2010年1月31日日曜日

「第1回イスラエルTRIZコンファレンス」の概要[4/5]

学校および大学におけるTRIZ:

「創造性と教育」
Yuli Tamir教授, イスラエル国会(Knesset)議員

 Yuli Tamir教授は第1回イスラエルTRIZコンファレンスに特別ゲストとして招かれ、前文部大臣の立場からイスラエル国会議員および教育政策を代弁して講演しました。
 話の中で、Yuli Tamir教授は以下のテーマについて説明しました:
• 正規教育には学校で創造性を開発するために必要な "エンジン" が備わっていない
• イスラエルの教育システムにおける正規教育と創造性教育の適切な組み合わせはどうあるべきか?
• イスラエルの指導プログラムには "創造的思考能力" のための新しい方法論を組み込むべきである

2010年1月30日土曜日

「第1回イスラエルTRIZコンファレンス」の概要[3/5]


産業におけるTRIZ:

「体系的発明思考による創造的技術解決策」
Gady Golan教授, Holon工科大学 工学部長

 この講演は構造化アルゴリズムによる体系的発明思考の可能性に関するものです。
 この体系的な思考方法は20世紀になされた数多くの発明を後押ししています。
 "発明的思考ツール" を用いて問題に対する解決策を見つけることの本旨はシステム内の根本的矛盾を探すことにあります。
 この根本的矛盾およびそれを明らかにする方法が私たちの新しいコースの核心をなしています。
 ここ Holon工科大学では、発明的思考コースを "起業家精神およびマーケティング" とともに、将来の "技術リーダーシッププログラム" を完成させる工学カリキュラムの統合部分とすることにしました。

「Intel TRIZ物語」
Amir Roggel, Intel Systematic Innovation, TRIZリーダー

 Intelは半導体産業におけるリーダーです。40年間の革新実績と数多くの国々や地域における国際的存在感を有しているが故に体系的革新手法やTRIZの導入が難しくなっています。
 この講演ではIntelの21世紀に向けた革新ビジョンおよび進歩的な半導体企業における典型的な問題解決ニーズにハイライトを当てています。
 Intel社におけるTRIZの進展と普及方法についてお話しし、TRIZ適用事例を紹介します。
















「イスラエルの産業における光学レンズの改良事例」
Dr. Alex Chernobelsky

 接眼レンズの製造過程において微細な破片が生じ、製品のかなりの割合を損傷してしまっていました。この問題は、TRIZの問題解決手法を用いてレンズの研磨材料をガラスから剛性ポリマーに変えることにより解決しました。

「リバースTRIZ意味解析で研究開発から生産への移転リスクを低減する」
Alex Talalyevsky, 製造開発エンジニア, Intel

 どのような製造業あるいはビジネスにとっても不具合を規定して正確に予測することは重要です。このことは、ハングリーな市場が主要製品を待っている、研究所から製造工場への移転段階において予期しない驚きに見舞われるのを防ぐために最も役立ちます。あらゆる商品製造においてこの初期段階では通常、リスクを低減するために、ツール、プロセス、品質管理システム、支援手段を研究所で開発されたとおりに製造工場へ迅速かつ高品質に移することが必要となります。この段階は通常、変更には向かない時期とされています。従って、リスク・アセスメントの予測と精度のレベルは不具合時のトラブル解決作業に備える準備のレベルと同等であるべきです。現在利用されている標準的なFMEAはここ何年間も進化しておらず、不具合発生時に必要な解決策をどのように見つけて作り出すかを示してくれないという点で産業界の最新の要求には応えてくれていません。
 TRIZ FMEAソフトウェアを実際に使ってみて、上述した要求のすべてに応えてくれる完備したツールであることが分かりました。この講演ではIntelのとある製造現場における実際のプロジェクトでのTRIZ FMEAの使用例を示します。このプロジェクトでは、意味解析と発想転換を用いることにより、ごくわずかなプロセス上の修正が最大限の効果に結び付くことのできる個所を特定できました。実例の詳細の一部は、Intelの知的所有権を保護するために一般化してあります。

 この事例では以下の点について説明しています:
• TRIZ手法は、現在のあらゆる大量生産業における研究開発から生産への移転リスクの低減に利用可能です。
• TRIZ FMEAは製造現場のニーズ、可能性、BKMに応えてくれます。
• TRIZ分析ツールは製造工場の人材の専門性を短期間で高めてくれます。
• TRIZ FMEAは製品の順次的な製造または輸送に従事するあらゆる産業に適合しています。
• TRIZ FMEAは大量生産業におけるTRIZ融合に対して重要な節目となります。

2010年1月29日金曜日

「第1回イスラエルTRIZコンファレンス」の概要[2/5]

TRIZ 理論および手法 - さまざまな科学分野からの講演:

「工業数学と体系的発明思考法」
Adir Pridor, Ph.D. Industrial Mathematics LTD 社長兼CEO

 工業数学のかなめは実際の環境を適切に表わす数理モデルを作ることであり、これにより新たな解決策や見識に対する必要性を提示することができます。この抽象化作業は体系的発明思考法(Systematic Inventive Thinking - SIT)と共通の特筆すべき特徴をいくつか持っています。数理モデルのこのような側面について、実際の適用例から、生産計画、デイケア管理、交通整理などいくつかの事例を取り上げて説明します。

「発明的な思考: 誰がいつ行うか」
Shulamith Kreitler教授, テル・アビブ大学 心理学科

 この講演は、発明的な思考をする傾向のある人と、どちらかといえば創造的な思考をする傾向のある人の認知的および人格的な特性を識別することに焦点を合てたものです。認知的な特性は意味理論(Theory of Meaning, Kreitler & Kreitlerが構築)の観点から調査し、動機付け過程は認知定位理論(Cognitive Orientation Theory, Kreitler & Kreitlerが構築)の観点から調査しました。創造的な思考が個人の主観的な意味と個人間で共有される意味それぞれの根拠をなす行為に対してバランスをとって注視するという特徴があるのに対し、発明的な思考は個人間で共有される意味の特性を示す行為に大部分頼っていることが明らかになりました。また、創造的な思考が動機的には主に、社会全体への貢献によって補完される心の内と要求への働きかけに頼っているのに対し、発明的な思考はむしろ、外界や自分の環境における実需に焦点を合わせた、より機能指向的な動機付けに頼っています。重要な結論としては、発明的な思考と創造的な思考はそれぞれが関与する認知過程においてもそれぞれの根底にある動機付けについても異なるけれども、いずれの思考型も必要であり、焦点を絞って介入することにより両者を推進できそうだということが挙げられます。

「生物模倣技術とTRIZ」
Dr. Sara Greenberg, Holon工科大学 工学部

 形状、大きさ、音、色や反応などは、カムフラージュ、警告、誘引や生存などの生体機能の遂行に用いられる自然のパラメーターのごく一部に過ぎません。
 現存する自然の現象や効果を問題解決やシステム開発の手助けとして利用することは TRIZの基本的な考えのひとつです。生物模倣はこのような手助けのひとつとしてあげられます。生物模倣は数多くの自然の解決策のひとつであり、工学、建築、医学、バイオテクノロジーや航空など様々な技術分野においていくつもの問題に対する解決策の原型として用いられてきました。技術者は、生物模倣による解決策から、システムパラメーター調和の法則(「あらゆる効果的な技術システムの存在に必要な条件は、それが関与するパラメーター間の調和である」)を身近にそして効果的に理解できます。
「失敗の原因としての組織のビジョンと目標、そしてそれをTRIZで克服する方法」
Ido Lapidot, Intel Systematic Innovation, TRIZリーダー

 大多数の組織はその独自の文化を築きがちです。この文化が組織の一部である個人やチームの行動に影響を及ぼし、思考のパターンやパラダイムをそのうち作り上げます。これらのパラダイムのせいで、組織が可能性ある他の選択肢に気付かずに何度も同様の決定を繰り返すようになってしまうと問題が生じます。やがて、組織はそれが有する資産、製品およびサービスを活用した最大限の可能性を発揮できない危険にさらされて無駄を生じ、競争相手に機会を与えてしまうことになります。
 標準的な経営ビジョンのピラミッドへTRIZの概念を組み入れることにより、組織がその "正しい" ビジョンとミッションを見つけるのを手助けできます。
 相反する二つの次元を用いて組織の目標や指針を策定することにより、心理的惰性という形で現れる "致命的問題" を回避して組織の価値を上げ続けられるのに対し、一次元的な目標設定ではひとつの主要領域にだけ注視してしまい、やがて、組織価値を低下させてしまう危険性をはらんでいます。

「脊椎圧迫骨折治療用の新たな骨セメントの開発」
Ronen Shavit, 研究開発エンジニア, NMB

 脊椎圧迫骨折用の一般的な治療法を椎体形成術と言いますが、これはポリメチル・メタクリレート(polymethylmethacrylate - PMMA)、骨セメント、造影剤の混合物を蛍光透視法により椎体内へ注入することにより行います。米国で開発された別の治療法である亀背形成術(Kyphoplasty)では空気注入式の骨栓(bone tamp)を圧搾された椎体内へ挿入し、圧搾された椎骨を持ち上げます。バルーンの膨張により空洞ができるので、それをPMMAベースの骨セメント混合物で満たします。これらの治療法に共通する主な不都合は、PMMA骨セメントが漏れ出てしまうことです。高粘度の骨セメントは、椎体形成術による治療全体を通じて高粘度を保てるという理由によりその使用が提案されました。高粘度の骨セメントを使うもう一つの利点は、治療時間が短縮できるため、外科医が一度の手術で複数の椎骨を治療できるということです。

2010年1月28日木曜日

「第1回イスラエルTRIZコンファレンス」の概要[1/5]

TRIZ チュートリアル:

「TRIZ 概観」
Isak Bukhman, Altshuller Institute副会長, TRIZマスター

 この講演の主たる目的は幅広い層の聴衆にTRIZの考え方や視点を紹介することにありました。以下の3つの方向にハイライトが当てられました:
1. TRIZの概観と主な考え方
2. TRIZの適用対象
3. TRIZ活用による恩恵















「プロジェクト創出と問題解決のためのTRIZ革新ロードマップ」
Isak Bukhman, Altshuller Institute副会長, TRIZマスター

 この講演の主たる目的は、プロジェクト創出と問題解決のために、TRIZの各要素を、他の実績ある方法と組み合わせてどのように使うのか示すことにありました。TRIZの価値革新ロードマップは、個々のプロジェクト革新ロードマップを創出するための基本情報源となります。

2010年1月27日水曜日

「第1回イスラエルTRIZコンファレンス」のご報告

●参加者: 約200名
●聴衆内訳: ~65% イスラエルの各種産業を代表する会社の社員
        ~20% イスラエルの大学や研究所の教員や研究員
        ~10% TRIZに関連するサービスの提供者

 会場となったHolon工科大学のGady Golan工学部長は同学における "Technology Leaders" プログラムを紹介しました。このプログラムには以下の3コースが含まれています:

1. 起業家精神、マーケティング、事業計画戦略 
2. 「TRIZの手法と応用」
3. 交渉技術およびコミュニケーション能力の開発

●発表内容

TRIZ Tutorials:

TRIZ Overview by Isak Bukhman, VP of Altshuller Institute, Master of TRIZ
TRIZ Innovation Roadmaps for Projects Creation & Problem Solving by Isak Bukhman, VP of Altshuller Institute, Master of TRIZ

TRIZ theory and methodology - lectures from different science disciplines:

Industrial Mathematics and Systematic Inventive Thinking by Adir Pridor, Ph.D. President and CEO Industrial Mathematics LTD
Inventive thinking: Who and when by Prof. Shulamith Kreitler, Tel-Aviv University, Department Psychology
Biomimicry Technology and TRIZ by Dr. Sara Greenberg, the Faculty of Engineering, Holon Institute of Technology
Organization Vision & Targets as a Cause of Failure and Ways to overcome it with TRIZ by Ido Lapidot, Intel Systematic Innovation, TRIZ leader
The Development of Novel Bone Cement for Treatment of Vertebral Compression Fractures (VCFs) by Ronen Shavit, R&D Engineer, NMB

TRIZ in Industry:

Creative technological solutions using systematic inventive thinking by Prof. Gady Golan, Dean of the Faculty of Engineering, Holon Institute of Technology
Intel TRIZ story by Amir Roggel, Intel Systematic Innovation, TRIZ leader
A case study of improving optical lenses in Israeli industry by Dr. Alex Chernobelsky.
Reduce R&D to Production Transfer Risk by Reverse TRIZ Semantic Analysis by Alex Talalyevsky, Manufacturing and Development Engineer, Intel

TRIZ in Schools and Universities:
Creativity and Education by Prof. Yuli Tamir, member of the Israeli parliament (The Knesset)

TRIZ master panel:
“Is TRIZ a science?” and “how TRIZ is represented in the educational area?”, Vladimir Petrov, Yehuda Stupniker, and Isak Bukhman

2010年1月26日火曜日

シャッター(ガラリ)

 前回に引き続き、今回もクラス2「システムの進化」に属する標準解法の紹介です:

・標準解法2-2-4 「システムの柔軟性の向上」

 物質-場システムの可動性を向上(すなわち、自由度を増大)させて、より柔軟で素早く変化するシステムへ遷移させることにより、物質-場システムの効率を改善することができます。






標準解法2-2-4 システムの柔軟性の向上

●例「シャッター(ガラリ)」

 ヨーロッパでは日差しをさえぎるために両開き窓の外側に両開きのシャッター(ガラリ)を付けたりします(下図)。でも、日差しの強さや太陽の高さに対応できないと、部屋の中が暗くなりすぎたりしますよね。

 屋内に差し込む光を太陽の状況に応じて調整するにはどうすればよいでしょうか?











シャッター(ガラリ)

・解決策:

 この状況の物質-場モデルは、左下図のように、太陽光(S1)、シャッター(S2)およびこれらの間に作用する電磁的場で表わすことができます。シャッターを用いて、電磁的場により太陽光が部屋の中に差し込まないようにします。標準解法2-2-4を適用して、シャッターの柔軟性を向上させることになります。でも、どうすれば柔軟性を向上させることができるでしょうか? シャッターの羽根板を動かせるようにすると良さそうですね(右下図)。






シャッター(S2)に標準解法2-2-4を適用した例

 日差しの強さや太陽の高さに応じて羽根板の角度を調整すれば、部屋の中をちょうど良い明るさに保つことができるでしょう(下図)

可動式シャッター

Copyright notes

This book has been developed in the frame of the TETRIS project funded by the European Commission—Leonardo da Vinci Programme.
The partners of the project consortium are:
AREA Science Park (Italy) www.area.trieste.it (project coordinator)
ACC Austria Gmbh (Austria) www.the-acc-group.com
European Institute for Energy Research - EIfER (Germany) www.eifer.uni-karlsruhe.de
Fachhochschule Kärnten (Austria) www.fh-kaernten.at
Harry Flosser Studios (Germany) www.harryflosser.com
Higher Technical College Wolfsberg (Austria) www.htl-wolfsberg.at
Jelgava 1. Gymnasium (Latvia) www.1gim.jelgava.lv
Siemens AG, Sector Industry, Industrial Automation and Drive Technology (Germany) w1.siemens.com/entry/cc/en/
STENUM Environmental Consultancy and Research Company Ltd (Austria) www.stenum.at
Technical Institute for Industry “Arturo Malignani” (Italy) www.malignani.ud.it
The educational center for adults of Jelgava (Latvia) www.jrpic.lv
University of Florence (Italy) www.dmti.unifi.it

2010年1月25日月曜日

フライパンのふた

 前回に引き続き、今回もクラス2「システムの進化」に属する標準解法の紹介です:

・標準解法2-2-3 「固体物質の多孔質物質への置き換え」

 物質-場モデル内の固体物質を多孔質物質へ置き換えることにより、物質-場システムの効率を改善することができます。







標準解法2-2-3 固体物質の多孔質物質への置き換え

●例「フライパンのふた」

 冷凍魚をフライパンで揚げると熱い油が飛び散って火傷したり周りを汚したりしかねませんね。こうならないためにふたをしたりします(下図)。でも、ふたをするとフライパンの中にこもった煙が魚に付き、味が悪くなってしまいます。

 油は飛び散らないし、煙もこもならいようにするにはどうすればよいでしょうか?







フライパンのふた

・解決策:

 この状況の物質-場モデルは、左下図のように、揚げ油(S1)、ふた(S2)およびこれらの間に作用する機械的場で表わすことができます。機械的場を用いて、ふたで揚げ油がフライパンの外に飛び出ないようにしています。標準解法2-2-3を適用して、固体物質であるふたを多孔質物質に置き換えることになります。でも、どのような多孔質物質に置き換えればよいのでしょうか? 目の細かい網など良さそうですね(右下図)。







フライパンのふた(S2)に標準解法2-2-3を適用した例

 (気体である)煙は網を通過できるでしょうし、目を充分細かくすれば、(液体である)油の飛び散りを網がおさえてくれるでしょう(下図)
目の細かい網

Copyright notes

This book has been developed in the frame of the TETRIS project funded by the European Commission—Leonardo da Vinci Programme.
The partners of the project consortium are:
AREA Science Park (Italy) www.area.trieste.it (project coordinator)
ACC Austria Gmbh (Austria) www.the-acc-group.com
European Institute for Energy Research - EIfER (Germany) www.eifer.uni-karlsruhe.de
Fachhochschule Kärnten (Austria) www.fh-kaernten.at
Harry Flosser Studios (Germany) www.harryflosser.com
Higher Technical College Wolfsberg (Austria) www.htl-wolfsberg.at
Jelgava 1. Gymnasium (Latvia) www.1gim.jelgava.lv
Siemens AG, Sector Industry, Industrial Automation and Drive Technology (Germany) w1.siemens.com/entry/cc/en/
STENUM Environmental Consultancy and Research Company Ltd (Austria) www.stenum.at
Technical Institute for Industry “Arturo Malignani” (Italy) www.malignani.ud.it
The educational center for adults of Jelgava (Latvia) www.jrpic.lv
University of Florence (Italy) www.dmti.unifi.it

2010年1月24日日曜日

ねじ回し

 前々回に引き続き、今回もクラス2「システムの進化」に属する標準解法の紹介です:

・標準解法2-2-2 「物質の分割度の増大」

 物質-場システムでツールの役割を果たす物質の分割度を増大することにより、物質-場システムの効率を改善することができます。分割度の増大が進んでいくと、究極的にはその機能を提供することのできる新たな場がツールに取って代わることになります。






標準解法2-2-2: 物質の分割度の増大

●例「ねじ回し」

 いろいろな種類のねじに対応できるようにするためには、多数のねじ回しを用意しなければなりません(下図)。
 かさばらなくて持ち運びが便利にするにはどうすればよいでしょうか?









各種ねじ用のねじ回し

・解決策:

 この状況の物質-場モデルは、左下図のように、ねじ(S1)、ねじ回し(S2)およびこれらの間に作用する機械的場で表わすことができます。機械的場を用いてねじ回しでねじを締めたりゆるめたりします。標準解法2-2-2を適用してツールであるねじ回しの分割度を増大することになります。でも、ねじ回しの分割度を増大するとはいったいどのようなことを意味するのでしょうか? 本体と先端を分割して先端を付け替え可能にすることなどが考えられます(右下図)。







ねじ回し(S2)に標準解法2-2-2を適用した例

 柄の部分などを共有化すれば、かさばらないので持ち運びにも便利ですね(下図)
先端が付け替え可能なねじ回し

Copyright notes

This book has been developed in the frame of the TETRIS project funded by the European Commission—Leonardo da Vinci Programme.
The partners of the project consortium are:
AREA Science Park (Italy) www.area.trieste.it (project coordinator)
ACC Austria Gmbh (Austria) www.the-acc-group.com
European Institute for Energy Research - EIfER (Germany) www.eifer.uni-karlsruhe.de
Fachhochschule Kärnten (Austria) www.fh-kaernten.at
Harry Flosser Studios (Germany) www.harryflosser.com
Higher Technical College Wolfsberg (Austria) www.htl-wolfsberg.at
Jelgava 1. Gymnasium (Latvia) www.1gim.jelgava.lv
Siemens AG, Sector Industry, Industrial Automation and Drive Technology (Germany) w1.siemens.com/entry/cc/en/
STENUM Environmental Consultancy and Research Company Ltd (Austria) www.stenum.at
Technical Institute for Industry “Arturo Malignani” (Italy) www.malignani.ud.it
The educational center for adults of Jelgava (Latvia) www.jrpic.lv
University of Florence (Italy) www.dmti.unifi.it

2010年1月23日土曜日

ヒーター

 

 前回に引き続き、今回も標準解法2-1-2 「二重物質-場システムの合成」例の紹介です:

●例「ヒーター」

 オイルヒーターは、放熱器で空気を暖めて対流させます(下図)。
放熱器の上部から出た熱風は部屋をめぐる間にさめて再び放熱器の下部に到達します。これで部屋を暖めることはできるのですが、かなり時間がかかってしまいます。
 もっと早く暖めるにはどうすればよいでしょうか?











オイルヒーター

・解決策:

 この状況の物質-場モデルは、左下図のように、部屋(S1)、放熱器(S2)およびこれらの間に作用する温度場で表わすことができます。温度場を用いて放熱器で部屋を暖めます。この機能自体は有用なのですが、充分とは言えません。標準解法2-1-2を適用してこの状況を改善するためには、二重物質-場モデルに変えることになります。そのために、新たな場を加えてみます。新たな場の例としては、機械的場などが考えられます(右下図)。









放熱器(S2)の効率改善に標準解法2-1-2を適用した例

 ファンを使えば、熱風を早く行き渡らせることができますね(下図)



ファンヒーター

Copyright notes

This book has been developed in the frame of the TETRIS project funded by the European Commission—Leonardo da Vinci Programme.
The partners of the project consortium are:
AREA Science Park (Italy) www.area.trieste.it (project coordinator)
ACC Austria Gmbh (Austria) www.the-acc-group.com
European Institute for Energy Research - EIfER (Germany) www.eifer.uni-karlsruhe.de
Fachhochschule Kärnten (Austria) www.fh-kaernten.at
Harry Flosser Studios (Germany) www.harryflosser.com
Higher Technical College Wolfsberg (Austria) www.htl-wolfsberg.at
Jelgava 1. Gymnasium (Latvia) www.1gim.jelgava.lv
Siemens AG, Sector Industry, Industrial Automation and Drive Technology (Germany) w1.siemens.com/entry/cc/en/
STENUM Environmental Consultancy and Research Company Ltd (Austria) www.stenum.at
Technical Institute for Industry “Arturo Malignani” (Italy) www.malignani.ud.it
The educational center for adults of Jelgava (Latvia) www.jrpic.lv
University of Florence (Italy) www.dmti.unifi.it

2010年1月19日火曜日

ズボンプレッサー

  

 前回に引き続き、今回もクラス2「システムの進化」に属する標準解法の紹介です:

・標準解法2-1-2 「二重物質-場システムの合成」

 二重物質-場システムは、平行する二つの場の影響を物質が受ける複合システムです。

 物質-場システムの構成要素を置き換えられない場合には、制御しやすい場を加えて二重物質-場システムを形成することにより、物質-場システムの効率を改善することができます。









標準解法2-1-2: 二重物質-場システムの合成

●例「ズボンプレッサー」

 初期のズボンプレッサーはズボンを両側の板ではさみこんで圧力をかけることによりしわを伸ばそうとするものでしたが、あまりきれいに伸びてはくれませんでした(下図)。
 もっときれいにしわを伸ばすにはどうすればよいでしょうか?











初期のズボンプレッサー

・解決策:

 この状況の物質-場モデルは、左下図のように、ズボンの布(S1)、板(S2)およびこれらの間に作用する機械的場で表わすことができます。機械的場を用いて板で布に圧力をかけます。この機能自体は有用なのですが、充分とは言えません。標準解法2-1-2を適用してこの状況を改善するためには、二重物質-場モデルに変えることになります。そのために、新たな場を加えてみます。新たな場の例としては、温度場などが考えられます(右下図)。








板(S2)の効率改善に標準解法2-1-2を適用した例

 板を熱すれば、きれいにしわを伸ばすことができますね(下図)
最近のズボンプレッサー

Copyright notes

This book has been developed in the frame of the TETRIS project funded by the European Commission—Leonardo da Vinci Programme.
The partners of the project consortium are:
AREA Science Park (Italy) www.area.trieste.it (project coordinator)
ACC Austria Gmbh (Austria) www.the-acc-group.com
European Institute for Energy Research - EIfER (Germany) www.eifer.uni-karlsruhe.de
Fachhochschule Kärnten (Austria) www.fh-kaernten.at
Harry Flosser Studios (Germany) www.harryflosser.com
Higher Technical College Wolfsberg (Austria) www.htl-wolfsberg.at
Jelgava 1. Gymnasium (Latvia) www.1gim.jelgava.lv
Siemens AG, Sector Industry, Industrial Automation and Drive Technology (Germany) w1.siemens.com/entry/cc/en/
STENUM Environmental Consultancy and Research Company Ltd (Austria) www.stenum.at
Technical Institute for Industry “Arturo Malignani” (Italy) www.malignani.ud.it
The educational center for adults of Jelgava (Latvia) www.jrpic.lv
University of Florence (Italy) www.dmti.unifi.it

2010年1月18日月曜日

パンナイフ

 前回まではクラス1「作用の改善および有害作用の除去」 に属する標準解法でしたが、今回はクラス2「システムの進化」に属する標準解法の紹介です:

・標準解法2-1-1 「連鎖物質-場システムの合成」

 連鎖物質-場システムは、少なくともひとつの物質が二つの異なる場を生成してその影響を受ける複合システムです。

 物質-場作用の一部を独立に制御可能な物質-場に変えて連鎖物質-場システムを形成することにより、物質-場システムの効率を改善することができます。






標準解法2-1-1: 連鎖物質-場システムの合成

●例「パンナイフ」

 パンを切る時、ナイフを持った腕を前後および上下に何度も動かさなければならず、おまけに必ずしもきれいに切れるとは限りません。
 どうすれば楽にきれいに切ることができるでしょうか?








一般的なパンナイフ

・解決策:

 この状況の物質-場モデルは、左下図のように、パン(S1)、ナイフ(S2)およびこれらの間に作用する機械的場として表わすことができます。機械的場を用いてナイフでパンを切ります。この機能自体は有用なのですが、充分とは言えません。標準解法2-1-1を適用してこの状況を改善するためには、ツール(この場合はナイフ)を新たな独立した物質-場モデルに変えることになります。そのために、新たな物質(S3)と刃に働く場を加えてみます。新たな物質の例としては、機械的場を用いて刃に往復運動させるモータなどが考えられます(右下図)。


ナイフ(S2)の効率改善に標準解法2-1-1を適用した例

 刃の往復運動をモータに任せれば、きれいに切ることに専念できますね(下図)
電動ナイフ

Copyright notes

This book has been developed in the frame of the TETRIS project funded by the European Commission—Leonardo da Vinci Programme.
The partners of the project consortium are:
AREA Science Park (Italy) www.area.trieste.it (project coordinator)
ACC Austria Gmbh (Austria) www.the-acc-group.com
European Institute for Energy Research - EIfER (Germany) www.eifer.uni-karlsruhe.de
Fachhochschule Kärnten (Austria) www.fh-kaernten.at
Harry Flosser Studios (Germany) www.harryflosser.com
Higher Technical College Wolfsberg (Austria) www.htl-wolfsberg.at
Jelgava 1. Gymnasium (Latvia) www.1gim.jelgava.lv
Siemens AG, Sector Industry, Industrial Automation and Drive Technology (Germany) w1.siemens.com/entry/cc/en/
STENUM Environmental Consultancy and Research Company Ltd (Austria) www.stenum.at
Technical Institute for Industry “Arturo Malignani” (Italy) www.malignani.ud.it
The educational center for adults of Jelgava (Latvia) www.jrpic.lv
University of Florence (Italy) www.dmti.unifi.it

2010年1月4日月曜日

上着

 

 前回まではクラス1-1「物質-場の合成と改善」に属する標準解法でしたが、
今回はクラス1-2「有害作用の除去」に属する標準解法の紹介です:

・標準解法1-2-2 「既存物質の改良による有害作用の除去」

  有害作用の除去は、悪さをしようとするツールが作用対象に対して、望ましくない効果を何も及ぼさないように物質-場システムを改良することにより行います。

 物質-場モデル内の二つの物質間に有用な作用と有害な作用が働いていて、この二つの物質を接触させなくてもよい場合、これらの間に、第一または第二の物質を改良して得られる第三の物質を挿入することにより問題を解決できます。









標準解法1-2-2: 既存物質の改良による有害作用の除去

●例「上着」

 外が寒い時、上着とかレインコートなどを着ますよね。私たちの体は実は立派な熱源であり、上着は冷たい外気を断熱してくれます。でも、特定の状況では、たとえば運動したりすると、体内の温度が上がって汗が出てきたりします。そうすると、湿気が上着の中に閉じ込められてしまいます(下図)。
 上着の中の湿気を逃がすためにはどうすればよいでしょうか?









・解決策

 この例では、上着は二つの作用をします: まず、外気から体を断熱するという有用な作用、そしてもうひとつは、湿気の排出を阻止するという有害な作用です。これは、物質-場的には、左下図のように、S1の上着が温度場を介して体を断熱すると同時に湿らしてしまうモデルとして表せます。
 体の特性を変えるのはかなり大変でしょうから、S1のほうしかいじれませんね。これを何とか改良して湿気がたまらないようにしてみましょう(右下図)。










S1が生じる二次的有害作用の除去に標準解法1-2-2を適用した例

 暖気は上昇するので、上着の肩口に特殊な薄膜を設けることにより問題を解決できます(下図)








Copyright notes

This book has been developed in the frame of the TETRIS project funded by the European Commission—Leonardo da Vinci Programme.
The partners of the project consortium are:
AREA Science Park (Italy) www.area.trieste.it (project coordinator)
ACC Austria Gmbh (Austria) www.the-acc-group.com
European Institute for Energy Research - EIfER (Germany) www.eifer.uni-karlsruhe.de
Fachhochschule Kärnten (Austria) www.fh-kaernten.at
Harry Flosser Studios (Germany) www.harryflosser.com
Higher Technical College Wolfsberg (Austria) www.htl-wolfsberg.at
Jelgava 1. Gymnasium (Latvia) www.1gim.jelgava.lv
Siemens AG, Sector Industry, Industrial Automation and Drive Technology (Germany) w1.siemens.com/entry/cc/en/
STENUM Environmental Consultancy and Research Company Ltd (Austria) www.stenum.at
Technical Institute for Industry “Arturo Malignani” (Italy) www.malignani.ud.it
The educational center for adults of Jelgava (Latvia) www.jrpic.lv
University of Florence (Italy) www.dmti.unifi.it

2010年1月3日日曜日

サンバイザー

 三が日最後も標準解法の紹介です:

・標準解法1-1-8-1 「最大場と保護物質による選択的効果」

 ある特定の場が物質(対象物)に及ぼす効果を対象物の異なる場所で変えたい場合、作用の選択的効果が必要となります。
 ある対象物に働く有用な場の効果を場所によって変えたい場合、対象物全体に対して最大場を働かせ、効果を減らしたい場所には保護物質を持ち込みます。










標準解法1-1-8-1: 最大場と保護物質による選択的効果

●例「サンバイザー」

 最近の車のフロントガラスは外がよく見えるように大きめに作られています。そのため、特に夏場など、陽が高く、日差しが強いときには、ドライバーや助手席の人の顔に直射日光が当たり過ぎてしまいます。

・解決策:
 左下図は電磁波である日光が車内に降り注ぐ様子を示したモデルです。
車内の一部(ドライバーや助手席の人の顔があるところ)では光が強すぎます。
標準解法1-1-8-1に従って、望ましくない場所では場による効果を下げる物質を場と目の間に入れてみましょう(右下図)。







日常の問題に標準解法1-1-8-1を当てはめるた例

 フロントガラス上端の遮光帯ならば、視界を妨げることなく余分な日光をさえぎることができます(下図)











透明なフロントガラスの上の暗い遮光部が日差しを弱めて眩しさから解放してくれます

Copyright notes

This book has been developed in the frame of the TETRIS project funded by the European Commission—Leonardo da Vinci Programme.
The partners of the project consortium are:
AREA Science Park (Italy) www.area.trieste.it (project coordinator)
ACC Austria Gmbh (Austria) www.the-acc-group.com
European Institute for Energy Research - EIfER (Germany) www.eifer.uni-karlsruhe.de
Fachhochschule Kärnten (Austria) www.fh-kaernten.at
Harry Flosser Studios (Germany) www.harryflosser.com
Higher Technical College Wolfsberg (Austria) www.htl-wolfsberg.at
Jelgava 1. Gymnasium (Latvia) www.1gim.jelgava.lv
Siemens AG, Sector Industry, Industrial Automation and Drive Technology (Germany) w1.siemens.com/entry/cc/en/
STENUM Environmental Consultancy and Research Company Ltd (Austria) www.stenum.at
Technical Institute for Industry “Arturo Malignani” (Italy) www.malignani.ud.it
The educational center for adults of Jelgava (Latvia) www.jrpic.lv
University of Florence (Italy) www.dmti.unifi.it

2010年1月2日土曜日

スノータイヤ

 新春第二弾は標準解法の紹介です:

・標準解法1-1-2 「物質内へ添加物を入れることによる作用の向上」

 物質-場の改良とは、物質2(ツールまたは道具)と物質1(対象物または生成物)間の機能的作用の効果を、物質間に存在する主たる場を変えることなく、向上することを意味します。物質内に添加物を入れることにより作用を向上できます。












標準解法1-1-2: 物質内に添加物を入れることによる作用の向上

●例「スノータイヤ」
 道路が雪で覆われているときの車の運転は、 タイヤの付着力が非常に弱いので、危険です。

・解決策:
 左下図は道路とタイヤ間の不十分な作用を示したモデルです。
変える(向上する)べきパラメーターはタイヤと道路間の摩擦です。
標準解法1-1-2の指示に従って道路をしっかりととらえることができます:
作用効率向上のためにツールや対象物に添加物を入れてみましょう(右下図)。







「タイヤを支える」という有用な機能を向上するための標準解法1-1-2の適用例

 道路内に添加物を入れるよりもタイヤに何らかの物質S3を加えるほうが簡単です。
よく知られている例としてスパイク付きのスノータイヤがあげられます(下図)










スノータイヤへの標準解法1-1-2の適用例(添加物=スパイク)

Copyright notes

This book has been developed in the frame of the TETRIS project funded by the European Commission—Leonardo da Vinci Programme.
The partners of the project consortium are:
AREA Science Park (Italy) www.area.trieste.it (project coordinator)
ACC Austria Gmbh (Austria) www.the-acc-group.com
European Institute for Energy Research - EIfER (Germany) www.eifer.uni-karlsruhe.de
Fachhochschule Kärnten (Austria) www.fh-kaernten.at
Harry Flosser Studios (Germany) www.harryflosser.com
Higher Technical College Wolfsberg (Austria) www.htl-wolfsberg.at
Jelgava 1. Gymnasium (Latvia) www.1gim.jelgava.lv
Siemens AG, Sector Industry, Industrial Automation and Drive Technology (Germany) w1.siemens.com/entry/cc/en/
STENUM Environmental Consultancy and Research Company Ltd (Austria) www.stenum.at
Technical Institute for Industry “Arturo Malignani” (Italy) www.malignani.ud.it
The educational center for adults of Jelgava (Latvia) www.jrpic.lv
University of Florence (Italy) www.dmti.unifi.it

2010年1月1日金曜日

甲冑鎧下

 年始めは分離原理の紹介です:

・分離原理 「空間による分離」

 正反対の要求を場所によって分離しようという概念です。
 システムが相反する機能を実行したり相反する条件のもとで動作しなければならない場合には、システムをサブシステムに分けてみましょう。
 そして、相反する機能や条件をそれぞれのサブシステムに割り当てましょう。
 「空間による分離」の概念は「動作空間」という考え方に基づいています:
 正反対の要求がそれぞれどこで必要となるのかを明確にします。

●例「甲冑鎧下」

 中世の競技において騎士は傷を負わないようによろいを身に着けました(下図)。













http://www.costumearmour.com/cdshrek.htm

 しかし、観客を魅了するために装身具は見栄えがしなければなりませんでした。
 そこで、「魅力的なよろい」を開発する必要に迫られました。
 これは、以下のような物理的矛盾としてとらえることができます:

• よろいは、騎士を護るためには、金属製であるべき

  そして同時に

• よろいは、魅力的であるためには、金属製であるべきではない(布製であるべき)

 (内側で)「騎士を護る」機能の動作空間は「魅力的である」機能の動作空間と明確に分離できます。
 アイデアを見つけるのには「空間による分離」の概念が役に立ちそうです。
 
・解決策:

 「甲冑鎧下」というよろいは内側が金属、外側が布または皮でできています(下図)。











 15世紀の防弾チョッキといったところですね。


Copyright notes

This book has been developed in the frame of the TETRIS project funded by the European Commission—Leonardo da Vinci Programme.
The partners of the project consortium are:
AREA Science Park (Italy) www.area.trieste.it (project coordinator)
ACC Austria Gmbh (Austria) www.the-acc-group.com
European Institute for Energy Research - EIfER (Germany) www.eifer.uni-karlsruhe.de
Fachhochschule Kärnten (Austria) www.fh-kaernten.at
Harry Flosser Studios (Germany) www.harryflosser.com
Higher Technical College Wolfsberg (Austria) www.htl-wolfsberg.at
Jelgava 1. Gymnasium (Latvia) www.1gim.jelgava.lv
Siemens AG, Sector Industry, Industrial Automation and Drive Technology (Germany) w1.siemens.com/entry/cc/en/
STENUM Environmental Consultancy and Research Company Ltd (Austria) www.stenum.at
Technical Institute for Industry “Arturo Malignani” (Italy) www.malignani.ud.it
The educational center for adults of Jelgava (Latvia) www.jrpic.lv
University of Florence (Italy) www.dmti.unifi.it