写真撮影においても、絞りを小さく絞ると光の回折現象により画像の鮮明さが低下する。

● 活用例(レーザー回折角による物体表面の高精度非接触測定)

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