2010年6月30日水曜日

アンプル – 空間

●資源(時間 – 空間 – 物質 – 場)

 現存の廉価な資源を用いることによりシステムの理想性を高められます

► 現存の廉価な資源を用いることは、「最小限の経費と害で問題に対する解決策を見いだすことにより、より少ないものを用いてより多くのものをもたらす」というTRIZの基本思想のひとつです  

► 資源について考えることにより、どのようにしてあらゆる資源を見つけ、変換し、経費削減に目を向けながらも素晴らしくて気の利いた解決策を創出していけばよいのかを身につけることができます

●空間の資源

 システムまたはその周りに存在する(比較的)自由で(比較的)空いている空間

・例. アンプル – 空間

 アンプルは薬を液状に格納するのに用いられます。アンプルの首は密封するための炎を用いて溶かします。ガラスを溶かすために炎の温度はかなり高くなくてはならず、これに必要とされる高温が問題を生じます ― 薬を過熱してダメージを与えてしまうのです。

 空間に関連するパラメーターのひとつとして “アンプル底からの高さ” を選びます。

 ‘温度’ と ‘アンプル底からの高さ’ 間の依存関係を示すグラフを描いてみましょう。
 実際の ‘アンプル底からの高さ’ と ‘温度’ の関係において、炎がアンプルを密封するアンプルの天辺で温度が最も高く、底に向かうに従って次第に下がりはしますが、それでもまだ薬にダメージを与えてしまうほどの高温です。

‘アンプル底からの高さ’ とその位置における実際の ‘温度’ の関係

 容認可能な ‘アンプル底からの高さ’ と ‘温度’ の関係においては、炎がアンプルを密封するアンプルの天辺で温度が最も高く、底に向かうに従って急激に下がり、薬にダメージを与えることのない低温となります。

‘アンプル底からの高さ’ とその位置における容認可能な ‘温度’ の関係

  ここでは、アンプル底からの高さにおける異なる “部分” 間の対立する温度を分離するために空間の資源を利用します。

 アンプルを密封するためには首の部分の温度は高くなくてはなりませんが、薬にダメージを与えないためには温度は高くてはなりません(低くなくてはなりません)。

 もうお分かりですね – アンプルの首と薬の間に何かを取り込むことにより、過剰な伝熱が起こらないようにすれば良いのです。
 例えば、空気や水の流れなどが考えられます。

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