ある質問が思い出されます:
世の中にペーパーワークではないことが果たしてあるのでしょうか。
実際、世の中に存在するほとんどすべての仕事において仕事と文書が別々になっています。
職場での仕事というものはそのようなものではないでしょうか。
以下の2つの条件さえ満たされば、ペーパーワークが非難される理由は無いと思います:
1. 嘘をつかないこと
2. 紙一枚に収まるような内容を2~3枚に引き伸ばさないこと
この二つの事項を守りさえすれば、ペーパーワークこそ真の仕事であると言えましょう。
まず仕事をしてから、報告書を作成しているうちに視覚化され、見逃している部分を指摘されることで、次は更に改善された仕事ができるようになるのです。
新入社員では仕事と文書の隔たりが最も大きく、30年以上のベテランでは両者がほとんど一致するようになります。
一方、創造性の分野で名高いデ・ボノ博士の水平思考の核心過程は次のような順番となっています:
ブレインストー ミング → グルーピング → 概念 → 代替案
そこで、まず、40の発明原理と分離の原理をブレインストーミングで適用してみます。
この作業により導出された解決策を分析してみると、どのような矛盾が存在していたのか確信が持てるようになります。
これが、グルーピングを介しての概念導出の活動となります。
このように確信を持って矛盾を導出するようになると、更に良い代替案を導き出すことができます。
飛行機の車輪の問題を物理的矛盾として定義し、既に出たアイデアが時間による分離に基づくものである場合には、空間による分離から更に他のアイデアを導き出すことができないでしょうか。
これが、デ・ボノ博士のいうところの代替案の段階です。
多くの企業のTRIZユーザーは、実際にはこのような過程を経て社内でTRIZの適用を進めています。
すなわち、アインシュタインが唱えたのと同じ筋道なのです。
最初から矛盾を見つけ出したのではなく、まず発明原理を適用して解決策を導き出したからこそ問題を定義することができたのです。
その上、このようにして矛盾を確信した後には、デ・ボノ博士の言うところの代替案段階のように、更に良いアイデアを導き出すことができたのです。
多くのエンジニアがこのように仕事をしてきており、これをTRIZ適用プロセスのレベル2としましょう。
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