●基調講演の紹介
(1) 「OTSM(強力な思考の一般理論):
発展の経緯、理論的背景、諸技法、および活用分野」
Nikolai Khomenko (TRIZマスター、カナダ)
OTSM は、1975年にアルトシュラーが構想し、その後、ニコライ・ホーメンコが継承・開発したものです。クラシカルTRIZを根底から見直して、非技術の分野を含めて広い範囲で使えるものを目指したもので、複雑で大規模な問題の解決に適用できます。
同氏はまた、子どものための創造性教育の世界的リーダです。
(2) 「イランにおけるTRIZの活動:
TRIZの適用と普及による新しい全国的なパラダイムへの転換」
Mahmoud Karimi (IIITS、イラン)
驚いたことに、「TRIZ」について Googleでの検索を最も多数行っている国がイランなのです!!
イランでは1998年からTRIZの導入を始め、非営利民間の研究所IIITS がリードして、TRIZの理解と普及を図ってきました。テレビ、ラジオ、新聞を活用し、TRIZの考え方そのものの普及につとめ、社会における認知度が極めて高いといいます。
イランのこの若いリーダから学ぶことはきっと多いでしょう。
●チュートリアルの紹介
「TRIZを知ってみよう」
前古 護 氏 (アイデア社)
初日の午前10:00-12:00。 TRIZに初めての人への紹介です。
アイデア社は、日本全国のさまざまな分野の企業、大手から中堅・中小の企業まで、TRIZを本格的に導入・適用するためのサポートをしてきています。
今回は、
(1) なぜTRIZが必要とされているのか
(2) どのように考えて発想するのか
(3) TRIZを使った優れたアイデアの出し方
について話します。
具体的な考え方や実際の製品事例を通じて説明を進めます。
●テーマ講演 (5件) の紹介 [焦点の5分野を選び依頼しました]
(1) 「商品企画のためのTRIZの活用 - イノベーション創造型TRIZの構築 -」
澤口 学 教授 (早稲田大学)
日本の製造業が今後世界の競争の中でサバイバルしていくには、プロダクトイノベーションがどうしても必要です。TRIZは、技術進化の法則という考え方をベースにして、この課題に強力な方法を提供します。
(2) 「マネジャのためのTRIZ」
山口 和也 氏 (MOST合同会社)
TRIZを中心とする科学的な方法は、製品やプロセスの革新に有効であり、それは技術者が発明的課題解決に使う単なるツールを越えて、企業の組織的活動に欠かせない方法である。
マネジャとしてTRIZをどのように捉え、上層幹部や部下を納得させ、TRIZを使う環境をどのように作っていくべきか、について話す。
(3) 「TRIZ活用の知財戦略と実践」
片岡 敏光 氏 ((株)パットブレーン)
知財関係者は日本でのTRIZの導入初期からTRIZに注目してきた。ただ、それは技術部門での問題解決に使ってより多くの特許を出せることをねらいにした。そうではなくて、知財部門に大事なのは、TRIZを知財戦略に使う、自分たち自身が使うことである。
TRIZは経営戦略、技術戦略、知財戦略のベクトルの方向を整え、相互補完させる。
(4) 「ソフトウェア、ITのためのTRIZの活用法」
庄内 亨 氏 ((株) 日立製作所)、福嶋洋次郎 氏
TRIZはもともとハードの分野で開発されてきたから、用語や事例にもソフトウェアやITの分野にはぴったりしないものがある。このため、ソフトウェアやITへのTRIZの適用は、その入り口の所でつまずくことがあるが、経験を積むと、TRIZの本質はまったく同じように適用できることが分かってくる。
永年の実践をベースに話す。
(5) 「教育とTRIZ: 新しい展望のために」
中川 徹 教授 (大阪学院大学)
日本でのTRIZは、企業での技術者を中心に普及させてきているけれども、もっと教育の場に浸透させていくことが望まれる。
第一の課題は、大学レベルでの教育で、工学などの基礎教育と連携しつつ、TRIZの考え方や知識をきちんと教え、また研究の場を創ること。
第二の課題は、高校・中学・小学校などで、創造的に考える楽しさを経験を通じて理解させることであろう。生徒の興味やレベルに合わせて、内容ややり方を調整していく必要がある。
教育活動のいろいろな事例を話すが、まだまだ不足している。
http://www.osaka-gu.ac.jp/php/nakagawa/TRIZ/jlinksref/JTS/6thTRIZSymp2010Pre.html
2010年6月20日日曜日
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