2010年1月30日土曜日

「第1回イスラエルTRIZコンファレンス」の概要[3/5]


産業におけるTRIZ:

「体系的発明思考による創造的技術解決策」
Gady Golan教授, Holon工科大学 工学部長

 この講演は構造化アルゴリズムによる体系的発明思考の可能性に関するものです。
 この体系的な思考方法は20世紀になされた数多くの発明を後押ししています。
 "発明的思考ツール" を用いて問題に対する解決策を見つけることの本旨はシステム内の根本的矛盾を探すことにあります。
 この根本的矛盾およびそれを明らかにする方法が私たちの新しいコースの核心をなしています。
 ここ Holon工科大学では、発明的思考コースを "起業家精神およびマーケティング" とともに、将来の "技術リーダーシッププログラム" を完成させる工学カリキュラムの統合部分とすることにしました。

「Intel TRIZ物語」
Amir Roggel, Intel Systematic Innovation, TRIZリーダー

 Intelは半導体産業におけるリーダーです。40年間の革新実績と数多くの国々や地域における国際的存在感を有しているが故に体系的革新手法やTRIZの導入が難しくなっています。
 この講演ではIntelの21世紀に向けた革新ビジョンおよび進歩的な半導体企業における典型的な問題解決ニーズにハイライトを当てています。
 Intel社におけるTRIZの進展と普及方法についてお話しし、TRIZ適用事例を紹介します。
















「イスラエルの産業における光学レンズの改良事例」
Dr. Alex Chernobelsky

 接眼レンズの製造過程において微細な破片が生じ、製品のかなりの割合を損傷してしまっていました。この問題は、TRIZの問題解決手法を用いてレンズの研磨材料をガラスから剛性ポリマーに変えることにより解決しました。

「リバースTRIZ意味解析で研究開発から生産への移転リスクを低減する」
Alex Talalyevsky, 製造開発エンジニア, Intel

 どのような製造業あるいはビジネスにとっても不具合を規定して正確に予測することは重要です。このことは、ハングリーな市場が主要製品を待っている、研究所から製造工場への移転段階において予期しない驚きに見舞われるのを防ぐために最も役立ちます。あらゆる商品製造においてこの初期段階では通常、リスクを低減するために、ツール、プロセス、品質管理システム、支援手段を研究所で開発されたとおりに製造工場へ迅速かつ高品質に移することが必要となります。この段階は通常、変更には向かない時期とされています。従って、リスク・アセスメントの予測と精度のレベルは不具合時のトラブル解決作業に備える準備のレベルと同等であるべきです。現在利用されている標準的なFMEAはここ何年間も進化しておらず、不具合発生時に必要な解決策をどのように見つけて作り出すかを示してくれないという点で産業界の最新の要求には応えてくれていません。
 TRIZ FMEAソフトウェアを実際に使ってみて、上述した要求のすべてに応えてくれる完備したツールであることが分かりました。この講演ではIntelのとある製造現場における実際のプロジェクトでのTRIZ FMEAの使用例を示します。このプロジェクトでは、意味解析と発想転換を用いることにより、ごくわずかなプロセス上の修正が最大限の効果に結び付くことのできる個所を特定できました。実例の詳細の一部は、Intelの知的所有権を保護するために一般化してあります。

 この事例では以下の点について説明しています:
• TRIZ手法は、現在のあらゆる大量生産業における研究開発から生産への移転リスクの低減に利用可能です。
• TRIZ FMEAは製造現場のニーズ、可能性、BKMに応えてくれます。
• TRIZ分析ツールは製造工場の人材の専門性を短期間で高めてくれます。
• TRIZ FMEAは製品の順次的な製造または輸送に従事するあらゆる産業に適合しています。
• TRIZ FMEAは大量生産業におけるTRIZ融合に対して重要な節目となります。

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