ハ行
場 ― Field
TRIZでは、4つの基本場(磁場、重力場、弱い原子核場、強い原子核場)に加え、地球科学上周知のあらゆる相互作用により発生する場を取り扱います
発明原理 ― Inventive Principles
アルトシュラーのマトリックスによる提案に基づいてシステム矛盾を解決することによってシステムを修正するための抽象的なルール
発明的問題解決アルゴリズム ― Algorithm for Inventive Problem Solving, ARIZ
ARIZは "Algorithm for Inventive Problem Solving” に対応するロシア語(Алгоритм Решения Изобретательских Задач) の頭文字を表し、初期問題状況を分析してからTRIZの基本的な概念や手法を用いて最も効果的な解決策を創出するための順次的かつ論理的な手順の集まりであり、問題に対する解決策を創出するにあたり、TRIZにおける以下の3つの主要機能を果たします:
●問題に対する最善の解決策を創出するためのシステムとしてTRIZを用いる仕組みの提供(特に、ARIZ-85Cでは、問題分析の各ステップでTRIZのどの要素を使うかを示します)
●初期の問題記述から洗練されて革新的な解決策へ利用者を優しく導いてくれる、思考のための分析的アルゴリズムの提供
●心理的惰性による影響を取り除くことにより、利用者をより創造的かつ革新的にする
注: ARIZは、コンピューター用ではなく、人間の頭脳用のアルゴリズムです
発明的問題解決理論 ― Theory of Inventive Problem Solving, TRIZ
システム進化の法則および多数のエンジニアや科学者の成功事例に基づく技術であり、最も効果的な方法でシステムを開発するために作られました
パラメータ ― Parameter
ある条件のもとでは一定であるけれども、他の条件では異なり得る量
標準解法システム ― System of Standard Solutions
問題の物質-場モデルを解決案の物質-場モデルへ変形するために推奨される方法であり、変形の論理は、システム進化の法則に基づいています。
不完全な物質-場モデル ― Incomplete Substance-Field Model
3つの必須要素であるツール、プロダクトおよび場の何れかを欠く物質-場モデル
物質 ― Substance
ARIZ-85C、標準解法システム、物質-場分析における物質-場モデルの要素であり、プロダクトの生成、制御、測定、パラメータ変更を行うツール(S1)および制御、処理、変更が行われるプロダクト(S2
)の2種類があります。
物質-場分析 ― Substance-Field Analysis
問題の物質-場モデルを解決案の物質-場モデルに変形するための分析であり、物質-場構造の進化研究を含みます。
物質-場モデル ― Substance-Field Model
物質-場モデル(図3)は、 状況、問題そして解決策を抽象的な図式で表現します。
最も単純な物質-場モデルには以下の3つの基本構成要素が含まれます:
●第1物質(S1): プロダクトを生成するために使われる、あるいは、プロダクトのパラメータを制御、測定、変更するために用いられるツール
●第2物質(S2): 生成される、あるいは、そのパラメータが制御、測定、変更されるプロダクト
●場(F): ツールとプロダクトの間に働く作用において用いられるエネルギー
図3. 物質-場モデルは、3つの基本構成要素である物質S1(ツール)、物質S2(プロダクト)および場Fを含む:モデルであり、状況、問題そして解決策を表す
物理的矛盾 ― Physical Contradiction
システムの一つのパラメータに対する異なる値の間の対立(「熱くて冷たい」、「導電性で絶縁性」など)
物理量 ― Physical Quantity
測定可能な任意の特性
プロジェクト創造と問題解決のためのTRIZ革新ロードマップ ― TRIZ Innovation Roadmap for Project
Creation and Problem
Solving
TRIZの要素および他の科学や実績あるコンセプト開発技法の個別で適切な組み合わせであり、与えられたプロジェクトや問題に対する最良の成果を達成するために最も効果的です。
プロダクト ― Product
ARIZ-85C、標準解法システム、物質-場分析において、制御、処理、変更(例えば、移動、加工、屈曲、回転、加熱、膨張、充電、照明、測定、検出など)されるシステム構成要素
文明進化 ― Civilization Evolution
個人と人間社会の両方に対する生活の質の進化
分離原理群 ― Separation Principles
物理的矛盾解決のための一般的方法であり、同一パラメータの異なる値を時間、空間、条件、全体と部分などで分離します。
マ行
マクロレベルでの物理的矛盾 ― Physical Contradiction at the Macro-level
ARIZ-85C(ステップ3.3)において、対立空間全体のレベルで定式化された物理的矛盾(例えば、「対立空間は熱くて冷たくなければならない」)
ミクロレベルでの物理的矛盾 ― Physical Contradiction at the Micro-level
ARIZ-85C(ステップ3.4)において、対立空間の粒子に対して定式化された物理的矛盾(例えば、「対立空間が熱くて冷たい」ためには、対立空間内の粒子が「高速運動しながら静止していなければならない」)
ミクロレベル(ナノレベル)移行の法則 ― Law of Transition
to the Micro-level (Nano-level)
システムは、その構成要素(基本的にはその作動部)を分解する方向に進化していきます。
ミニ問題 ― Mini-problem
ARIZ-85Cにおいて、初期問題記述に対して制約条件(例えば、何一つ変更を加えない、あるいは単純化することにより、必要な作用(性質)が現れる、あるいは有害な作用(性質)が消える)を持ち込むことにより得られた結果
ヤ行
有益作用 ― Useful Action
システムの基本機能の実行に貢献する作用
有害機能 ― Harmful Function
基本機能の実行を妨げる機能
ラ行
理想システム ― Ideal System
以下の要求を考慮した実現可能な設計解により記述されたシステムの理想的なイメージ:
●ライフサイクルに渡るシステムの最低コスト
●システムに要する最小スペース
●システム動作に要する最小エネルギー
●システム構想から市場投入までに要する最短時間
●シックス・シグマ品質
理想性 ― Ideality
あるシステムに対し、システム進化の法則のすべてが完全に実現されたことを意味します。
理想性増大の法則 ― Law of Increasing Degree of Ideality
システム進化の主法則です。システムはその理想性を増大させる方向に進化します。その生涯を通じて以下により、信頼性を高め、簡素化され、効果を増し、完全な姿に近づいてゆきます:
●機能数の増大
●作動部への機能の移動
●上位システムへの機能の移動
●既存で利用可能な内外資源の活用
理想像 ― Ideal Image
システム進化の法則をすべて用いて創造したシステムの理想的なイメージ
理想的最終結果1 ― Ideal Final Result One
ARIZ-85C(ステップ3.1)において、理想的最終結果1の定式化は、有益な特性を達成(あるいは、有害な特性を除去)するために他の特性を悪化(あるいは、有害な特性を発生)させてはならないことを意味します。理想的最終結果1の定式化にはX要素が含まれています。
理想的最終結果2 ― Ideal Final Result Two
ARIZ-85C(ステップ3.5)において、理想的最終結果2の定式化は、動作時間中に動作空間において、選択した物質-場資源が、物理的に正反対のマクロまたはミクロの状態を提供することを意味します。
A~Z
X 要素 ― Element - X
ARIZ-85Cにおいて、ステップ1.6で作り出された問題モデル中の抽象的な構成要素であり、新たな物質でもなければ、システムの新たな要素でもありません。X要素は、既存のシステム、下位システムないしは上位システム(環境)の(時間、空間、物質、場を含む)構成要素に対するパラメータの任意の変更です。例えば、システムあるいはその環境のある構成要素の温度や相状態の変更が考えられます。出典: TRIZ Technology for Innovation ( http://www.trizsolution.com )
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