2009年10月28日水曜日

ゲンリッヒ・アルトシュラーによるTRIZ講義(4/6)


講師: Genrich Saulovich Altshuller(発明手法公共研究所長)


"難しい" 創造的問題が難しいのは...
 ...技術的矛盾を含んでいるからです。

ある特性を改善しようとすると...

 ...技術システムの別の特性が悪化します。

そこでこの技術的矛盾と必死に格闘することになります。

プロデューサーは私に、外の通りに出て...

 ...見てわかる例で矛盾を説明するようにと言いました。

でも、その必要はありません。

ここにマイクがあります。

このマイクの感度を上げることができます。

そうすれば、私の声の芳しくない品質を忠実にとらえられます。

でも、それとともに、他の多くの音もとらえて伝えてしまいます。

ひとつのものを勝ち取る代わりに他のものを失ってしまいます。

同じことがどの技術的矛盾についても言えます。

ある個所、ある特性を改善しようとすると...

 ...はからずも別の特性を悪化してしまうのです。

例えば、このバスについて考えてみましょう。

乗客の数を増やしたければ...

 ...もっと長くする必要があります。

でも、そうすると曲がりにくくなってしまうかもしれません。

私たちは技術的矛盾を解決しなければなりません。

これは創造的な解決策を必要とする問題です。

単純な問題であるがゆえに単純な解決策を必要とします。

バスが来ました。

途中で折れ曲がります。

これを『分割原理』と言います。

前後が分かれていて結合されています。

問題は無数にありますが、矛盾の数は限られています。

矛盾は解決することができます...

 ...一般的な原理を用いることによって。

世界のあらゆる多様性は...

 ...約100の化学元素を用いて形成されています。

発明の世界も同様です。

発明のためのツールは減らすことができます...

 ...約100の原理または手段に。

何千もの特許が解析されました。

それらは約50の一般的な原理を明らかにしています。

これらの原理を用いて...

 ...多数の問題を解くことができます。

10個の問題のうち8個は自信を持って解くことができます...

 ...マトリックスを使うことによって。

それではフィルターの問題に戻って適用してみましょう...

 ...技術的矛盾を解決するためにマトリックスのデータを。

学生「何で技術的矛盾なんですか?

    これは物理的矛盾です。

    はっきりしています ― フィルターの目は粗くなくてはならず、細かくなくてはなりません。」

講師「この問題を...

     ...マトリックス上のデータだけを使って技術的矛盾を解決してほしいのです。

    パガニーニは一本の弦だけでコンサートを演奏しました。

    切れた弦を取り替えることができなかったからではなく...

     ...一本の弦だけで演奏する技術と能力をあわせ持っていたからです。

    これと同じことが君にもあてはまるかも知れません。

    一つの表だけで問題を解いてみてください。

    改善しようとしているものは何でしょうか?

学生「たぶん、フィルターの寿命です。」

講師「そうですね。」

学生「多数のフィルターを重ねてみるというのは?」

講師「この解決策では何が失われてしまうでしょうか?」

学生「簡潔さです。」

講師「そうですね。複雑さが増大してしまいますね。

    これは矛盾です。

    動作の継続性が対立します...

     ...解決策の複雑さと。

    表を見てください。

    どのような原理が記載されていますか?」

学生「28d

    強磁性粒子を含む場を利用する。」

講師「そうです、これはちょうど対応します...

     ...この問題の制御方法に関する答えに。

    次の原理は何ですか?」

学生「逆にしてみる。」

講師「そうです。逆発想原理です。」

学生「フィルターの粒子が外側になければ...

     ...そして磁石が内側に。」

講師「逆にしたんですね。

    この考え方に対する二つの特許が与えられました。

    これらの特許時期は7年間離れていました。

    君たちはどれだけの時間を使いましたか?」

学生「1、2分です。」

講師「どれだけ違うでしょうか...

     ...この問題の解決に1日、1時間あるいは1週間かかったとして?

    重要なのは、何年もの歳月が失われなかったということです。

    何年もの歳月が失われた例がたくさんあるのです。

    これらの発明はみな遅れました。

    これがそのひとつの例です。

    大変優れた発明です。

    課題は岩または石炭を粉砕することです。

    掘削孔が開けられて液体が注入されました。

    当初、液体しか使われませんでした。

    その後、脈動流体を注入できることが判明しました。

    この発明では共鳴は考慮されませんでした。

    ポンプが発生させることのできる衝撃についてだけで、

    誰一人として共鳴ということばについて考えすらしませんでした。

    時が過ぎました。

    どれだけの時間を要したと思いますか...

     ...共鳴、すなわち固有振動数の利用について考えるようになるまでに?」

学生「多分、1年以下でしょう。」

講師「いえ、1年以上 ... 実に6年間です!

    二つの特許の間が6年です。」


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