2010年2月20日土曜日

長傘

 前回に引き続き、今回もクラス2「システムの進化」に属する標準解法の(再)紹介です:

・標準解法2-2-4 「システムの柔軟性の向上」

 物質-場システムの可動性を向上(すなわち、自由度を増大)させて、より柔軟で素早く変化するシステムへ遷移させることにより、物質-場システムの効率を改善することができます。







標準解法2-2-4 システムの柔軟性の向上

●例「長傘」

 傘の構造を眺めてみると、長い中棒に複数の親骨が結合されていて、これらで雨滴を通さない生地をピンと支えています(下図)。傘を開いた時の表面積を広くしたほうが人が濡れにくくはなるのですが、そうすると傘を閉じた時にかさばってしまいます。

 できるだけかさばらないようにするにはどうすればよいでしょうか?
















一般的な傘の
構造とパーツ

http://nakaya-kasa.com/cgi-bin/umbrella/site.cgi?u=0.16

・解決策:

 この状況の物質-場モデルは、左下図のように、人(S1)、傘(S2)およびこれらの間に作用する機械的場として表わすことができます。傘を用いて、機械的場により雨滴が人に当たらないようにしています。標準解法2-2-4を適用して、傘の柔軟性を向上させることになります。でも、どうすれば柔軟性を向上させることができるでしょうか?
 傘の中棒や親骨を動かせるようにすると良さそうですね(右下図)。






傘(S2)に標準解法2-2-4を適用した例

 固定のものを可動化すためには自由度を加えます。固定の親骨を元親骨と先親骨に分け、これらを先だぼ(大だぼ)で結合して可動化すれば、折りたたんだ時に小さくまとまってくれますね。中棒に対しても同様のコンセプトを適用できます(下図)。














折りたたみ傘の構造とパーツ

 中棒には「入れ子原理」を使っています。同じ可動化であっても、場所や構造によって異なる方式が用いられている点など興味深いですね。


Copyright notes

This book has been developed in the frame of the TETRIS project funded by the European Commission—Leonardo da Vinci Programme.
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Harry Flosser Studios (Germany) www.harryflosser.com
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Jelgava 1. Gymnasium (Latvia) www.1gim.jelgava.lv
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STENUM Environmental Consultancy and Research Company Ltd (Austria) www.stenum.at
Technical Institute for Industry “Arturo Malignani” (Italy) www.malignani.ud.it
The educational center for adults of Jelgava (Latvia) www.jrpic.lv
University of Florence (Italy) www.dmti.unifi.it

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