2010年2月9日火曜日

切削機

 前回は二つの物質を接触させなくてもよい場合の「有害作用の除去」に関する標準解法でしたが、今回は接触させなければならない場合に対する標準解法の紹介です:

・標準解法1-2-4 「新たな場による有害作用の除去」

 有害作用の除去は、ある物質に対して、望ましくない効果が及ぼさないように物質-場システムを改良することにより行います。

 物質-場モデル内の二つの物質間に有用な作用と有害な作用が働いていて、この二つの物質を直接接触させておかなければならない場合には、二重物質-場システムに変更し、もともとあった場では有用な作用を行うとともに新たに持ち込んだ場では有害な作用をなくす(あるいは有用な作用に変える)ことにより問題を解決できます。











標準解法1-2-4: 新たな場による有害作用の除去

●例「切削機」

 機械工場にはいろいろな工作機械がありますね。高速回転を利用してきれいに切削できる装置もあります。でも、工具と対象物間の摩擦がオーバーヒートの原因となって変形による精度低下を引き起こす恐れもあります(下図)。

 精度を保つためにはどうどうすればよいでしょうか?











http://blog.goo.ne.jp/diamondtree/m/200902/6

・解決策

 この例では、工具は二つの作用をします: まず、対象物を切削するという有用な作用、そしてもうひとつは、熱を発生させるという有害な作用です。これは、物質-場的には、左下図のように、S1の工具が機械場を介してS2の対象物を切削すると同時に加熱してしまうモデルとして表せます。

 標準解法1-2-4に従えば、新たな場を持ち込んで、有用な作用も果たしている既存の場の有害な作用のほうをなくすことになるので、オーバーヒートをなくすことのできる温度場を探してみましょう(右下図)。









S1が生じる二次的有害作用の除去に標準解法1-2-4を適用した例

 温度場は、作業対象物(と工具)を冷やすことにより変形と精度低下を防いでくれる放水装置などで用意することができそうですね(下図)


Copyright notes

This book has been developed in the frame of the TETRIS project funded by the European Commission—Leonardo da Vinci Programme.
The partners of the project consortium are:
AREA Science Park (Italy) www.area.trieste.it (project coordinator)
ACC Austria Gmbh (Austria) www.the-acc-group.com
European Institute for Energy Research - EIfER (Germany) www.eifer.uni-karlsruhe.de
Fachhochschule Kärnten (Austria) www.fh-kaernten.at
Harry Flosser Studios (Germany) www.harryflosser.com
Higher Technical College Wolfsberg (Austria) www.htl-wolfsberg.at
Jelgava 1. Gymnasium (Latvia) www.1gim.jelgava.lv
Siemens AG, Sector Industry, Industrial Automation and Drive Technology (Germany) w1.siemens.com/entry/cc/en/
STENUM Environmental Consultancy and Research Company Ltd (Austria) www.stenum.at
Technical Institute for Industry “Arturo Malignani” (Italy) www.malignani.ud.it
The educational center for adults of Jelgava (Latvia) www.jrpic.lv
University of Florence (Italy) www.dmti.unifi.it

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