2010年2月21日日曜日

折りたたみ傘

 今回は、前回のクラス2「システムの進化」に属する標準解法2-2-4を少し発展させてみましょう。前回の例は傘の固定部分を可動化するという内容でしたが、今回はすでに柔軟なものを更に柔軟にしようという方法です:

・標準解法2-2-4' 「(柔軟な)システムの柔軟性の向上」

 (柔軟な)物質-場システムの可動性を向上(すなわち、自由度を増大)させて、より柔軟で素早く変化するシステムへ遷移させることにより、(柔軟な)物質-場システムの効率を改善することができます。
標準解法2-2-4' (柔軟な)システムの柔軟性の向上

●例「折りたたみ傘」

 折りたたみ傘の構造を眺めてみると、入れ子になった内側の中棒に複数の元親骨が結合されていて、これらに先親骨が先だぼで結合されています(下図)。折りたたむと大きめの鞄には納まってくれますが、ハンドバッグやポケットからははみ出してしまいます。

 ハンドバッグやポケットにも納まるようにするにはどうすればよいでしょうか?
 













折りたたみ傘の
構造とパーツ


http://nakaya-kasa.com/cgi-bin/umbrella/site.cgi?u=0.20

・解決策:

 この状況の物質-場モデルは、下図上部のように、人(S1)、折りたたみ傘(S2)およびこれらの間に作用する機械的場として表わすことができます。折りたたみ傘を用いて、機械的場により雨滴が人に当たらないようにしています。標準解法2-2-4' を適用して、折りたたみ傘の柔軟性を向上させることになります。でも、どうすれば柔軟性を向上させることができるでしょうか?
 傘の中棒や親骨を3つに分けると良さそうですね(下図下部)。

折りたたみ傘(S2)に標準解法2-2-4' を適用した例

 (柔軟な)システムの効率を改善するためには自由度を加えます。元親骨と先親骨を短くして受け骨を加え、中棒を大管、中管、小管に分けてそれぞれの骨と管の長さを揃えた3段式の傘にすれば、折りたたんだ時に更に小さくまとまってくれますね(下図)。













3段式
折りたたみ傘の
構造とパーツ




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Harry Flosser Studios (Germany) www.harryflosser.com
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Jelgava 1. Gymnasium (Latvia) www.1gim.jelgava.lv
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STENUM Environmental Consultancy and Research Company Ltd (Austria) www.stenum.at
Technical Institute for Industry “Arturo Malignani” (Italy) www.malignani.ud.it
The educational center for adults of Jelgava (Latvia) www.jrpic.lv
University of Florence (Italy) www.dmti.unifi.it

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